荒木優太『貧しい出版者』感想集
- arishima_takeo
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Amazonから、荒木優太さんの『小林多喜二と埴谷雄高』の復刊増補版『貧しい出版者』が届いた。2013年に荒木さんから『小林多喜二と埴谷雄高』を購入したことが懐かしく思い出されます。読み比べることはできるだろうか。 pic.twitter.com/yB9Tei4bxJ
2017-12-31 17:42:26荒木優太さんの『貧しい出版者』を読み始めた。新序文がめっちゃかっこいい。しかも声に出して読みたくなる。そういえば荒木さんは声に出して原稿を整えるのだと言っていたが、キレッキレである。では、読書に戻ります。
2017-12-31 19:24:15年末年始に読んだ本。坪内祐三『右であれ左であれ、思想はネットでは伝わらない。』(シブい。著者が書き残しておきたかった事がよくわかる)、荒木優太『貧しい出版者 政治と文学と紙の屑』(小林多喜二と埴谷雄高の比較。こちらもシブく、ちょっと読みづらい。咀嚼しきれなかったので再度読む)。
2018-01-03 22:25:52端的に良著だった。『貧しい出版者 政治と文学と紙の屑』by 荒木優太 amazon.co.jp/dp/484591705X?… 次を併読すると感得できる深さが異なると思う en-soph.org/archives/51272… #フィルムアート社
2018-01-05 00:01:05東京堂書店さんが『貧しい出版者』のフェアーをやってくれているとのことなので、実際に行ってきました。もちチーズ明太美味しかったよ(ソコカ)。一月中はやっているそうです。みんなもぜひ行ってみてくれよな。en-soph.org/archives/51358…
2018-01-08 15:59:39新宿。電車の中では荒木優太『貧しい出版者』を読む。ようやく、多喜二の壁新聞のところにたどり着く。そしてあすはもうこの本の読書会なのであった。
2018-01-26 09:24:18荒木優太『貧しい出版者』。第一部を読了。結論は、政治も文学も。やはり、多喜二の壁新聞の話からラストまでが、荒木さんの楽しそうな書きぶりが伝わってきていいですね。続けて、第二部を読みます!
2018-01-26 17:51:05荒木優太『貧しい出版者』第二部を読んでるわけですが、荒木さんがところどころ荒ぶる…というかアジり出すところがあって、そこが好きですね。とてもリズミカルなので声に出して読んでもらおうかな、あした。
2018-01-26 19:04:43新宿。電車の中で、荒木優太『貧しい出版者』読了。良い本です。文学研究を志している若い人(若くなくてもいい)を勇気づける力のある一冊。値段が3000円を超えるので、図書館にリクエストして読むのもいいと思ったのですが、手元に置いて心が弱った時に引っ張り出して読むのもいいかも。
2018-01-27 09:31:53昨日も言及しましたが、『日本経済新聞』(1月27日)に『貧しい出版者』の書評が載りました。評者は不明(日経の記者の方?)ですが、研究内容と研究方法の一致を汲んでくれるありがたい評です。どうもどうも。 pic.twitter.com/GcBF30rosu
2018-01-28 10:38:41[書評]『貧しい出版者』 - 西 浩孝|WEBRONZA - 朝日新聞社 #出版 #本 #神保町の匠 t.asahi.com/opvo
2018-02-05 15:30:04拙著読書会の記録をまとめた「奇跡の一書『貧しい出版者』が全然売れてないのでみんなでなんとかしよう会議」を更新しました。タイトルに深い意味はありません。en-soph.org/archives/51521…
2018-02-09 19:19:27積んでた荒木優太さんの『貧しい出版者』をやっと読む。プロ文、運動の戦略の研究書として興味深く読んだ。リーダビリティを論じる本書の内容からすると、小説テクストの長文引用をする際に一行空きでなく改行で本文に落とし込んでいる形式が、テクストの読み飛ばし防止の工夫としてさりげに効いてる。
