A1ピクチャーズで自殺者が出たほんとうの理由 ー 再論その2
- Uroak_Miku
- 2141
- 4
- 0
- 0
A1ピクチャーズで自殺者が出たほんとうの理由 ー 再論 - Togetter togetter.com/li/1209821 @togetter_jpさんから ↑これの続きを論じます。
2018-03-19 10:51:062)前に何度も論じたのでここでは簡略に説明します。かつて日本は工業製品をばんばん輸出して稼ぎまくっていたのですが近隣諸国がそういうののお株を奪っていくなか日本は将来に不安を感じた。「これからは作って売るのではなく、特許を海外にライセンスして稼ぐ方向に進もう」と宣言した。
2018-03-19 10:56:113)IPS細胞の特許がそうですね。あれは京都大学が特許を管理しています。あれ(の技術)を使わなかったら以後医薬品の研究開発はできなくなるというくらいの根幹特許。これを日本が握ればライセンス料がいずればんばん京大に、つまりは日本に入ってくる…
2018-03-19 10:58:074)「知的財産こそが国の宝である」と小泉総理は高らかに宣言した。特許だけでなくアニメやゲームも知財であり日本の未来を支えるであろう、と国会で宣言。
2018-03-19 11:05:265)ポケモンと宮崎アニメが世界で成功しているではないか、と名指しした。ちょうどその頃に『千と千尋の神隠し』がベルリン映画祭で最優秀賞を獲得し、翌年にはアメリカアカデミー賞で堂々オスカーを授与。
2018-03-19 11:07:046)小泉総理の「アニメばんざい」宣言は日本国内でこう受け止められた。「おお、これからはアニメが儲かるぞと総理大臣が宣言した。うちも何かアニメに出資してみようではないか」
2018-03-19 11:08:317)制作委員会方式はすでに確立していたし、出資希望者の受け皿は揃っていた。かくして深夜アニメがどんどん増えていった。このアニメバブルに乗って、いっときは東映アニメより株価総額を伸ばしたのがGONZOでした。
2018-03-19 11:09:568)ソニーミュージック系列で「アニプレックス」が設立されたのも、小泉総理の「アニメは知財だ」宣言と同じ頃でした。2003年。
2018-03-19 11:11:059)2年後(2005年)にアニプレックスは、アニメの安定供給を目指してアニメスタジオを自社系列で持つことを計画し、そして誕生したのがA1ピクチャーズでした。
2018-03-19 11:12:4911)しかしその後アメリカでのリーマンショックが日本にも襲い掛かった。アニメへの投資ががた減りして、深夜アニメバブルがはじけた。
2018-03-19 11:14:1712)GONZOが自壊した。人材はA1に流れた。ボンズからも多少流れてきたようです(うろ覚え)。ボンズの設立者はサンライズ出身で、2003年にアニプレックスに引き抜かれた前述の人物とはサンライズ時代の同僚だった。
2018-03-19 11:18:5514)A1設立にあたって親会社のアニプレックスは「3K職場にだけはしたくない」と理想を訴えた。だから社員の福利厚生はしっかりしたものが用意された。月給も悪くなかった、業界水準では。
2018-03-19 11:22:0715)しかし、2000年代後半は「ブラック企業」が水面下でうごめきだす時期でもありました。小泉政権が郵政民営化を訴え、私たち国民がそれを支持した。それがやがて旧来の「正社員」システムを打ち崩していくことになるとは夢にも思わずに。
2018-03-19 11:24:0716)アニメバブルが崩れる時期と、正社員システムが揺らいでいく時期が重なった。波の源が同じ小泉内閣だったのだから重なったのはごく理にかなうことでした。
2018-03-19 11:26:1917)「3Kでない職場を作ろう!」という理想が、時代の揺れのなかで「きちんと雇用してやるぞ!」に読み変わって、「雇用してやってるのに辞めていく奴が多くてかなわん!」にすり替わって、結局ブラック企業の典型になっていった。
2018-03-19 11:28:4718)「給与と福利厚生をしっかりしよう」という理想は、新卒入社組(といっても契約社員)の待遇に保持され、実際に現場をマネージメントする制作進行さんは業務委託つまり非社員ということで「給与と福利厚生をしっかりしよう」という理念とは別枠とされた。
2018-03-19 11:30:5319)両者のひずみがこんな風に合理化されていく前夜に、「正社員」である人物がひずみを一身に背負って自殺に至った…そんな風に考えます。
2018-03-19 11:33:05