天皇の意思のもと退位日が決められる場合元号に対し人為的に性格付けできるという事と平成の性格は株価によって規定されるかもしれないという事

生命情報保存研究所 @rodan670

今上天皇の退位に伴い2019年4月30日に平成が終了する。この退位は天皇の生物学的寿命ではなくその意思のもと決定された出来事である。今生天皇がお気持ち表明を発せられたのが2016年8月8日なので、その意図が確定してから有識者が決定した実際の退位日の間には３年弱のラグが設けられる事となる

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この２０１９年は天皇の退位に伴う元号の切り替えのみならず、近辺に日本の歴史に実質的な影響を与える大きなイベントを配置した特異な立ち位置にある。２０２０年には東京オリンピックが開かれ、また長期政権を築き上げている安倍首相も自民党総裁の任期上２０２１年までには降板すると考えられている

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新元号の発動がこの年と定められたことにより、「平成」の性格はより分かりやすくなる。平成という時代について多くの人間が思い浮かべる事項に「不況」がある。この「不況」は単なる経済的現象に留まらず、マスコミが「平成の大不況」等折に触れて発するワードに触れる中で形成されたイメージをも含む

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奇しくも平成はその導入期においてバブル崩壊を経験している。バブル崩壊という現象の始まりについては1985年のプラザ合意がその起点ではないかという学説や、内閣府が平成不況における景気減速期を1991年の3月からと認定するなど幅があるものの、

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日経平均の株価を見ると平成元年（１９８９年）末につけた史上最高値38957円をピークに下降の一途をたどっている。株価は数字という明白な尺度のもとに経済を表すことのできる有力な材料であり、ゆえに政治家やマスコミによって各時期における経済状態を規定する際に取り上げられるのみならず

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日々のニュースの各所に織り込まれるため、その値段は視聴者の脳内に「時を標識する情報」として刷り込まれる。ニュースキャスターは念仏のように「不景気」「失われた１０年」「２０年」を口にする。その１０年２０年はそのまま平成の年月とリンクする。

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人々の心理には平成の歴史＝不況の歴史という構図が刷り込まれる。ただこの図式は、２０１２年に発足した第二次安倍内閣のもとで推し進められる経済政策アベノミクスのもとで変容を余儀なくされる。アベノミクスが実体経済に与えた影響に関しては諸説ある。ただ株価だけは右肩上がりに上昇していく。

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株価は時を標識する情報であるため、実体経済が仮に回復していなくとも人々の心理から平成の歴史＝不況の歴史という像は薄れていく。ニュースキャスターの発言内容もこれに習い、挨拶代わりに「不況」というワードが使われることは無くなる。

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ここで平成は、単なる不況の時代としてだけでは終わらず、同時に不況からの回帰の時代としての色合いをも与えられることとなる。株価という時を標識する情報を根拠としたこのV字回復のストーリーの当面の目標には、人為的に設けられた希望である東京オリンピックがある。

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一般的にオリンピックは投資を呼び込むとされ、また1964年の東京オリンピックが高度経済成長の象徴的役割を果たした事例に倣って、心理効果的にもこの時期に株価は押し上げられ、一定のピークを形成するのではないかという予測も各種媒体上で広く散見される。

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ただ同時に、翌年の２０２１年までにはアベノミクスの生みの親となった安倍首相も降板すると考えられることから、東京オリンピック後にあくまでただの数字としての日経平均には何らかの転換点が用意されることになるのではないかと危惧する声も根強い。

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ということは現時点において、２０２０年の東京オリンピックを、あくまで株価から見た場合における、不況からの回帰ストーリーの一区切りポイントとして想定することができる。新元号はこの前年である２０１９年に発動する。

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今上天皇のお気持ち表明が２０１６年になされ、これを受け実際の退位日が２０１９年と決定された背後には、様々な思慮があったものと考えられる。しかし今回のように、天皇のご意向と周囲の人間の思考のもと、元号の切り替えが人為的に行われるのであれば、閉じられる元号内の時代というものに

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人為的に性格、色合いを与え、これを規定することも可能となる。ただ、これは人間の精神にはプラスの影響を与える。日本人の脳内には西暦に並んで元号というもう一つの暦が常時存在しており、その暦を基準に自らの記憶を形成していく。そのため年号の切り替えが天皇の生物学的寿命ではなく、

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意図によってなされることは、自らがすごした時代がどのようなものであったか認識しやすくなるという点において、人の記憶を保護することにつながる。