2018-03-02 23:03:47web時代のテクストでは自然と読み飛ばしさせつつ重要な点に目を向けさせる技法が発達していて、それはそれで文章技法として高度なものだし尊重されるべきだが、きちんとテクストと向かい合うための態度として引用テクストと本文の文体を付き合わせて書くことも、当然ながら重要なことだ。
2018-03-02 23:11:13Twitterでつながっている蓮実円さんに、『貧しい出版者』の書評を書いてもらいました。ありがとうございます! 義務だぞ、義務!en-soph.org/archives/51644…
2018-03-06 16:36:43高橋静氏による『小林多喜二と埴谷雄高』評。批判的かつ読むに値する優れた論評だなと改めて。『貧しい出版者』で荒木優太さんを知った方にもぜひ読んでもらいたい!!en-soph.org/archives/36312…
2018-03-10 15:58:32荒木優太『貧しい出版者』1 オンリーコネクト。序詞「つながり一元論」が示す通り、著者が最も通暁する近代日本文学の言説を検討することで「つながる」を考察し、かつ現状の出版状況において「屑」にも等しいその考察の自費出版の顛末をさらに開示することで「つながり」を実践してみせた記録。
2018-03-12 12:43:00『貧しい出版者』2 本来あっておかしくないのに永く等閑視されてきた一つの「と」(つながり)。それは「と」の両辺である二人の作家が属した或る組織への態度決定にまつわるセクト主義も関係している。こうして屑扱いされてきた一つの「と」をめぐる読解が始まる。
2018-03-12 12:47:53『貧しい出版者』3 奪われ損なわれたつながりの回復と充溢を目指すはずが、その過程で他者を手段化した上に敵よりさらに悪い裏切り者ではないか?と絶えず仲間を疑わざるを得ないことが必然化する。戦前の日本共産党が陥ったこの困難さの証言として、多喜二と埴谷のテキストを縦横に読み解いていく。
2018-03-12 12:57:33『貧しい出版者』4 結局、雄高はこのような組織至上主義の(それ自体はきわめて妥当な)批判を通じて、党および政治から断固として距離を置く。しかし、それは本書で紹介された多くの批評のとおり、現実に働きかけることを放棄した一種の無力さに帰結するように見える。
2018-03-12 13:05:12『貧しい出版者』5 政治と文学を二項対立的に提示したうえで、雄高は政治を捨て文学を取る姿勢を示すが、最終的には文学を強固な組織に擬し、それに楽天的に未来を仮託することで、党至上主義とはまた別種の政治(位階制の肯定)へと回帰したのではないかというのが、著者の雄高批判である。
2018-03-12 13:13:59『貧しい出版者』6 戦後に限定すれば、雄高は自らが編集同人を務める雑誌に、同時代からみれば極めて風変わりな小説を掲載拒否の心配なく掲載し、その小説は絶版の度に復刊が熱望され伝説のテキストとなった。あえて二重にもじれば、雄高は常に「豊かな出版者」だったといえよう。
2018-03-12 13:18:58『貧しい出版者』7 最期に小林の『党生活者』が「貧しい出版者」という観点から再考される。読解能力も図書館も前提とできず、市場と組織の圧力をかろうじて生き延びて、か細くて脆い諸テキスト群が他のテキストと共立的に出会い、新しい出会いを生成する。この読解が本書の一つの白眉である。
2018-03-12 13:48:26『貧しい出版者』8 二人の作家のテキストを対話的に読み解きつつ、現代を生きる倫理/論理を生成的に取り出してくる本書。「豊かな出版者になれ」というモードか「出版者とは豊かなもの」という前提が横行しがちな現代への一つの宣言である(豊か/貧しいは選言原理が司るものでないにも関わらず)。
2018-03-12 14:07:47『貧しい出版者』補足1 さて、埴谷論として久方ぶりに刺激的な本書を読みながら、『貧しい出版者」という観点から照らして、雄高にもなおも言い分があるのではないかと私は思っている。久しぶりに全集をぼつぼつ読み直してみたい。
2018-03-12 14:17:24