「経済学的な家族ツイート」まとめ　その４４

本の虫（本体） @honnomusi

経済学的な目安箱1:昼休み、息子は一人でトボトボと廊下を歩いている。 息子(毎日通っている学校でも、知らなかったことは何かと多い) 立ち止まる。目の前にはポスト風の小さな木箱。 息子(何代か前の生徒会が作ったという目安箱。生徒の要望を広く吸い上げようという意図で作ったらしい。)

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経済学的な目安箱2:息子(しかし、本気で学校を良くしたいと思っている生徒はそんなに多くはない。結局ほとんど使われないまま、この箱は存在すら忘れ去られている。) 木箱の後ろの蓋を開ける息子。中から一枚の紙を取り出す。 そこにはビッチリと提案内容が書かれていた。

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経済学的な目安箱3:「バレー部やサッカーなどの球技スポーツ部は、同じ会社からボールを調達しているにも関わらず別々に契約をしている。一括して契約したらもっと安くできるのではないか？会社側だって、何度も人がやって来て購入数の打ち合わせをしたり、商品を納入するのは無駄だ。」

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経済学的な目安箱4:「おそらく部の出来た時期がバラバラで、その都度契約を新規に結んだだろうから、こうなっているのだろうが、生徒会が主導でひとまとめにして、値切ることはできないか。向こうだって集金や納入が一本化できて時間や人件費を抑えられるのだから悪い話ではないだろう。」

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経済学的な目安箱5:「それぞれの部で出してる収支報告書を部員に見せてもらったが、サッカー部は〇〇円、バレー部は△△円・・・。特に古くからあるバレー部は昔の価格が見直されないまま自動更新されてる可能性が高い。ネットや他の会社で相見積もりを取ったほうがよい。」

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経済学的な目安箱6:「仮に10%値切れたとすると××円になるため、これらを球技スポーツの部たち全員が恩恵を受けられるようなもの・・・老朽化した設備の修繕に充てるのがよいのではないか。」 読み終えた息子。 息子「・・・今回もなかなか高カロリーだったな・・・」

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経済学的な目安箱7:息子(最近、目安箱にはこういった猛烈に具体的な提案が寄せられるようになった。といっても、うちの学校でこんなのを投稿してくる人間は一人しかいない訳であるが・・・) 空を見上げる息子。 息子(彼は神出鬼没で、学校にも時々しか顔を見せない。今頃どこで何をしているのか)

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経済学的な目安箱8:授業中、机でつまらなさそうな顔でノートに向かう転校生。 転校生(俺は学校が嫌いだ。自学自習で高校課程の学習を終え、父親の遺産で金にも困ってない俺にとっては、こんなところにいる意義はこれっぽっちも見いだせない。だが、出席日数と内申点の関係で最低限は来なきゃいけない)

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経済学的な目安箱9:授業後の休み時間、女子生徒の話が耳に入ってくる。 女子生徒「ねえねえ、聞いた？あそこの古い建物、出るらしいよ」 女子生徒2「出るって何が？」 女子生徒「オバケが」 女子生徒たち「キャー！！本当に〜？！」 舌打ちする転校生。

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経済学的な目安箱10:転校生(俺に言わせれば、怪談話なんてゆうのは老朽化した建物を放置している学校や行政の怠慢みたいなもんだ。まあ、怪談話で遠ざけておけば、いざ倒壊なんかがあっても被害が発生しないから、安上がりな安全確保手段にはなるが・・・) ノートを開く転校生。

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経済学的な目安箱11:転校生(授業が退屈すぎて、学校の無能ぶりと解決策を書き出してたら12個も出て来ちまったぜ・・・) 帰り道、目安箱に目がとまる。「ご意見お待ちしてます！」の見出しを見つめる転校生。 転校生(見る奴はいないかもしれんが、一応入れておくか・・・) ノートを破いて入れる。

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経済学的な目安箱12:過去の目安箱への提案書を見ながらサンドイッチを頬張る息子。 息子(生徒会メンバーの特徴はまだ全員掴めてはいないが、今自分が最も頼りにしているのは美化委員だ。顔が広い上に仲間からの人望も厚い。行動力もある。ただ、この提案書を見てしまうと、やはり彼は次元が違う。)

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経済学的な目安箱13:息子(ここ最近では生徒会への要望も増えて、人手が足りなくなっている。最初は仲間との話し合いで方針を決定していたが、ここ最近はそれでは追いつかなくなって、トップダウンの形式を取らざるをえなくなってる。しかし、一人で決断してゆくのもそろそろ限界だ・・・)

