10周年のSPコンテンツ!

ペルソナ5 哲学ネタ解説 ※ネタバレ有

哲学知識がまったく無い人でも分かるように用語控えめで初歩的な所から解説しています 指摘等あればコメントでお願いします。
ゲーム ペルソナ5 アトラス ペルソナ
22
頽落 @Alienation_H
ペルソナ5の哲学要素を部分的ながらも専門用語を極力使わず解説します そもそも認知って何? ラストシーンにおける竜司のセリフは何だったの? といった人に読んでもらいたい *ネタバレあり クリア済みの人向け #ペルソナ5 #P5
頽落 @Alienation_H
はじめに「そもそも哲学関係あるの?」と思う方も居るかも知れません 確かにペルソナシリーズを通して「神話や伝承や心理学に興味を持った」 と口にする方を見掛ける事はあっても 「哲学に興味を持った」という方はあまり見掛けません
頽落 @Alienation_H
それもそのはず、作中で関連用語がそのまま引用されるのは 精々、一作当たり3~4回程度で 意識がそこへ向かうに足る程の足掛かりが無いと言えます ですが、特に3以降のペルソナシリーズでは ナンバリングごとに異なる著名な哲学者の思想を主題に据え プロットや設定、世界観が作られています
頽落 @Alienation_H
例えばペルソナ3の主題である 「死」や詩歌を元にした「夜」のイメージはハイデガーから ペルソナ4の「真実」や「自己肯定」の要素はニーチェから といった具合で作品を構成する要素の、最も大きな比重を占めるのは 神話でも心理学でも無く哲学だと言えるかもしれません
頽落 @Alienation_H
これから解説するペルソナ5の要素も同じく有名な思想です ですが主題に入る前にまずは作品の中での 基本的な「考え方」に触れなければなりません それは人間の抱く認知、もとい認識作用についてのお話です
頽落 @Alienation_H
人間は昔から自身に備わる認識を基に世界を捉え、考えてきました 例えば、窓辺に立ち、視線を巡らせると何らかの世界が見えるはずです 一例として近い順に、私自身の体、私の家、住む町、空、宇宙…と 大抵の人はここに 認識を巡らせる主観(わたし)と 認識される対象に客観(世界)を見るはずです
頽落 @Alienation_H
昔の人達はこのような主観と客観の分別を人間が生まれながらに 備えた機能や感覚を基準にして行っていると考えて来ました 世界は私が生まれる前から世界として在って その世界に生まれ落ちた私は最初から私 そのように考えますよね ですがこのような主観と客観という考え方には有名な問題点があります
頽落 @Alienation_H
それは至極単純なもので 人間が客観と呼ぶものは、客観と定義された主観に過ぎず その為、人間が想定するような「客観」は存在を証明出来ないのです 日頃よく「客観的に見て―」という言い回しを耳にすると思いますが それも結局は主観に過ぎませんよね
頽落 @Alienation_H
これがいわゆる「主観は客観になりえない」という事です 世界に存在する「他者」は眼差しを向ける対象が同じでも 異なる認識のもとに価値を持っていて 物事の善し悪し、食べ物の好き嫌いといったものが 人の間で完全に共有されない理屈と同じです
頽落 @Alienation_H
ですが客観を否定し、全てが主観の中の物だとして世界を考えるなら そもそも「私」の認識を基に目の前に広がる 「世界」の実在性すらも疑うべきです、主観が「世界」だと認識するものは それこそ本編最後に言及されるような 主観の見る 夢や、それに類するものである可能性を否定できません
頽落 @Alienation_H
では、世界の中から確かな物を捉える事は叶わないのでしょうか? 答えなど何処にも無いだとか 答えを知る事は出来無い、と帰結するのは簡単です
頽落 @Alienation_H
しかし、客観を否定した所で 私達が普段 行動や思考の判断基準としているものは 「私」の見た「認識」に他ならず  もし「認識」の先に見るものが夢や幻だとしても 「私」がそこに「認識」を通じて 何らかの感覚を得た事は揺るぎのない事実だと言えます
頽落 @Alienation_H
例えば…日差しが眩しい時 光を放つ太陽があり光を遮る雲が無い、ゆえに日差しが眩しい この場合、光を放っているのは実は太陽ではないかもしれないし 雲は出ているかもしれない、そもそも光などないかもしれない
頽落 @Alienation_H
このように認識の過程にあるものには疑う余地があります、ですが 眩しさを感じる「私」は確かに居る この事実から逆に考えていく事は出来るわけです
頽落 @Alienation_H
「私」の「認識」の中から得た感覚をもとに 「客観」を排し「世界」を読み解いていく 「世界」を「私」はこのように解釈した、ではなく 何故「私」は「世界」をこのように解釈できるのか?
頽落 @Alienation_H
結果から原因の順序で思考を繰り返し 世界が成立する条件を少しずつ明晰化して 世界を受け取っていくのが、ペルソナ5の中での基本的な考え方です ちなみに、感覚には感情などの変化も含まれる訳ですから 上述の例えを 作中における正義などに適応して考えるとピンと来るかもしれませんね
頽落 @Alienation_H
ちょっと長くなってしまいましたが ここまではヘーゲルやフッサールのお話でした 高校でやったという人も居るかもしれませんね 哲学目線の認知科学にあたります ここで、前置きも程々に本題に入っていきましょう
頽落 @Alienation_H
ここまでは自分本位で世界を受け取るほかない、というお話でしたが そもそもの「自分」とは 何処から始まるのか、主題を通して見て行きます ペルソナ5の主題を構成するのはサルトル、20世紀フランスの哲学者です 上述したヘーゲル、フッサールの思想に大きく影響を受けた人物でもあります
頽落 @Alienation_H
まず、サルトルの思想において避けて通れない有名な言葉について触れます それが「実存は本質に先立つ」です この言葉をサルトル自身の述べた例で解説しましょう
頽落 @Alienation_H
例えば、「ペーパーナイフ(実存)」に目を向ける ペーパーナイフは人間が紙を切るという「目的や意味(本質)」に即し 人間によって加工され作られた道具である この場合、本質が先にあって、後から存在する事になるので このペーパーナイフという道具は「本質が実存に先立つ」訳ですね
頽落 @Alienation_H
「実存は本質に先立つ」とは この例えの中のペーパーナイフを人間に置き換えた時の事です 人間は先に実存して、後から世界の中で本質を見つけるというのです サルトルは、人間は最初は何者でも無い、生まれた後で人間になる 何故なら意味の上で人間を作り出した神が存在しないのだからと言いました
頽落 @Alienation_H
要するに 宗教が説くような人間に備わる本質など 人間は最初から持ち合わせていないから 神様に与えられるのではなく、自分で見つけなければならないし 自分で見出した本質によって、たとえ不幸になろうとも それは神様でも親でも環境でもない 逃れようのない自分の責任だという事です
頽落 @Alienation_H
前提として、このような無神論かつ、人間ありきな考え方があります (ヨーロッパの中から現れた無神論的思想という点では P3やP4の中心思想と同じです)
頽落 @Alienation_H
人間に生まれ持った本質は無く、世界の中に偶然生まれ、後になって 世界から得た認識を基に、考え、望み、選び取る サルトルは、人間は自らを作る存在だと言い そして同時に、自分の意味を自分で決定できる事を「自由」と呼びました
頽落 @Alienation_H
人間は自らの本質(意味)を自由の中で選び取って、その人に成る訳です ここでいう本質は、ユングの言うペルソナと近いものがありますね
残りを読む(15)

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?

ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする