烏賀陽さんが語るテレビ、新聞の独善的バイアスについて

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烏賀陽 弘道 @hirougaya

1)フクシマの被災地では、新聞やテレビの取材と行き会うことが多い。同業者を横で見て、さらにその成果である記事やニュース番組を見て、すぐに気づくことは、記者が「自分が被災者に言わせたいこと」を言わせるよう誘導するための質問をする、ということだ。

2018-03-01 21:56:38
烏賀陽 弘道 @hirougaya

2)「言わせたいこと」とは多くの場合「避難先で元気に暮らしています」「復興は順調です」「汚染された故郷に帰っても健康に異常はありません」などの「ポジティブなバイアス」がかかった話が多い。

2018-03-01 21:56:50
烏賀陽 弘道 @hirougaya

3)なぜこうした新聞やテレビ記者が、被災者の感じていることとはまったく別に、こうした「ポジティブなバイアス」を勝手にかけるのか、見当がつかない。別に政府や福島県庁からそうしろと圧力がかかっているという形跡もない。おそらく「それが読者の聞きたい話だ」と勝手に忖度しているにすぎない

2018-03-01 21:58:31
烏賀陽 弘道 @hirougaya

4)興味深いのは、こうした新聞やテレビの「独善的なポジティブバイアス」は被災者にもとっくに見抜かれていることだ。だから被災者たちは「マスメディアは勝手に内容を誘導する」と警戒している。それでも取材に応じるのは「無視され続けるのよりはマシだ」という最悪を回避するためでしかない。

2018-03-01 22:00:28