『スーパーマリオブラザーズ』のゲーム性を分析する

ファミリーコンピュータゲーム『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)のゲーム性を分析します。ジャンプ要素を主軸に、同時代のゲームとの違いを考察します。 【次回】 Togetter - まとめ「『スーパーマリオブラザーズ』のゲーム性2」 http://togetter.com/li/12192 続きを読む
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しろうと @sirouto
今日は『スーパーマリオ』を例に、ゲーム性を見ていきます。 Togetter - まとめ「ゲーム性を考える」 http://togetter.com/li/11844
しろうと @sirouto
「ファミリーコンピュータ」時代のゲーム『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)。このゲームの目的は、ステージの右端(旗・斧)まで移動することです。最終ステージまで到達すると、囚われた姫を助けるという、ストーリー上の目的を達成し、ゲームクリアとなります。
しろうと @sirouto
『スーパーマリオ』における目的達成(ステージ右端到達)の手段を列挙します。第一に、方向キーによる左右移動。第二に、Aボタンによるジャンプ。第三に、Bボタンによる加速と、攻撃可能な弾の発射。その他、下キーでしゃがむ、上キーで登る行為が可能です。
しろうと @sirouto
『スーパーマリオ』は、横スクロールアクションゲーム、ジャンプアクションゲーム、というジャンルに相当するでしょう。移動とジャンプを駆使して障害回避・資源確保しながら、横にスクロールして進み、ゴールを目指すというジャンルになります。
しろうと @sirouto
もちろん、『スーパーマリオ』は、横スクロールアクションの元祖ではありません。『パックランド』(ナムコ)や『スパルタンX』(アイレム)など、先行ゲームがあります。また、縦スクロールに『ゼビウス』『アイスクライマー』が、踏んで倒すアクションには『バルーンファイト』があります。
しろうと @sirouto
しかしやはり、『スーパーマリオ』は、約680万本(国内)と爆発的に売れており、国民的な知名度があるでしょう。また、当時の他の作品と比較して、ゲームの完成度が高い。そこで、代表的な作品として、取り上げるわけです。
しろうと @sirouto
それでは、『スーパーマリオ』が優れていたのは、どのような点でしょうか。ゲーム性が高い、行動選択が幅広い、操作性が良い、上達の余地が大きい……など、色々な要素がありますし、様々な言い方ができるでしょう。
しろうと @sirouto
ここでは、『スーパーマリオ』のゲーム性(の高さ)を、「高次化」という視点で捉えます。「高次化」とは、どういったことでしょうか?
しろうと @sirouto
ゲームの行動選択の幅を広げようとするときに、単に量を増やす方向で進めると、すぐに頭打ちが来ます。たとえ技術的に可能でも、プレイするユーザ側に、認知的限界があるからです。
しろうと @sirouto
ボードゲームの盤面の大きさや駒の数を2倍にしたら、ゲーム性が2倍高くなるかといえば、そんなに単純ではないでしょう。たとえば将棋にしても、盤面が小さい小将棋が、現代の本将棋になっています。
しろうと @sirouto
ファミコン初期のソフトの中には、単純な量でゲームバランスを調節しようとする発想が、よく見受けられます。たとえば、敵の数が増えるとか、敵の弾が早くなるとか。敵の種類を増やすにしても、色違いで動きが速くなるだけとか。
しろうと @sirouto
敵の数や弾の速さのみで調節しようとすると、プレイヤー側がすぐ対応できなくなります。動体視力や反応速度などの身体的能力は、そう簡単に向上できないからです。じっさい、ファミコンのゲームには、理不尽に難易度が高いものがある、という声はよく聞かれます。
しろうと @sirouto
『スーパーマリオ』は、敵の数・速さ・固さなどの、単純な量ではなく、より高次元の要素でゲームバランスが調整されています。どういうことでしょうか。
しろうと @sirouto
