ポパーと寛容のパラドックス、その誤用について
- masatoramune
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『自由社会の哲学とその論敵』からの抜粋ですね。しかしポッパーは同じ部分で、合理的な論議で反論できる限りにおいて、不寛容な哲学を口にすることを法で禁止することはきわめて愚かしいものであるとも述べています。 twitter.com/PachelbelCanon…
2018-02-10 18:33:25「たとえばわれわれは不寛容な哲学を口に上せることをいつも禁止すべきであるという意味を含ませはしない。われわれはそうした哲学を合理的な論議で打ち返し世論によって掣肘をすることができる限り、禁止は確かにきわめて愚かしいことであろう」と。
2017-09-18 08:24:17ポッパーは不寛容な人々が「拳固やピストル」で自らの教説を押し付け、反対者の自由を禁じようとしたときについて、「不寛容なものたちを寛容しない『権利』を要求するべきである」と述べるものです。そしてまた、ポッパーは民主主義の完成がそうした逆説を克服するとも予言しています。
2017-09-18 08:30:04ポッパーの哲学の寛容なところは、自由な批判の応酬によって、人は正しい道へと少しずつ近づいていけるのだと示したことです。「自分が間違っていてあなたが正しいのかもしれない。そして努力すればわれわれは真理にもっと近づけるであろう」という標語とともに。
2017-09-18 08:26:20ポッパーはこうも述べています。「自由の敵たちはいつのときも自由の擁護者に破壊の罪名で非難してきた。」ポッパーは民主主義に多大な信頼をよせた哲学者の一人であり、彼の言っていることは、まず対話を行うということです。
2017-09-18 08:28:45というか、該当する箇所がどこかわからず、この分厚い本を最初からずっと読み通すはめになりました……まさか注釈の抜粋とは……。 pic.twitter.com/bgiGyvW2Rg
2017-09-18 08:31:30ちなみにいちおう付言しておきますと、当該書でポッパーが自由の敵として批判しているのは、ヘイトスピーチというよりもマルクス主義です。
2017-09-18 14:39:16自由主義をあれほど愛したポッパーを援用して、あたかも表現規制を肯定したかのように述べるのは絶対許せないので、何度でも反論しますよ。
2018-02-10 18:35:35前にも書きましたが、ポッパーが想定した「不寛容」の中身は、マルクス主義による共産党独裁が想定されています。したがって、当該部分を援用して言えるのは、暴力革命を引き起こすような思想に対する不寛容であって、ヘイトスピーチのことではありません。
2018-02-10 18:51:08いいえ。そうは思いません。革命を説くような思想であろうと、表現の自由は認められるべきです。ポパーの場合、東西冷戦の真っただ中で、共産主義革命の脅威が身近なものとしてあったため、「注釈」を付けざるをえなかったのでしょうが、私は余計な付け足しだったように思います。 twitter.com/fi6qfZdzIfMK1m…
2018-02-10 20:10:44もちろん、これは歴史を知る者の傲慢で、後知恵にすぎません。私は持てる思想的な力のすべてを注ぎ込んで自由を擁護した哲学者・ポパーに、心の底から敬意を払いたいと思います。
2018-02-10 20:12:38