ポッシブル・ドミネイション ＃５
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
◆サキュバスとサイベリオンの間に赤黒のニンジャが勢いよく着地した。この建物の屋上を回転ジャンプからのストンピングで踏み砕き、その者はハッカー・ドージョーにジゴクめいてエントリーした。ゴウランガ……眼光軌跡を閃かせ、彼はアイサツした。「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」 ◆
2018-04-08 22:19:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ドーモ。サキュバスです」「ドーモ。サイベリオン デス」二人の過冬ニンジャはアイサツに応じた。ガゴンプシュー……サイベリオンのボディUNIX排熱システムの物騒な蒸気は処刑人の宣誓じみている。だが赤黒のニンジャはミシミシと拳を鳴らし、音を打ち消す。「サツガイを知っているか」 2
2018-04-08 22:21:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「サツガイ……？それが貴様の目的か？」サキュバスは眉間にしわを寄せた。サイベリオンはチェーンソーマチェットガンを駆動し、ニンジャスレイヤーに向かってくる。二者とも、サツガイを知らぬのだ。ニンジャスレイヤーはサキュバスの肩越しにコトブキを見る。ビヨンボの奥に走り込む……。 3
2018-04-08 22:24:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「イヤーッ！」サイベリオンがチェーンソーマチェットガンを繰り出す！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは上体を逸らして物騒な攻撃を回避した。勢い余ったチェーンソーマチェットガンのチェーンソーマチェット部がUNIXチャブの一つをめちゃくちゃに破壊！「イヤーッ！」サキュバスは連携ジャンプ！4
2018-04-08 22:27:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはサキュバスにスリケンを投擲！「イヤーッ！」サキュバスも投げ返し相殺！コトブキは何らかの打開策をもって動いている。ゆえにニンジャの注意を引かねば。同時に彼は床でもがいているゾーイも見て取る。おそらく無事。しかし拘束を解放する余裕はまだ作れぬ。 5
2018-04-08 22:31:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「余所見ヲスルナ ナメテオルカ！」サイベリオンが電子叱責し、さらにチェーンソーマチェットガンで攻撃！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは裏拳でサイベリオンの腕を払い、狙いを逸らす！KRAAASH！UNIXチャブが更に犠牲に！「イヤーッ！」足払い！「グワーッ！」サイベリオン転倒！ 6
2018-04-08 22:33:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」「グワーッ！」ケリ・キックを受けて転がるサイベリオンを飛び越え、サキュバスが襲いかかった。ニンジャスレイヤーの顔面に飛び蹴りを叩き込みにゆく！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはクロス腕でガード！サキュバスは反動を利用して跳び下がり、反撃機会を与えない！ワザマエ！ 7
2018-04-08 22:35:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「とにかく急がなくては……！」コトブキは呟き、ビヨンボに仕切られた上位システムUNIXデッキに走った。高給ハッカー・チェアは黒革が用いられており、フカフカしていた。コトブキはまず懐からフロッピーを取り出し、スロットに挿し込んだ。ニューロン破壊トラップを無効化する為だ。 8
2018-04-08 22:40:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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三つ並んだ画面に「大丈夫です」の文字が灯るのを確かめ、コトブキはLANケーブルを耳の後ろに挿してデッキと直結した。途端にこのシステムの情報が雪崩めいてコトブキのもとへ押し寄せてくる。ここはシトカに二つある過冬のハッカー・ドージョーの一つであり、サキュバスが隠れ潜む攻撃拠点だ。 9
2018-04-08 22:43:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
特にこちらのドージョーはシトカ全域の過冬ネットワークを監視保守しており、ニンジャスレイヤーとタキが廃イクラ工場の独立データにアクセスを試みた事をいち早く察知、サキュバスはその痕跡を辿ってネオサイタマのデッキにカウンター・アタックを仕掛けた。 10
2018-04-08 22:46:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
電子コトダマ空間に降り立ったコトブキは目を白黒させ、頭上の黄金立方体の光を受ける無機質な墓石じみたデータ塊の配置を見た。墓石の上には危険な回転するドクロのビジョンが浮かんでいる。危険なウイルス・ライブラリであることが明白だ。墓石には「スケベ・ドミネイター」と刻まれている。 11
