【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」】

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」01】 前回喀血して落馬した周瑜。具合を尋ねる部下に対し、あれは敵をあざむくためにしたことと言います。周瑜死せりと噂させろと言います。死んだふり作戦は曹操も実行したことがありますね。周瑜が死んだとなればきっと曹仁らは夜襲してくると予測。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」02】 曹仁の計にはまったが、今度は自分が曹軍を計にはめてやろうという周瑜。直ちに喪旗が立てられ、将兵の間に提督が死んだという噂が流れます。 それに反し、曹軍の意気はますます上がります。曹仁のところに呉の一小隊が降伏してきました。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」03】 降伏してきた兵を尋問する曹仁。周瑜が死んで、呉軍が引き上げることになったため、手柄を立てる機会を失ったという兵士に、なるほど、と答える曹仁。呉の陣中がしょげかえっていると聞いて、曹仁、曹洪、曹純らはニヤリと悪役顔をします。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」04】 呉軍を滅ぼそうと、曹仁は夜襲をかけることを決めます。その夜、兵を率いた曹仁は、勢い良く呉の陣営を襲いますが、何やら様子がおかしいです。旗とかがり火だけで、人影が見えません。夜陰に乗じてすでに呉に引き揚げてしまったのでしょうか。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」05】 そこにジャーンジャーンと銅鑼の音が。呉の軍勢が一斉に突っ込んできます。曹仁はワナにかかり取り囲まれてしまったと認識、急いで引こうとします。しかし、弓兵によって討たれる兵が続出します。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」06】 しかも、これまでの鬱憤がたまっていた甘寧らをはじめとする呉の将軍たちが一斉に曹仁軍に襲いかかります。戦の勢いは呉にあり。太陽が昇り始めたときには、曹軍の大半が討ち果たされていました。生き残った曹軍は城を捨て襄陽方面に逃げていきました。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」07】 戦いに勝利した周瑜は、南城に入ろうと馬を進めます。しかし、城門につくと、城門の上に誰かがいます。曹軍はすでに逃げた後です。周瑜は何者か、と問うと、趙雲子龍、孔明の下知を受けこの城は占領した、というではないですか。なにっ、と周瑜。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」08】 よく見れば、南城にはためく旗は「劉」と「趙」の字。ああ！と驚愕の表情を浮かべる周瑜に対し、趙雲は、周瑜が手に余っているようだから我々が占領したから、お気の毒ではあるがお引き取り願いたいと、非情な言葉を述べます。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」10】 呉軍が曹軍と死闘を繰り返している間に、空城を乗っ取ったのか、とぬぬぬな周瑜。許せんと息巻きますが、あまり興奮させてはまずいと部下たちは一度陣に帰って前後策を…と。むむむ、と周瑜は、陣へ引くように命じます。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」11】 趙雲の行動は周瑜の怒りを誘います。許せんと拳を握りしめる周瑜。こうなればと、まず荊州の城、襄陽の城を奪ってから、南城を取り返そうとという方針を立てます。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」12】 甘寧に荊州を攻め落とすように、凌統は襄陽を奪い取るようにそれぞれ命じる周瑜。そして、今回の事態を招いた孔明の策謀に歯ぎしりしながら、南城は必ず奪い取ってみせると周瑜は意気込みます。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」13】 ところが、暫く経つとご注進ご注進！と、伝令が舞い込んできます。すでに荊州の城は張飛によって占領されているという報が、次いで襄陽は関羽によって占領されていると報告が入ります。な、なんと、と驚く周瑜。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」14】 南城ひとつでもこれだけ手こずっていたのに、なぜ他の城がこうも簡単に落ちるのかと周瑜。魯粛はこれは調べてみる必要があるといいます。もちろん、すぐに調べよと周瑜。それにしても…と机を拳でドンと叩く周瑜。悔しさがにじみ出ています。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」15】 調査にもしばらく時間がかかりますが、時間の経過は太陽の絵ひとつで表現するのが横山流。魯粛が報告を持ってきます。どうやら、孔明が曹仁の割り符（印章）を手に入れ、それを持って荊州城に向かい、南城危うし、すぐ救えというニセの指令を出したと。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」16】 それを信じた荊州の兵が城を開けて駆け出したところを、張飛に占領させたということです。襄陽の城も同じ手を使ったと。曹仁の割り符をどうやって手に入れたのかというと、持っていたのは陳矯という者が持っていたようです。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」17】 孔明はなんらかの形で手に入れたのだろう、と魯粛は言います。吉川三国志では、割符を持っていた陳矯がいた荊州城の旗が揚がる前に生け捕られたに違いないと言っていますが、詳細は方法までは記されていません。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」18】 いずれにせよ、孔明は魏のニセ指令を作り放題の状況を作り出し、それを持って安々と荊州を切り取ってしまったわけです。大軍を率いて血みどろの戦いを演じた周瑜の面目は丸つぶれ。それゆえか、周瑜はうぬぬ、と唸った後、喀血して倒れてしまいます。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」19】 すぐに医者が呼ばれ手当を受ける周瑜。医師はあまり興奮するなと忠告します。しかし、こうして床に臥してはおれぬと周瑜。こうなれば玄徳と一戦交え、南郡を手に入れてから、呉に帰って養生しようと言います。魯粛はそれはなりませぬと止めに入ります。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」20】 周瑜はなぜだ、と言います。呉は赤壁を打ち破るために莫大な戦力と軍費を犠牲にしたわけですが、その戦果となる荊州の地を、何もしていない玄徳に横取りされて黙っているのかと、ちょっと興奮気味に。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」21】 魯粛は、その気持はわかるが、今、玄徳と戦うには呉にとって不利だと言います。赤壁で大勝したとはいえ、曹操は健在。呉君孫権は先頃より合肥方面を攻めている状態です。そんな態勢でもって玄徳と戦えば、曹操が喜ぶだけだというのです。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」22】 しかし、それでは周瑜の気が収まりません。そこで、魯粛は、自分が玄徳に会って、とくと道理を説いてみましょうと言います。まずは話し合いで荊州を取り戻そうとうことです。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」23】 周瑜は、よし、と言って、戦はその話し合いが終わるまでは待ってやろうと言います。しっかり話をつけてこい、と言われた魯粛は、直ちに玄徳のもとへ向かいます。

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【横山光輝「三国志」講座159「無血城とり」24】 果たして魯粛は玄徳を説き伏せることができるのか。この続きはまた次回となります。 今回はここまで。