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経済学的な目安箱14:息子「・・・何とか彼を引き込めないものか・・・」 息子(・・・っていうか、この提案全部実現しようと思ったら過労死するぞ。確かに現実的なアイディアではあるのだが・・・) ドアが開く。 美化委員「あっ、ここにいた！」 息子「どうした？」 何か嫌な予感がする。

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経済学的な目安箱15:美化委員が企画書を机に置く。 美化委員「新聞部が生徒会の特集を組みたいんだって。テーマは『難問を次々と解決！闘う生徒会役員たち！』だって」 息子「待ってくれ、俺らにそんな余裕は・・・」 美化委員「生徒会の活動を知らせる絶好のチャンスよ！もうOKしといたから！」

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経済学的な目安箱16:息子(顔が広くて人望が厚いから、彼女はいろんな人から頼みごとを引き受けて来る。それだけなら良いのだが、どうやらこちらのキャパは無限大だと思ってる節がある) 額に手を当ててため息をつく息子。 息子(今度彼女には、労働経済学について基礎から話さなければなるまい・・・)

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経済学的な悪友の邂逅1:カードショップの席に座ってデッキをシャッフルする悪友。 悪友(ついに来てやったぜ、最近オープンしたばかりのカードショップにな！明るい店内、本棚には多数の漫画、そしてこのゲームの虜になった廃人予備軍ども！まさに脳みそを腐らせるためにあるような空間だぜ！)

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経済学的な悪友の邂逅2:悪友(このゲームはプレイヤーが一国の指導者になって、カードを駆使しながら自らの国を発展させてゆくのがコンセプトだ。とはいっても、ただ経済を発展させればいいってもんじゃない。軍事力を強化して豊かな国に攻め入り、富を収奪するという戦略もある。)

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経済学的な悪友の邂逅3:悪友(軍事力にも気を配り、攻め込まれる隙を見せずに経済を発展させなくてはいけない。そのバランスこそがこのゲームを狂おしいほど奥深くさせてるんだ。そして・・・) 手元でシャッフルしているデッキを見る悪友。 悪友(俺が使うのは超大国アメリカ！)

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経済学的な悪友の邂逅4:悪友(最高の経済力と軍事力を持つ、一番人気のデッキだ！当然カードショップではアメリカのカードは高値がついていて中学生にはなかなか手が出ない。だが、俺はこの日のためにコツコツと小遣いを貯めて、やっとの思いでこのデッキを組んだんだ。)

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経済学的な悪友の邂逅5:悪友(ああ、思い出すだけで涙が出てくるぜ。母ちゃんから毎日貰うお菓子代を少しでも手元に残すため、うまい棒一本で放課後の空腹を耐え忍んだあの日々を・・・。俺の身長が伸びなかったとしたらそれは間違いなくこのデッキのせいだぜ！) そのとき、店内でアナウンスが流れる。

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経済学的な悪友の邂逅6:悪友(おっ、俺の名前が呼ばれたぞ。フッフッフッ、この俺の餌食になるのはどこのどいつかな。この店舗大会では上位入賞者には賞品としてパックが進呈される。今までの投資分を回収させてもらうぜ・・・。) 指定の席へ向かう悪友。 悪友「・・・ん？」

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経済学的な悪友の邂逅7:そこに座っていたのは同い年ぐらいの少女だった。 悪友(何だ？珍しいな。カードショップに女がいるなんて。しかも、俺と同い年ぐらいか？) 席についてシャッフルする悪友と少女。 悪友(だが、誰だろうと関係ねぇ！行く手を阻む者奴は蹴散らすのみだ！)

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経済学的な悪友の邂逅8:対戦が開始される。カードを繰り出す少女。 悪友(む、こいつが使ってるのはシンガポールか・・・) 悪友(シンガポールは国の広さが東京23区と同じぐらいの小さな国だ。人も多くは住めないから、持てる軍事力にも限界がある。土地が狭いから農業も営めない。)

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経済学的な悪友の邂逅9:悪友(となれば、金融や貿易のハブになって経済力を強化する戦術をとるしかない。そこで、こっちは軍事力を強化して攻め込んで、後からゆっくり経済を発展させる作戦でいくぜ。) 悪友「『軍事訓練』発動！これで兵力を強化するぜ」 ゲーム少女「・・・」 カードを出す少女。