2018-04-08 22:49:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「これは明らかに危険ですね」コトブキは墓石を避けた。横を通り抜けようとするだけで、スケベが微細なキューブ状の感覚器を伸ばしてコトブキを捕らえようとした。他にもドクロの墓石には「ダムネイション」「撲殺」「ソースカツ丼」などがあった。どれもレリック級の危険ウイルス・プログラムだ。 12
2018-04-08 22:51:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
感覚器を振り払い、コトブキは奥にある巨大な床レバーに駆け寄る。これだ。電源システムのコトダマ・イメージはわかりやすい。今回の目的はとにかくこのUNIX監視網を止める事。情報を盗んだり書き換えるようなハッカーじみた真似はコトブキには不可能だ。彼女はレバーに手をかけた。「フンッ……！」13
2018-04-08 22:55:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「やはり……ザリザリ……それが目的か！」ノイズに霞むサキュバスの輪郭がコトブキを見咎め、消えた。コトブキは息を呑んだ。……物理世界ではその時、サイベリオンがニンジャスレイヤーにのしかかり、チェーンソーマチェットガンを力任せに押しつけようとしていた。「イヤーッ！」 14
2018-04-08 22:59:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
サイベリオンの後ろで手近の下位UNIXチャブをコンマ数秒間タイピングしたサキュバスは、ビヨンボの向こうで行われようとしている事を察知し、向かう！「ネズミめ！」その時！「イヤーッ！」KRAAASH！ニンジャスレイヤーはサイベリオンをトモエ投げで投げ捨て、サキュバスに襲い掛かる！ 15
2018-04-08 23:00:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「貴様の相手はこのおれだ！」「チイーッ！」サキュバスはニンジャスレイヤーのカラテを受け止める！「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」ワン・インチカラテ応酬！サキュバスはサイベリオンに目線で指示！サイベリオンは指示に応じる！「イヤーッ！」クナイを投擲したのだ！ 16
2018-04-08 23:04:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
ナムサン！ニンジャスレイヤーは背後からのクナイ投擲を避けられなかった。サキュバスの近接カラテは巧みで、全力での対応を強いられたのだ。この二人の過冬ニンジャは侮れぬ粘り強さと奇妙にテクニカルな連携力を持っている……！「グワーッ！」見よ！そのクナイは奇妙な機構を備えていた！ 17
2018-04-08 23:06:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「トッタリ！」サイベリオンはその場で中腰姿勢を取り、静止した。「アクセスポイント・ジツ！」サイベリオンのジツに反応し、クナイの柄が展開、奇怪なアンテナ状の物体が突き出した！「グワーッ！」ニンジャスレイヤーは01100101ニンジャスレイヤーは輝く緑格子の床に立つ己を見出す！「これは！」18
2018-04-08 23:09:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
いきなり天井が無くなり、夜空もなく、ただ黄金の立方体が自転しているのがわかった。ハッカードージョー空間の光景はいまだ彼の視界に重なっているが、近いようで遠く、奇妙にズレて見えた。状況を把握しようとした彼は、電子グリッド壁の向こうでレバーを動かそうと奮闘するコトブキを垣間見た。 19
2018-04-08 23:13:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「00010011ようこそ、ようこそ過冬システムネットの一角へ」じわりと輪郭をにじませ、刺々しいビキニ・ボンデージ姿の艶めかしい女性が出現した。「これで一度に相手できるな、ネズミども」一方、サイベリオンは恐らくこの電子的ジツを維持する為に、物理世界では静止集中状態のようだ。 20
2018-04-08 23:16:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
サキュバスの姿はこうしている間もその姿を定めず、パリパリとノイズを散らし、チアリーダーやホットなインストラクターになったかと思えば、男性ストリッパーや濡れたサラリマン、フットボール選手などの姿も行き来した。「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは攻撃をかける！ 21
2018-04-08 23:21:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「イヤーッ！」だが、死角から6フィートほどの巨大な電子拳が飛来し、ニンジャスレイヤーを無惨に殴りつける！「グワーッ！」防御が間に合わぬ！まるで水の中を泳いでいるような奇妙な感覚が、ニンジャスレイヤーの対応力を削いでしまう。彼は吹き飛び、電子グリッド壁に衝突、0と1を散らす！ 22
2018-04-08 23:24:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ハハハハハ！当然慣れていない。それはそうだ。気に病むことはない。誰しも最初はそうだ。じきに慣れるよ」サキュバスは余裕じみて頷いた。その時の彼は上半身裸の水兵だった。「もっとも、お前は慣れる前に死んでしまうが……」その時はホルスタイン・コス・プレイ女性の姿だった。 23
2018-04-08 23:29:32