日向倶楽部世界旅行編第37話「航空戦艦日向の恋 その1」

ブルネイ泊地を発ち航海を再開した日向達は、さいの目に従って香港に辿り着く。 そこで日向は久々に一人で行動することになるが…
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三隈グループ @Mikuma_company

本日より世界旅行編も4クール目突入、OPもほんの少し変わりました。 pic.twitter.com/lIvfKvMwwJ

2018-03-06 21:18:20
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【前回の日向倶楽部】 悪の秘密組織ハイドロ団のボスである悪の天才科学者ハイドロ博士は、日向倶楽部を狙い狂気のピエロモッスル・バーガーを派遣する。 だが圧倒的実力差に苦戦するどころか、モッスルは敵としてすら認識されず、すごすごとヒューガリアンを立ち去るのだった…

2018-03-06 21:30:33
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【前回の日向倶楽部その2】 扶桑です。 天気の良い日に甲板でのピクニックを楽しんだ私たち、旅芸人さんの余興もあり、とても良い時間を過ごす事ができました。 それはさておき、ヒューガリアンは香港を目指し航海を続けます…そろそろ到着でしょうか、操縦席にいないと分かりにくいですね。あっそうそ

2018-03-06 21:31:37
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〜〜 ハイドロ団の基地 「モッスルがやられたか…敵は強いようじゃな」 ハイドロ博士は腕を組み、うーんと唸る。 そんな博士に、二人の悪が手を挙げた。 「俺達が行きましょう」 「おお、お前達が行くか!きっと勝てるぞ!よし頑張れ!」 こうして博士は二人組の悪を送り出した… 〜〜

2018-03-06 21:32:35
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日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第37話「航空戦艦日向の恋 その1」

2018-03-06 21:33:00
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〜〜 所変わってここは香港のホテルの一室 「ンフフフ…好き、嫌い、好き、嫌い…」 一人の少女…いや女が、気色悪い笑みを浮かべながらベッドの上で花占いをしていた 「好き、嫌い、好き、嫌い…んーー!!!好き!好きに決まってる!アハハハハ!」 信じられないだろうが、彼女は日向である

2018-03-06 21:33:31
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「んんんんん!!んふふふふ、もう好き好き!!!私も貴方も大好きだぐふふふっ」 彼女はベッドの上をゴロゴロゴロゴロ、少女漫画のような台詞を口走りながらじたばたとする。 その様子を、かなり遠巻きに最上達は見ていた。 「あのさ…アレなんなん…」 怯えた顔つきで鈴谷は訊ねる

2018-03-06 21:34:30
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「まあ色々とあってさ…」 「色々とね…」 「ええ、色々…あったようですよ」 最上と初霜…あと扶桑はため息をつきながら事の始まりを思い出す。 ざっと、時は一週間ほど遡る… 〜〜

2018-03-06 21:35:31
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〜〜 ブルネイを発ち、香港島にたどり着いた日向達は観光を楽しんでいた。 「香港は世界有数の観光都市であり経済都市ですの、その規模は残念ながらトラック島ですら比べ物になりませんわ。」 三隈は大型バンのハンドルを切りながら語る、香港は交通網が発達しており、何処へ行くもスイスイである。

2018-03-06 21:36:50
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「香港…鈴谷殿は初めてでありますか?」 「んーあたしィ?仕事で寄ったことはあるけど本当に寄っただけだなぁ、観光は全然。そっちは?」 「自分は三隈殿のお手伝いで来た事が…」 「へぇ〜良いなぁ、オススメスポット教えてよ。」 広々としたバンの中で鈴谷とあきつ丸は親しげに話す。

2018-03-06 21:37:32
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三隈もハンドル片手に微笑んで割り込む 「ふふっ、丸ちゃんのオススメ…私も気になりますわね。」 「なっ、三隈殿の方が知っているのであります…」 「ダメよ、私は貴女の好きが知りたいの、良いでしょう?」 アクセルを踏みながら彼女はいたずらっぽく笑う、バンは香港の街を優雅に走る。

2018-03-06 21:38:31
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そんなこんなで七人全員を乗せた大型バンはホテルに到着し、三隈がチェックインを済ませた。 そして全員いる事を確認すると、日向が皆に向けて言った 「よし…皆そろそろ旅慣れして来て、安いスリやぼったくりは平気だろう。香港は治安も安定してるから、各々自由に行動してくれて構わないぞ。」

2018-03-06 21:39:35
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パラオ、パプアニューギニア、バヌアツ、シドニー、ブルネイ、一行は既に五つの国を回って来た、故に異国でのトラブルを回避する方法も身についていたし、日向もそれに関する心配はほぼ無かった。 そして彼女の言う通り多少気を配る必要はあるが、香港は治安が安定している、故にここは自由行動だ。

