アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、空手バカ一代44話演出:「自然」と一体になる魂

まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きで始めた、カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。 今回は、空手バカ一代44話演出。 前回は同作42話演出・コンテ。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/04/… ブログ関連ツイートまとめ: togetter.com/li/1218321 他: togetter.com/id/makimogpfb

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44a アニメ・空手バカ一代は、同名漫画のアニメ化作品。空手家・飛鳥拳(実在の空手家・大山倍達がモデル)が、己の空手道を極めるために、国内外の強敵と対戦する姿を描く。 監督は岡部英二・出崎統氏。 今回は、脚本が吉原幸栄氏、コンテが出崎統氏、演出が高屋敷英夫氏。

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44b 以前書いたが、本作は監督を「演出」、各話演出を「演出助手」とクレジットしているので、本作の演出助手=各話演出とする。実際の内容も、各話演出助手でかなり雰囲気が違う。クラシック作品においての演出(現場監督のような立場)は、なぜか個性のばらつきが激しい。

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44c 詳細はブログに書きました: ━━━ 空手バカ一代44話演出:「自然」と一体になる魂 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/04/… #はてなブログ

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44d 今回の話: 香港にて、太極拳の達人・陳と手合わせした飛鳥は、陳の熟練した動きの前に敗れる。 その後 、陳から太極拳の心技を学んだ飛鳥は、武者修行の旅から帰ってきた陳の弟子・カオと勝負し、陳から学んだ、武道の精神で勝利するのだった。

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44e 冒頭、出崎演出でおなじみの太陽+航空機構図が出る。今回はコンテが出崎統氏だが、高屋敷氏は「脚本」からでも似た感じの画が「出力」されるのが、毎度の怪。 忍者戦士飛影・太陽の使者鉄人28号脚本、元祖天才バカボン演出と比較。 pic.twitter.com/eVkrxSU43R

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44f 舞台となる香港は、高屋敷氏の作品にて複数回登場している。 今のところ、私が視聴済なのはルパン三世2nd脚本と、太陽の使者鉄人28号脚本。他にもあるかもしれない。 あと、MASTERキートン脚本に、原作通りだがチラッと香港が出ていた。 pic.twitter.com/8iWR2RGliV

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44g 高屋敷氏がよく使う、ランプ演出の延長線上にあるのか、ホテルのネオンの意味深なアップ・間に、高屋敷氏らしさを感じる。めぞん一刻脚本と比較。この「間」も、脚本からでも出るのが不思議。 pic.twitter.com/Ksfn3ik0T4

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44h タクシーのシーンで、出崎演出定番の坂道遠近が出る。今回は出崎統氏のコンテなので自然だが、高屋敷氏単独でも出す。高屋敷氏のルパン三世2nd演出・コンテ、ベルサイユのばらコンテと比較。 pic.twitter.com/eAYiqsDiBz

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44i 太極拳の達人・陳は、一見柔和な老人だが、心技ともに飛鳥を凌駕するほど強い。 味のある老人を描写するのは、高屋敷氏の得意分野。 演出・脚本ともに、視聴者の心に残る老人は多い。 画像は今回と、監督作忍者マン一平、蒼天航路・忍者戦士飛影脚本。 pic.twitter.com/UIJmkq1VVB

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44j 飛鳥と陳が手合わせする場面にて、竹林の意味深な描写がある。 こういった、意思を持つかのような自然の描写は、高屋敷氏の演出・脚本作で多い。 めぞん一刻・マッドハウス版XMEN・チエちゃん奮戦記脚本と比較。 特に、めぞん一刻は、自然描写が多め。 pic.twitter.com/q7KTMaOIK8

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44k 陳による円・球の動きを説明する場面にて、陳の身体がゆっくり回転する。 360度きっちり作画する回転描写は、出崎哲・統兄弟の特徴。高屋敷氏も、それに則り単独でも出し、かつ「脚本」でも出力される。 画像は今回と、チエちゃん奮戦記脚本、監督作忍者マン一平。 pic.twitter.com/oAQwADHobO

