「経済学的な家族」ツイートまとめ その22

転校生と息子の選挙戦はついに終盤に突入。それぞれの思いを胸に挑む最終弁論。闘いの末に息子と転校生は何を見るのか?生徒会選挙クライマックス、シリーズ第22弾公開!
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本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発1:体育館で演説を行う息子と転校生。息子はスクリーンに監視カメラが設置されていた事実を訴える。どよめく会場。続いて、息子は新聞部のある日の記事と、映像を照らし合わせる。その内容がピタリと一致した。息子「新聞部の誰かがこのような卑劣なことをしています!」

2011-04-01 20:18:38
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発2:息子(経済は信頼で成り立っている。日々膨大な取引を行う企業は、一回ごとの取引でいちいち現金を移動させていたらコストがかかり過ぎる。そこで、実際には取引のデータを蓄積しておいて、月末などに一括して決済する。そこで重要になるのが企業間の信頼だ。)

2011-04-01 20:29:17
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発3:息子(「この企業は次の期にちゃんとお金を払ってくれるか?」。一度その信頼が崩れてしまうと、後は疑心暗鬼の連鎖で取引は崩壊する。規模が大きくなり、期末決済の手法を取っていた彼の支配のモデルは、今回の信用不安で大きく揺らぐことになった。)

2011-04-01 20:35:32
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発4:息子(信用不安に襲われた取引先は、今までの支払いを求めて一気に殺到した。準備金はすぐに底を尽き、黒字倒産の危機に陥った。彼は非常事態宣言を出し、支払いを強制的に一時停止することになった。これは彼のグループの威信を大きく傷つけた。)

2011-04-02 00:27:03
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発5:息子(地に落ちた威信を取り戻すため、彼は資金繰りに奔走することとなった。まずは個人資産を導入。さらに、部下から上納金を徴収する。それでも足りず、様々な人間から金を借りる。だが、悪いことは重なる。今まで彼の行動を黙認していた教師が、反旗を翻したのだ。)

2011-04-02 00:30:48
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発6:息子(水に落ちたイヌを叩け。教師は彼の行なっていた「中学生らしくない行動」の数々を指摘し、生活指導の対象とし始めた。彼の本丸であった新聞部も活動一時停止に追い込まれ、宣伝力は一気に落ちた。もはや選挙活動どころではなく、火消しに精一杯の情勢だ。)

2011-04-02 00:32:54
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発7:息子(選挙の旗色が悪くなると、金だけで繋ぎとめていた票田も基盤が揺らいできた。離反してゆく人間が次々と内幕を教師に匿名で告発し、それがまた彼を叩く材料に使われた。監視カメラに着替えも映っていたことが分かり、女子からも袋叩きに遭うこととなった。)

2011-04-02 00:38:12
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発8:息子(そこにすかさず、こちらが実質論を持ち出す・・・)演説で壇上で語る息子。息子「私は以前自らの作った借金問題を処理したことがあります。現在、学校内で不良債権問題が起こる危険性が高まっていますが、私が生徒会長になったら、この問題に早急に取り組みます。」

2011-04-02 00:41:03
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発9:息子(更にビジョンを示す・・・)息子「更に、私は授業にグループワークを取り込みたいと考えています。例えば、班ごとに一人では解ききれないぐらいの問題を出して、それを制限時間以内にチームで力を合わせて解いてゆきます。これにはいろいろなメリットがあります。」

2011-04-02 00:47:31
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発10:息子「まず、チームワークが鍛えられます。簡単な問題には学力が劣る人間、難しい問題には優秀な人間を割り当てるなど、適材適所について考えるでしょう。あるいは、途中で詰まってしまった問題をみんなで議論しながら取り組むことになるでしょう。」

2011-04-02 00:50:21
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政治経済学的な息子の摘発11:息子「適材適所を実行するためには、クラスメイトの学力や得意分野をしっかりと把握することが必要です。そのためには、普段のコミュニケーションが必要です。クラスの連帯感を生み出す効果も期待できます。さらに、優秀な人間のノウハウを浸透させることができます」

2011-04-02 00:53:16
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発12:息子「班分けを定期的に変えることで、生徒たちの交流機会が作られ、中が深まってゆきます。また、議論しあうことで色んな視点から一つの問題に取り組むことができます。一人だけで勉強するのももちろん大事ですが、グループ行動を組み合わせて学力の底上げを狙います」

2011-04-02 00:55:28
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発13:新聞部の部室で選挙任期の中間発表を見る転校生。予想票数の差が急激に縮まっていた。転校生は紙を破り捨てる。転校生「・・・掲載中止だ。他の記事を大至急用意しろ。」生徒達が噂する。生徒「ねえ、次回予告によれば、今週って選挙の中間報告じゃなかったっけ?」