2018-03-06 21:41:05
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だが彼女は引率する保護者、大半が成人済みだったとしても放任はしない。 「勿論、心配なら私もついて行くし、行き先のアテがないなら一緒に来てくれて構わない、遠慮なく言ってくれ。」 日向自身も行きたいところは当然あったが、そこは割り切るつもりで言った、彼女は皆の答えを待つ。

2018-03-06 21:41:31
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「うーん、ボクらはフェリーに乗ってみようかなって」 「ね」 最上と初霜は問題なし 「私は車であちこち回るつもりですわ、見応えがありますもの」 「自分は三隈殿と一緒に。」 「あー、じゃああたしもそれで、雀荘は夜に行くし」 三隈、あきつ丸、鈴谷も同じく問題なし

2018-03-06 21:42:30
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「扶桑、キミは?」 「私は最上さん達と同じですから、大丈夫ですよ。」 「そうか、なら全員平気なようだな。」 全員の答えに日向は安心して頷く、彼女が思っていたより彼らは旅に順応出来ていたらしい。 「ボクらいつもお世話になってるし、たまには日向さんもゆっくりして下さい。」

2018-03-06 21:43:31
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最上の気遣いに日向は微笑む 「フフッ、ありがとう。私も個人的に行きたいところがあるし、そうさせてもらうか。」 日向は頷き、改めて皆に向けて言った。 「それじゃあ一旦解散だ、各自気を付けて楽しんできてくれ、何かあったらすぐに知らせるんだぞ。」 「はーい」 一同は解散した。

2018-03-06 21:44:40
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やがて日向は一人になった 「さて…私も行くとするかな」 それぞれを見送った彼女もぶらぶらと香港の街に出る、ロビーを出た途端、都会の喧騒とビル群が彼女を包んだ。 日向は香港の狭い狭い空を見て呟く 「全く大都会とは不思議だな…空も大地も狭いはずなのに、そこにいる自分は小さく感じる。」

2018-03-06 21:45:32
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彼女のいる香港の香港島は世界でも有数の人口密集地にして過密都市、空も大地も人と文明が埋め尽くしている。 だが不思議と息苦しさは感じない、行き交う人々、巡るマネー、勃興と衰退、眠らない香港の止まらない時は、息苦しさという人の感性すら風の彼方へ置き去りにして行く。

2018-03-06 21:46:42
三隈グループ @Mikuma_company

そんな香港島の大大大都会を、普段より早い足取りで日向は歩き始めた。 「こうして一人でというのは久々だな、少し寂しい気もするが…おっと、つい声に出てしまうな…フフッ」 つい誰かに話しかけてしまう口を彼女は笑いながら塞ぐ、横を向いてもいるのは他人、彼女は一人で歩いて行く。

2018-03-06 21:47:38
三隈グループ @Mikuma_company

(一人…昔はずっとこうだったな…) ぼんやりとそんな事を考えつつ歩き十時半、まだ少し早いが取り敢えず昼食をとる事にした。 さて、香港は食事が美味しい場所である。 観光地である事もそうだが、経済都市であるこの地は外食の頻度が高く、外食産業も熱が入っている。

2018-03-06 21:48:32
三隈グループ @Mikuma_company

そんな香港、日向は中華料理屋にのそのそ入った (うーん…軽めが良いし、粽(ちまき)でも食べようかな) 注文を決め、流暢な中国語で頼む (最上達は大丈夫かな…初霜は英語が堪能だが、英語も万能ではないから心配だ…翻訳アプリがあるとはいえ困ってないだろうか…) 心配してるうちに食事が来た。

2018-03-06 21:49:33
三隈グループ @Mikuma_company

(ふふふ、チャーシューの入った粽…美味いんだこれが…) 葉っぱをぺりぺりと剥き、食べる 「うむ…はむ…」 モチ モチ モチ (アツアツ、味の染み込んだ米の食感がたまらないな、構成するものはおにぎりのそれと似ているが、調理方法でこうも違う感覚が楽しめる、料理とは素晴らしいな)

2018-03-06 21:50:32
三隈グループ @Mikuma_company

続いて (小籠包…当たり前だが、これは横浜の中華街でも食べられる。しかし現地は空気が違う、異国情緒の中、取り囲んでくる中国語や異文化が料理のアクセントになる。故に、味も日本で食べるそれとは異なる。) スープ、肉、スープ、肉 (粽でアツさに慣れた口には、これが、良い…!)

2018-03-06 21:51:46
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