もし『スーパーマリオ』が、クリボー(敵)しか登場せず、その数が増える、耐久力(踏む回数)が増える、移動速度が速くなる、といった色違いのバージョンが登場するだけだったら、あれほどの名作にはならなかったでしょう。
しろうと @sirouto
『スーパーマリオ』のクリボーは、一回踏むと倒せます。ノコノコ(敵)では、ノコノコ→甲羅と、敵を踏むと状態が変化します。パタパタではさらに、パタパタ→ノコノコ→甲羅と、段階が増えています。このとき、飛ぶ→歩く→滑ると、移動方法も伴い変化します。これが、高次化です。
しろうと @sirouto
敵だけではなく、それを倒すマリオ(主人公)の方も、単調な量的増加ではなく、より高次の操作が要求されます。具体的に言うと、『スーパーマリオ』の攻略要素は、ショットの連射ではなく、ジャンプの制御が中心になります。
しろうと @sirouto
ショットの連射向上は、一次元の課題なので、すぐに上達の限界を迎えます。しかし、ジャンプの制御向上は、二次元の課題なので、上達の余地が大きいわけです。
しろうと @sirouto
同じ二次元のマップを使っていても、やたら連射が要るカタい敵や、反射的に避ける必要がある超高速な弾が出てくると、実質的にはボタンを押す速度に、ゲーム攻略が還元されます。ここでの「高次元」は難易度が高い、という意味ではありません。むしろ、低次元で難易度が高くなります。
ティラノ・ノラ @kuneyellow
重力が自由を作る、と捉えるとエヴァ最終話みたいだRT @sirouto: ショットの連射向上は、一次元の課題なので、すぐに上達の限界を迎えます。しかし、ジャンプの制御向上は、二次元の課題なので、上達の余地が大きいわけです。
しろうと @sirouto
@kuneyellow そうですね。重力は制約ですが、重力加速度による微妙な速度変化が、上達の余地、自由度を高めています。
しろうと @sirouto
『スーパーマリオ』は、ジャンプ制御を軸に、移動ルートを確立することが、攻略の中心になります。もちろん、連射する場面(10コインブロックなど)もありますが、そう無茶な高速の連打は要求されません。この辺りに、マリオが万人向けである理由があると思います。
しろうと @sirouto
『スーパーマリオ』のジャンプは、ゲーム性を構成する重要な要素になっています。すなわち、ジャンプ軌道が多様であり、かつ、ゲーム攻略の目的を達成する手段になっています。
しろうと @sirouto
ジャンプ軌道の多様性は、何によってもたらされるでしょうか。まず当たり前のようですが、横視点の画面は前提になります。縦STGのような上視点では、ジャンプの高さを表現するのが難しい。
しろうと @sirouto
これも当たり前のようですが、重力で非ジャンプ時は接地しています。そこで、ブロックによる足場が、攻略ルートのメインの導線になります。また、コイン配置による正のインセンティブと、敵配置による負のインセンティブが、サブの導線として機能します。
しろうと @sirouto
ブロックがメインのルートですが、リフトという可動の足場があります。また、パタパタやキラーが一時的な足場になり、ファイアーバーはルートを制限します。このように、敵は敵の役割だけでなく、移動(障害)という役割も兼ねており、多元化しています。
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コメント

uerin @wailynx 2010年4月1日
攻撃↓と進行→(目的)のベクトルが違うっての。いいね。戦争は進歩(技術革新)に欠かせない(同ベクトル)ってのに抗ってるとも言えるじゃん。
しろうと @sirouto 2010年4月1日
余談ですが……。文明の進歩には、資金と労力が必要です。そして、真理を追求するより、戦争に勝利する方が、人間の動機が強い。だから結果的に、戦争の副産物で進歩することになるのでしょう。
uerin @wailynx 2010年4月1日
あらら。フォローされちゃった(汗)。重力による高度化の話でものね解ってるよ。喩えたかったのは、技術革新↑戦争↓進歩→。単純な攻撃(好戦的傾向/古典的シューティング)のような数的上昇が進歩なのでないって部分だけですよー。
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