アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、蒼天航路21話脚本：戦士の成長、軍師の覚悟

まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きというだけで始めてしまった、カイジのシリ構、高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。 今回は、蒼天航路21話脚本。 前回は同作20話脚本。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/02/… 上記ブログ関連ツイートまとめ: togetter.com/li/1196191 他: togetter.com/id/makimogpfb

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高屋敷氏脚本蒼天航路21a アニメ・蒼天航路は、曹操の生涯を描いた同名漫画のアニメ化作品。高屋敷氏はシリーズ構成も務める。 監督は学級王ヤマザキや頭文字D4期などを監督した冨永恒雄氏。 総監督は、バイファムやワタルなどのキャラクターデザインで有名な芦田豊雄氏。

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高屋敷氏脚本蒼天航路21b 配信終了が迫っていたため、詳細はブログにしました: 蒼天航路21話脚本:戦士の成長、軍師の覚悟 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/02/… #はてなブログ

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高屋敷氏脚本蒼天航路21c 話は、 ・呂布に下った劉備達が、呂布により投獄される ・曹操が、呂布の本拠地である徐州(じょしゅう)へ大軍を率いて向かう ・呂布の籠城戦 ・曹操、呂布が立て籠る下ヒ(かひ)城への水攻めを決意 ・曹操による水攻めが開始される までが描かれる。

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高屋敷氏脚本蒼天航路21d 今回も、太陽や月が重要キャラクターとして、不吉を告げたりするなど活躍している。 夕陽が不吉だという台詞もあり、益々強調されている。 画像1はチエちゃん奮戦記脚本との比較。 画像2は太陽の使者鉄人28号脚本との比較。 pic.twitter.com/6quBSMDnXH

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高屋敷氏脚本蒼天航路21e 曹操と通じている部下から、籠城戦を持ちかけられ、呂布はそれに乗ってしまうが、それでも呂布の軍師・陳宮(ちんきゅう)は、王になりたいという呂布の野望を汲み、呂布を勝たせる決意をする。ここも「魂のこもった物」が強調される。家なき子演出、めぞん一刻・DAYS脚本と比較 pic.twitter.com/29EylIreKp

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高屋敷氏脚本蒼天航路21f 呂布による籠城戦が始まると、なんと呂布は、門を開けては単騎で無双し、それが終わると門を閉めるという戦法をとる。 このとき優秀モブがつき従うが、優秀モブは高屋敷氏の作品にて、よく強調される。太陽の使者鉄人28号脚本と比較。 pic.twitter.com/qmISk1Fn6D

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高屋敷氏脚本蒼天航路21g また、この時、「手から手へ思いを伝える」という高屋敷氏の大きな特徴も出ている。 挙げればキリがないが、カイジのシリーズ構成、MASTERキートン・ワンナウツ脚本と比較。 pic.twitter.com/2k3deWkXSY

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高屋敷氏脚本蒼天航路21h 呂布の強さに曹操軍は萎縮。 曹操は呂布を、美女のようだと評す。 そこで曹操は、軍師・荀攸(じゅんゆう)の、川を氾濫させる策を採用する。筆頭軍師・荀彧 (じゅんいく)は、曹操が益々憎まれると言い、泣く。ここも、高屋敷氏の「善悪の区別は複雑」というテーマが表れている pic.twitter.com/iQBuXXqOFP

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高屋敷氏脚本蒼天航路21i 曹操は荀彧に対し、戦は百年先を見据えなければならないと説き、憎まれ役を引き受ける。 荀彧の涙は、孤独になっていく曹操への悲しみも含まれていると思う。孤独・孤独救済も高屋敷氏の特徴。 画像は泣き顔集。カイジ・太陽の使者鉄人28号脚本、元祖天才バカボン演出との比較 pic.twitter.com/F33LuAURvP

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高屋敷氏脚本蒼天航路21j 大地に雪が降り積もった朝、呂布軍は、曹操軍がいない事に気付き、曹操軍が撤退したのだと大喜び。 だが喜びも束の間、曹操による水攻めが開始される…。 雪や水といった自然の活躍が強調されるのも高屋敷氏の特徴。画像1はめぞん一刻脚本との、画像2はルパン三世3期との比較 pic.twitter.com/DozvZu6OhZ

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高屋敷氏脚本蒼天航路21k 前半は呂布軍の軍師である陳宮の、後半は曹操軍の軍師である荀攸・荀彧の思いがクローズアップされており、どちらも等しくシンパシーを覚える構成になっている。 シリーズ後半ともなってくると、「善悪の区別は単純ではない」という高屋敷氏のテーマが非常に色濃く表れている

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高屋敷氏脚本蒼天航路21l 一方で、「龍になる」という呂布の願いがかない、今回の戦いにて呂布は兵に慕われる「将」となる。本作では、「少年から男へ」の成長から更に踏み込んで、「男から将へ、将から龍へ」の成長を描いている。もともと、こういった成長描写・豹変は、高屋敷氏の得意とするところ。 pic.twitter.com/U6LQa6nmsA

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高屋敷氏脚本蒼天航路21m だが本編内で劉備が言う通り、呂布は今回で生涯のピークに達してしまっている。 もうそうなると、あとは死して龍となり、昇天するしかない運命。 シリーズ中盤では、孫堅や董卓が死ぬと龍となって昇天しており、呂布の悲しき運命が予想できる作りになっている。

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高屋敷氏脚本蒼天航路21n そして曹操はといえば、これからどんどん憎まれ役を引き受けていく事になる。そして、それを覚悟する曹操の姿が、今回描かれている。 最終回を見てわかった事だが、この「善悪の区別は単純ではない」という、高屋敷がよく発するテーマは、このシリーズ全体の肝となっている。

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高屋敷氏脚本蒼天航路21o その、最終回まで横たわっているテーマを描くため、今回は、曹操の情け容赦ない水攻めが開始される所をラストに持ってきている。 本作ではこういった、どっちが善でどっちが悪かわからない描写が、最終回まで積み上げられている。

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高屋敷氏脚本蒼天航路21p 最終回を見た後で、この回を思い返すと、高屋敷氏の構成の計算高さに驚かされる。 今回で、本作における高屋敷氏の直接脚本は最後になるのだが、最終回に向けての、テーマ的な伏線の宝庫になっている。 次回は、本作の「シリーズ構成」について取り上げることにする。