超訳『ミックスでやりがちな10の間違い』

原文"10 Common Mixing Mistakes to Avoid" by Matthew Weiss https://theproaudiofiles.com/mixing-mixtakes/
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ミックスでやりがちな10の間違い』 著者Matthew Weiss曰く:UAがこの様式で書いてたのがよかったので、俺もリストアップしてみたよ! ※以下、意訳が続きます theproaudiofiles.com/mixing-mixtake…

2018-04-13 10:33:27
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1. Not having a decided direction 明確な方向性を持たない

2018-04-13 10:35:14
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ミキシングは主観に基づく作業だ。良いミックスを仕上げるには、そもそも良いミックスとはなにかを自分で決められなければいけない。やりがちな間違いリストの1番目は「ヴィジョンなくミックスを行うこと。」

2018-04-13 10:35:14
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自分自身ゴールが見えず、またどんな音を聞きたいのかもわからないままの作業は、闇に向かって発砲するようなものだ。たまに的に当たることもあるかも知れないが総じて大した成果は出せないだろう。

2018-04-13 10:35:14
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2. Thinking quantity, not quality クオリティーより物量に目を向ける

2018-04-13 10:37:17
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キャリア初期によくやった間違いは、「低域の量はどのぐらいにするか」ばかりに目が行き、「低域が機能するにはどうすればいいか」を考えなかったこと。低域を際立たせるなら、「際立たせる方法」を考えるべきであってその量は重要ではないのだ。

2018-04-13 10:37:18
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まして量の問題ならば、それはマスタリングエンジニアに判断させることもできるのだ。物量が重要になるのは、他のパートとの相関を考えるときだけだ。この点においても、単純にクオリティーの問題になる…各要素は互いに支えあい、重要なパートが輝かせているか?

2018-04-13 10:37:18
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訳注:わかるようなわからないような項ですが「ミキシング段階では、ローエンドの問題解決にフェーダワーク以外にやることがある」「同様に他のパートが際立つかどうかも、レベル差以外の部分にかかる」というお話と解釈しています。

2018-04-13 10:37:18
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3. Not enough time spent constructing ambience アンビエンス作りに時間をかけなさすぎ

2018-04-13 10:40:16
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アンビエンスは、あらゆるミックスのバックドロップ(背景画)である。録音された残響であれデジタル生成されたリバーブであれ(あるいはその両方でも)アンビエンスはサウンドの聴こえ方と、リスナーが抱く感情に大きく影響する。

2018-04-13 10:40:16
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リバーブやディレイは録音物のトーンを強化する有効なツールだ。チープな感じも高級感も、タイトな感じも緩い感じも、正しいアンビエンスを選択することで演出できる。(ここでTip#1を思い出してみよう)

2018-04-13 10:40:16
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考え無しにリバーブを束ねることは、一貫性のないミックスに繋がる。また、リバーブを使用せず完全にドライな音にすることが効果的な場合もある。賢明な判断を!

2018-04-13 10:40:17
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訳注:誰だったか他の米エンジニアも「デモテープと商業音楽を分かつのは(アンビエンスを含む)ボーカルの音作り」と発言していました。

2018-04-13 10:40:25
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4. Relying too much on effects エフェクトに依存しすぎる

2018-04-13 10:42:15
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ミキシングとは、パート間の繊細な相互関係を築きあげるゲームのようなものだ。アマチュアはえてして、すべてのトラックにEQやコンプを挿すことでミックスを「特別な何か」に変えようとする。

2018-04-13 10:42:16
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逆に経験を積んだミキサーは、最小の手数やエフェクト数で、最大限の効果を得る。もちろん、ミックスの意図によっては例外もあるが。(ここでもTip#1を思い出してみよう)

2018-04-13 10:42:16
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訳注:ミックス関連の英文資料によく出てくる教訓に「Less is more」というのがあります。「Garbage in, garbage out」と並んで訳者の好きなフレーズです。

2018-04-13 10:42:16
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5. Mixing without switching perspective 複数の視点を切り替えずにミックスを進める。

2018-04-13 10:43:26
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1セットのスピーカだけで最初から最後まで作業を行うと、単一の視点しか得られない。低廉なPCスピーカやヘッドホンを使う、あるいはリスニングポジションを変えるだけ異なる視点を得ることができる。長めの休憩を挟んだり、あるいは一晩寝かせることも、幅広い視点からミックスを評価する上で有効だ。

2018-04-13 10:43:26
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訳注:以前にも紹介した「モニタ環境には$2,000は突っ込め。話はそれからだ」で有名(?)なMIX本にて、よりよいミックスを行うツールとして「ヤカン」が紹介されています。つまり、お湯をわかしてお茶を飲むぐらい長い休憩を挟む方が、バランス感覚の狂った耳で延々作業を進めるより能率的という考えです

2018-04-13 10:45:47
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6. Relying on convention 慣習に従いすぎる

2018-04-13 23:24:26
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作品をジャンルに分類することは、ともすれば慣習化、一般化することを意味する…これは落とし穴だ。 前進的なアーティストやプロデューサーは、慣習に捕らわれないよう意識するものだ。クライアントがありきたりなスタイルを求めることがあるからといって、皆が皆、それを望んでいるとは限らない。

2018-04-13 23:25:06
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私にとって気付きを得るきっかけとなったのは、ある著名なジャズピアニストからトリオのミックスを依頼されたときだった。ミックス中、私はプロデューサー的な判断から、従来のジャズよりもパンチ溢れるドラムサウンドを作った。

2018-04-13 23:26:59
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このドラムサウンドは大変喜ばれた。後になって気付いたことだが、依頼主であるピアニストは従来のジャズサウンドから離れたがっていたのだろう。だからこそ、特にジャズをミックスする経験が豊富でもなかった私を選んでくれたのだ。

2018-04-13 23:26:59
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このジャズピアニストと私は、以来ともに仕事を続けている。既存ジャンルにおける慣習が導く方向ではなく、目の前の音楽が指し示す方向に進んだことが功を奏したのだ。

2018-04-13 23:26:59