2011-04-02 00:59:01
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発14:生徒「ああ、確かに。」生徒「相当結果が悪かったのかな?」生徒「そうかもね・・・」息子(一度流れが悪くなると、隠蔽体質もまた事態を悪化させる。人々の共有予想が悪化すると、予言の自己実現的に本当に状況が悪くなっていく。これを一気に変えるのは容易ではない)

2011-04-02 01:06:34
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な息子の摘発15:息子(選挙では対立候補のスキャンダルを調べてネガティブキャンペーンを行なうのは常套手段だ。だから、少しでも後ろ暗い過去を持っていると、すかさず掘り起こされる。そこにメディアが乗っかってスクラムを組み出すと覆すのは難しい。彼の王国は…足元から崩壊する)

2011-04-02 01:21:05
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な最終決戦1:息子(ある日の朝、学校中に新聞が張り出された。転校生は今まで手がけていた事業部門を売却。人員も削減することで、手元資金を確保して支払い要求に応える方針が示されていた。それでも払いきれない部分については詳細な返済計画や個別対応についても書かれていた。)

2011-04-04 11:10:22
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な最終決戦2:息子(こちらが最も恐れる展開だった。彼は王国の維持を諦め、体制をスリムにした状態で再び勝負を挑もうとしてきたのだ。彼は自ら支払いの相談に一人ひとり乗り、頭を下げていた。その作業に忙殺されて、まるまる一ヶ月、彼は選挙活動を自粛することになった。)

2011-04-04 11:12:36
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な最終決戦3:息子(二回目の討論会を迎え、こちらは彼を徹底的に論破した。しかし、討論では勝利したが、生徒たちの同情が彼のほうに集まっているのを背中で感じていた。むしろこちらには「あんなに頑張っている奴を容赦なく叩くなんて非情だ」という声さえ届いてきた。)

2011-04-04 11:15:15
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な最終決戦4:息子(情に弱い日本人の特性を知り尽くした選挙戦術だ。戦況を見た上での朝令暮改はさすが言わざるを得ない。分割することで放送部は取り戻したが、相手も本丸である新聞部は残した。リソースが少ないため統計は取れないが、俺達は形勢が戻りつつあるのを肌で感じていた)

2011-04-04 11:19:33
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政治経済学的な最終決戦5:息子(その後は典型的なドブ板選挙。互いにそれぞれの教室を回って自らの熱意を訴える。紆余曲折の末に最も原始的な形に戻ったのは面白い。そして、ついに最終弁論の前日を迎える・・・)会議室で議論をする息子と悪友。息子「・・・よし、これで原稿の完成だ。」

2011-04-04 11:22:08
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な最終決戦6:悪友「結局、二十回ぐらい書き直ししたよな。」息子「先生が言っていたけど、こんなに接戦の生徒会選挙は例がないらしいよ。」悪友「もう三ヶ月かあ・・・」椅子に座ったまま感慨深げに天井を見上げる悪友。息子「結果は神のみぞ知る、だね。」悪友「よっしゃ、帰るか!」

2011-04-04 11:26:19
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政治経済学的な最終決戦7:廊下を歩く息子と悪友。すると、向こうから生徒が走ってきてぶつかる。息子「うわっ!」鞄の中身が散らばる。生徒「ああっ、すいません!」慌てて中身をかき集める生徒。悪友「もっと周りにも目を配れよ」生徒「はい、ご迷惑おかけしました」帰ってゆく息子達。

2011-04-04 11:31:41
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政治経済学的な最終決戦8:生徒は曲がり角を行く。そこには転校生が立っていた。転校生「取れたか?」生徒「はい、ばっちりです」生徒は原稿の入った封筒を取り出す。転校生は中身を確認する。転校生「ご苦労。俺が当選したらお前を有利なポストに抜擢してやる。」生徒「ありがとうございます!」

2011-04-04 11:33:48
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な最終決戦9:転校生(念には念を入れないとな。)原稿の中身に目を通す転校生。転校生(相手の手の内を知った上で、きちんと論破する準備をする。最後の見せ場だからこそ、その効果は大きい。)読み終わった後、転校生は元通り封筒に納めて部下に投げ渡す。転校生「隣町に捨てて来い」

2011-04-04 11:37:03
本の虫(本体) @honnomusi

政治経済学的な最終決戦10:部下は自転車のカゴに封筒を入れて走り出す。風紀委員「キャッ!」校門を出ようとするとき、帰り道を行く風紀委員にぶつかりそうになった。自転車は危ないところでかわして外に出て、全速力で走り去っていく。(翌日)悪友「スピーチ原稿がどっか行ったぁ!?」

2011-04-04 11:40:45