アームヘッド外伝『ブロークン・ラブレター』

村井幸太郎 @muraikoutarou

おそらくこの行為に意味はない。そしてこの恋は報われない。理性、現実、客観視、常識、そのすべてがこの感情を否定している。ただ獣の本能だけがこの感情を肯定する。これは第二の光、ひとは自らの理想の形すら知らない。

村井幸太郎 @muraikoutarou

あーむへっどよたばなし 「ブロークン・ラブレター」

村井幸太郎 @muraikoutarou

先輩刑務所から出所した悪魔の先輩たち。「出所(で)ましたねえ」「要りますよねカネ」「ですねえ」「ヤりますぅ？」「ああ、いいっすね」悪い相談だ！「狙いはぁ～」後日！偶然にも村井研究所の郵便受けをのぞいていた汚い金持ち先輩は一つの手紙を見つけた。不穏である！「ブヒヒ・・・？」

村井幸太郎 @muraikoutarou

ラブレター先輩というやつがいてアームヘッド手紙爆弾で攻撃してくるヤバイやつだ。手紙爆弾を開くと溶岩の調和で攻撃するのだ。だが手紙じたいは普通だった。中身がヤバイ。「ティガーをさらった。5000兆円欲しい！もしくは闘え」汚い金持ち先輩はしばらく思案した。「お嬢様？」猫が不安げ。

村井幸太郎 @muraikoutarou

猫の名はシャルロット。おっさんの姿をしている。訳あって変身している。「無論助ける」「ですがその額はすぐに用意出来ますか？」「ブヒヒ」「お嬢様？」「やってやろうではないか？倉庫に一機、私用のがあったよな？」「いけません！もしあのアームヘッドを使ったら！」「ブヒヒ・・・世界が滅ぶ」

村井幸太郎 @muraikoutarou

ティガーは白ハゲ弥生と戦っていた。「くくく、俺のアームヘッド承認欲求は無敵！ふぁぼだけでなくリツイートせよ！」「いっていることは無茶苦茶だが強い！」白ハゲ先輩の承認欲求がティガーのマーニを押している！「興醒めだね」緑づくしの中性的存在が割っている！泥だ！「邪魔！」白ハゲ先輩激怒！

村井幸太郎 @muraikoutarou

「僕は誘拐先輩、5000兆円が欲しいので君を拐いに来た」誘拐先輩の泥のアームヘッドが承認欲求とマーニを包み込む！マーニは両手から炎を繰り出す！「無駄だ！僕のアームヘッド、エンキドウは誘拐という概念に関しては無敵！」承認欲求を泥が包み込み白ハゲ先輩は気絶！ティガーも気を喪う。

村井幸太郎 @muraikoutarou

「・・・う、ここは？」「ここは地獄だ」黒い男が笑った。「俺は脱獄先輩、七人の悪魔の一人だ」「七人・・・」「くくく、紹介しよう！私は殺人先輩！」殺人先輩が号令を出すと黒いマントを外し、恐るべき先輩達が姿を現した。顔が尻、顔が星条旗、顔が穴空いている。牛などの恐ろしい・・・。

村井幸太郎 @muraikoutarou

「・・・いったい何をするつもりだ？」「マネーオアバトルを知っているか？」「・・・知らない」「だろうな、闇の先輩たちの中の暗黒ルールで相手の重要人物を拐い、カネを払うか暴力で解決するか選ばせるのだ。そして向こうは暴力を選んだ」「つまり？」「我々七人と戦うのだ！」「僕がか？」

村井幸太郎 @muraikoutarou

「そうではない」殺人先輩の目が光った。殺人先輩の頭から二本の角が生えた！「私もまた、かの一族の末裔よ。その話はいい。私の呪いを見せてやろう・・・。呪い・・・。

村井幸太郎 @muraikoutarou

「ブロークン・ラブレター」

村井幸太郎 @muraikoutarou

殺人先輩の角には見覚えがあった。「イエティ先輩・・・」「あんな紛い物ではない。私のこの角は本物だ」すなわち神獣クルワッハ同様に先祖帰りした先輩存在！「私はな・・・。呪われているのだ！」殺人先輩の頬に涙。「呪われている？」「これだ！」殺人先輩は日本刀を取り出したのだ！

