権安里『公共的なるもの』読書メモ集
権安里『公共的なるもの』(作品社、2018)の読書メモをまとめました。
- arishima_takeo
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荒木優太
@arishima_takeo
権安理『公共的なるもの』。古代ギリシャでは、公的なもの/私的なものが空間的に画定できたが(家と広場)、近代になると社会的なものの台頭を経(アレント)、とりわけ後期ではより抽象的な水準で区別せねばならなくなる。
2018-02-17 15:11:43
荒木優太
@arishima_takeo
デリダとアレントという取り合わせは面白いね。形而上学批判=「自分が話しているのを聞く」批判とは、アクターが他者に向かって声を響かせなければならない(自分の声がどう響いているのか分からない!)公的領域へと通じていくもの。
2018-02-17 15:15:04
荒木優太
@arishima_takeo
権安里『公共的なるもの』読了。面白かった。ときに国家のことを指し、ときに国家と市民の中間を指し、デアルやデアルベキやガアルを意味したりする、なのにあらゆる論者が自分の理想を託せるマジックワードとしての公共。
2018-02-18 08:36:43
荒木優太
@arishima_takeo
興味深いのは、公的領域を扱うため必然、アレントの活動概念に焦点化される訳だが、最後で具体的な物質(廃校をシェアスペースとして活用)が共通的世界を担うということで仕事=製作が評価されること。私の理解だと歴史=物語を残すのも活動にはできない仕事の役割ではなかったか。
2018-02-18 08:43:32
荒木優太
@arishima_takeo
つまり、製作物(の残骸)の公共的評価は、人々が共有している物語の公共性への研究にも通じていく気がする。私は、文学研究を活かす一つの道に政治哲学への組み込みを考えていたのだが、その方向でいっても大丈夫な気がしてきた。
2018-02-18 08:47:06
荒木優太
@arishima_takeo
敢えて不満をいえば、「本書はこの主張の是非を問う意図はない」というタイプの文句が多すぎはしないだろうか。個々別々の事例を判断するのではなく歴史を追いたいのだってのは分かるが、もう少し削ってもいいような。変な言い方だが、中立性に腐心するあまり中立に偏ってる印象をもってしまう。
2018-02-18 08:52:45