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44l 飛鳥が陳の下で修行する場面では、滝が出てくる。 どうやら出崎統氏は滝が好きなようで、エースをねらえ！(監督は出崎統氏)でも出る(演出は高屋敷氏)。 そして高屋敷氏監督作忍者マン一平、同氏シリーズ構成カイジ2期でも、滝は印象的に描写されている。 pic.twitter.com/IBIYrt6XLC

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44m 滝に続き、花も意味深に描写される。これも、「間」に、高屋敷氏の、「自然や物は意思を持っている」というポリシーが表れている。 あしたのジョー2・めぞん一刻・マッドハウス版XMEN脚本と比較。 pic.twitter.com/MTwXSpG8WZ

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44n 武者修行から帰ってきたカオを迎える場面でも、龍の像のアップ・間がある。像は、高屋敷氏の作品に多く出て来る。像には「魂」がこもりやすいからかもしれない。 あしたのジョー2脚本、ベルサイユのばらコンテ、カイジ脚本と比較。 pic.twitter.com/AtpmzvBuB2

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44o カオが、虎を倒した話をする場面にて虎の絵が映るが、これも独特な「間」がある。 また、アカギ脚本の虎の絵と重なるものがある。こちらも「間」がある。 pic.twitter.com/njaAsRbuuz

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44p 続いて、龍の絵も、「間」をもって、意味を持つ表現になっている。カイジ2期・DAYS脚本でも、意味を持つ「絵」の「間」が出てくる。 pic.twitter.com/w1YGdRlOaD

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44q そして月も、全てを「見ている」かのような「間」と共に表現されており、この特徴は、高屋敷氏の作品に数多く出てくる。 はじめの一歩3期・あしたのジョー2・マッドハウスXMEN脚本と比較。 脚本作でも、演出作と同じような「間」があるのが、やはり不思議。 pic.twitter.com/lrpYD3yKUc

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44r 飛鳥は、陳から教わった「心」をもってカオを倒し、日本へと帰国する。 飛行機+太陽のシーンが、マッドハウス版XMEN「脚本」とシンクロを起こしている。 奇跡と片付けずに考えると、「コンテ師が画を想像しやすい脚本」だから、かもしれない。 それにしても怪。 pic.twitter.com/u48b1B2CPx

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44s ラストでは、不屈の精神の象徴としての龍が出てくる。蒼天航路(高屋敷氏シリーズ構成・脚本)の龍が思い出される。 蒼天航路シリーズ構成では、原作通りだが、「成長しきると、英傑は龍となる」ことが強調されていた。 今回の場合も、飛鳥の成長が、龍に喩えられている。 pic.twitter.com/5nExahP5rM

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44まとめ1 自然と一体になって悟りを開くような、陳の説く「武道の心」は、高屋敷氏がよく表現する、「意思を持つかのような自然や物」と相性がいい。いや、そうなるように高屋敷氏の「好み」が話に出ているからかもしれない。

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44まとめ2 「家なき子」「エースをねらえ！」など、出崎統監督作品では、コンテが出崎統監督で共通していても、竹内啓雄氏と高屋敷氏の演出は極端に違う。 それだけ、出崎統氏のコンテを、どう「演出」するかは、演出担当者の個性にかかっていたのかもしれない。

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44まとめ3 出崎統監督作品における、コンテと演出の関係は、「漫画原作とアニメスタッフ」の関係に似たものがある。出崎統氏は漫画家経験があるだけに、興味深い。 出崎統氏は、一旦原作を解体して、新たな「出崎統版原作」を作っているかのように感じる。

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高屋敷氏演出 空手バカ一代44まとめ4 今回、高屋敷氏が前面に出したいテーマの一つに、「不屈の精神を持つ者は、成長して龍となる」がある。 前述のように、高屋敷氏は、蒼天航路のシリーズ構成にて「英傑が龍となるまでの成長」をテーマの一つにしている。 この2作品に共通点があったのは驚き。