編集部イチオシ

ゲームシナリオの指導で気をつけていること

シナリオ作成に関して大変参考になりましたので、僭越ながらまとめさせていただきました。
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生田美和 @shodamiwa

ゲームシナリオの指導で気をつけていること。大きく3つ。1、盛る以外方向を知らない。2、酷い話をつけるのが動機づけと思ってる。3、感動を説教で作ろうとする。これらが何故駄目なのか?詳細は以下。

2018-03-15 00:42:41
生田美和 @shodamiwa

1、盛る以外方向を知らない。例えば、「ケーキが好き」という設定がある普通の子が、いつの間にか、「四六時中ケーキしか食べない」「甘み以外の味覚が全滅」「なんでもシロップをかける」などなど勝手に盛られ、変人化することがある。

2018-03-15 00:45:06
生田美和 @shodamiwa

1の弊害。全員がこの調子で盛られたら、一本調子になる。普通な者がいてこそ、異質な者らは輝く。ユーザーさんが自分を重ねやすい、一般常識の範疇で話し、考え、悩みながらも動くキャラ。そうした、日常風景を醸し出すキャラを確保しなければならない。

2018-03-15 00:46:46
生田美和 @shodamiwa

2、酷い話をつけるのが動機づけと思ってる。例えば、主人公らに敵対する悪役がいるとする。その悪役が、何故悪いことをしているのか?その理由をつけよう!、そこを掘り下げて見せていこう!となった時。「身内を殺された」「故郷を滅ぼされた」だのしかやれない。

2018-03-15 00:49:35
生田美和 @shodamiwa

2の弊害。「結局どいつもこいつも被害者意識か」「復讐と八つ当たりしかないのか」という動機づけになる。可哀想な過去に偏ってキャラ劇を見せられるので、爽快感や達成感、笑いや安らぎに乏しい。主人公が勝つほどに、悲しみが募る形。全体として重い。

2018-03-15 00:52:25
生田美和 @shodamiwa

3、感動を説教で作ろうとする。主人公サイドが、悪役やゲストキャラなどの間違った言動に対し、「それは違う」「こうするべきだった」「人間はそんなんじゃない」などなど説教し、相手を言い負かす形。

2018-03-15 00:55:48
生田美和 @shodamiwa

3の弊害。一定の演説シーンは魅力があり、需要がある。が、毎度お説教となると、「そういう主人公たちはどうなんだ?」「正論振りかざすために、悪役やゲストを小物化してないか?」という気持ちをユーザーさんに抱かせる。

2018-03-15 00:58:25
生田美和 @shodamiwa

3の弊害の続き。何故かというと、ゲームにおいて主人公の言動の「言」である台詞は幾らも立派にできる。が、「動」は実際のプレイ部分になる。このため、実際のプレイではそこまで、世界の諸問題に効果的な活躍をプレイヤーさん自身が実現できるわけではない。主人公の言動の「言」が浮きやすい。

2018-03-15 01:03:31
生田美和 @shodamiwa

まとめ。「設定を盛るだけ盛って、変人量産体制に入らない」「悪役を可哀想な人に落として、作品を沈めない」「実際のプレイと釣り合わないような大口を、主人公らに叩かせない」。

2018-03-15 01:09:42
生田美和 @shodamiwa

目指すところ。「平凡なキャラの日常」「同情よりも格好いいを纏う悪人」「冒険を通した主人公の言動」を描く。これで、「そこそこ面白い」を描き出す。

2018-03-15 01:12:46
生田美和 @shodamiwa

ヒント。「設定は、盛るのでなく噛み砕く」「悪人は、視点を変えればヒーロー」「誰かの否定で語るのではなく、主人公の体験から思いを組み立てる」。

2018-03-15 01:16:06
生田美和 @shodamiwa

以上です。久しぶりに書きたくなったので、ゲームシナリオの考え方について整理しました。これしか解がないわけではありません。頭をほぐす、見方を変えるなど、必要な時に参考になれば。

2018-03-15 01:19:33