村井幸太郎 @muraikoutarou

「私はな・・・。殺人ができないのだ！」「・・・？」「見せてやる！汚職先輩！」殺人先輩は小肥りの先輩に呼び掛ける。「ワシがか？あまりあれは気分の良いものではないのだが・・・」「黙れ！私の悲しみを知れ！」仲間割れか？そう思った瞬間、殺人先輩の刀が汚職先輩の首を切断した。「え？」

村井幸太郎 @muraikoutarou

切断された汚職先輩の首と目があった。そして汚職先輩が笑いだした。「やはり驚くよな！ハハハ！」「な・・・？」ティガーは絶句した。そういえば血がまったく出ていない。「これが私の呪いだ。アヒンサーの権能によって私は相手を傷つけることができない」「おい早く戻せ！気分が悪い！」

村井幸太郎 @muraikoutarou

汚職先輩の首と胴体を繋げると汚職先輩が立ち上がった。「つまり刀で斬ってもこうなるだけで相手を殺すことが出来ぬのだ」「それがこいつへの罰なのだ」そう言ったのは脱獄先輩だ。「そう、罰だ。だがこの罰にもこういう使い方がある！」殺人先輩は角を構えティガーに体当たりした！「グワーッ！！」

村井幸太郎 @muraikoutarou

ティガーの五体は七つにバラバラになったのだ！

村井幸太郎 @muraikoutarou

◎ーーーー◎

村井幸太郎 @muraikoutarou

「ということだぜ」バイクに乗ったライダー、礼三郎は未だに信じられないといった様子でティガーがバラバラで生きているという事実を伝えた。「ブヒヒ・・・。つまり七人全員を倒してティガーパーツを揃えないとティガーくんは復活しないわけね」「そうだぜ」「で、手伝ってくれるの？」「無理だぜ」

村井幸太郎 @muraikoutarou

そう、無理なのだ。もし仮に秋那がこの事実を知った場合、暴走は必須。だからこそ九姫から秋那を離していく必要がある。礼三郎はその役割を担う。真理もその点を理解していた。「ブヒヒ！楽しんできてね！」「おうぜ。頼りになる仲間も用意したし頑張って欲しいぜ」ブロロロと礼三郎は去っていった。

村井幸太郎 @muraikoutarou

「ブヒヒ！股関節のパーツが欲しい！」「お嬢様！」シャルロットが真理をたしなめる。「冗談よ、本当に欲しいのは右手。ブヒヒ！」真理は汚い金持ち先輩の顔で笑う。「ブヒヒ！汚い金持ち先輩の実力を誘拐先輩とやらに見せてやろう！ブリュンヒルデを出せ！」「御意」最初の狙いは誘拐先輩だ。

村井幸太郎 @muraikoutarou

◎ーーーーー◎

村井幸太郎 @muraikoutarou

緑の髪の誘拐先輩。空き倉庫でティガーパーツを守っている。七ヶ所に分かれ相手が金を払うか、戦いを挑むか待っている。轟音がした。敵襲か？そう思った瞬間、誘拐先輩は白いアームヘッドに潰されていた！「ブヒヒ！さあパーツを渡せ！あれ？どこだ！」真理は周りを見渡した。「やってしまった？」

村井幸太郎 @muraikoutarou

上をみてもぶち破った屋根から見える青空があるだけだ。そこから差す光が泥塗れの地面を照らす。「非常識なのか？あるいは相当操縦がダメなのか？」泥の一部が緑に変色し誘拐先輩となった。「ブヒヒ！誘拐犯に常識を説かれたくはない！」気丈に振る舞うがなんだこの能力。「僕が怖いかい？」

村井幸太郎 @muraikoutarou

「ブヒヒ！さっさとアームヘッドを出せ！踏み潰してしまうかもしれないぞ？」「フフ、アームヘッドを出せ？君は不思議なことを言うね？僕のエンキドウが見えないのかい？」まさか？泥？そこに考えが及んだ時、泥の柱が立ち上がり、刹那津波となった！「お嬢様！上です！」シャルロットが叫んだ！

村井幸太郎 @muraikoutarou

汚い金持ち先輩、真理のアームヘッドはブリュンヒルデ改、ヴァルハラと言った。ヴァルハラは地面を蹴り、空中へ退避・・・ぶち開けた屋根から外へ逃げる。エンキドウという泥のアームヘッド相手では狭い空間での不利を悟ったからだ。エンキドウは泥の津波から泥の槍へと姿を変える！「串刺しだ！」