
私など、どう考えても才能とか資質、素質などあるとは思えない人間だが、その私から見て「どうして、こんなことに気づかないのだろうか」という人物が武道界の指導者層には多すぎる。
2011-04-09 19:37:42
もっとも、それは武道界のみではないのかもしれないが、結果がハッキリと出る武道の世界で、どうして、こうも気づく人がすくないのだろう。いや、すくないというより、皆無に近いのだろうか?と何度も思わされてきた。
2011-04-09 19:39:23
たとえば、かの宮本武蔵が『五輪書』のなかでも「足の踏み方は、爪先を少し浮かして踵を強く踏むように…」と具体的に書いているのだが、現代剣道では、爪先立って立ち、それで床を強く蹴って前へ飛び込む動きを唯一無二の「正しい剣道」としている。
2011-04-09 19:43:00
しかし、これは武術においては素人の足捌きだ。現に、こうして思いっきり床を蹴って動く剣道でも、言葉の上では「居つくな」という事はよく知られている。
2011-04-09 19:43:29
この言葉を知っていながら、なぜ爪先立って思いきり床を蹴るのだろう。強く床を蹴るという事は、その瞬間「思いっきり居ついている」となぜわからないのだろう。
2011-04-09 19:45:02
また、現代剣道では、刀を持つ時、左手は柄の端(柄頭)ギリギリいっぱいに持ち、右手は鍔の近くを持って、左右の手の間を開けて持っているが、この一見合理的、「テコの原理も利いて使いやすい」という持ち方に落とし穴があることに、殆ど誰も気づいていない。
2011-04-09 19:45:29
とは言え、私のような才能のない者ならともかく、何十万、いや過去をたどれば戦後でも何百万人もいたであろう剣道家のなかで、このことを気づいた人が、すくなくとも剣道関係の書籍、雑誌を通して一人も見出せないのは、どうした事であろうか。
2011-04-09 19:46:17
あらためて詳細に観察し直してみれば、江戸時代以前の剣術の伝書や、さまざまな戦闘場面を描いた絵、また『北斎漫画』のような当時の風俗を活写した絵などで、左右両手の間を離して、柄を持っている絵は、全体の二割あるかどうかだ。
2011-04-09 19:46:49
『北斎漫画』など、六組十二人の稽古人の全員が、長い竹刀の柄の鍔寄りを、両手を寄せて持っており、そのため、柄の先が左手からかなり余って突き出ている。
2011-04-09 19:47:16
もちろん、昔の人の工夫が劣っていて、現代剣道のほうが研究が進んでいるというのなら、それは結構なことだが、どう考えてもそれが事実とは思えない。
2011-04-09 19:48:22
そして、私自身の体験として2008年の5月31日に、この「両手を寄せて刀を持つ」ということに目覚めて、二年三ヶ月近く経った昨年の8月10日、私の長年の夢というか、夢のまた夢であったことが実現した。
2011-04-09 19:48:54
それは、「真剣が竹刀に劣らぬ早さで変化させられるように使えないだろうか」という願いを超えて、「真剣のほうが竹刀よりも早く翻転させられるようになった」ということである。
2011-04-09 19:49:23
現に自分で、それまで30年以上かかって出来なかったことが、刀の柄を両手を寄せて持つようになったことが基盤となって出来るようになり、私は、昔の人が刀を使っている絵が、ほとんど両手を寄せて持っている意味が氷解した。
2011-04-09 19:51:48
それは、両手を離して柄を持つと「腕や手が使いやすいから、使ってしまう」ということになり、そのため体幹部が単に「腕や手をサポートするため程度にしか使われていない!」という事に気付いたからである。
2011-04-09 19:53:13