(新連載まとめ17)朝の三分小説〜おかん〜(野生の掟編)

カメックスシ @agodenderu

おかん265 おかん達は伊那市を抜けて荒野を旅していた。どこまでも広がる荒野の中にいきなり遺跡が現れた。 「なんだここ」 「ここは駒ヶ根市だった所ですじゃ」 おかんの疑問に答えたのは狸の顔をした人間だった。 「今日はもう遅い。私の家に泊まっていきなされ」 狸爺は嬉しそうに言った。

カメックスシ @agodenderu

おかん266 おかん達はモヘンジョ太郎にもてなされ、藁と納豆のベッドで眠った。 翌朝 「爽やかな朝だねぇ」 だが負債者が一人足りない。 「お～い、名探偵コナンがいないぞ」 「どっちのだよ」 「京都の方のやつだよ」 「大変ですじゃ、外は爽やかな砂嵐。外出して戻れなくなったのでは」

カメックスシ @agodenderu

おかん総集編二十九 河童王Δによって飯田市にもたらされた秩序はじゃがいもの入ってないカレーによって破壊しつくされた。それはまるで全てを流し去ってしまう激流のように水気の多いスープのようなカレーである。やっぱりカレーには粘性が求められていると思う。

カメックスシ @agodenderu

お267 その次の日も砂嵐だった。 「今日はロッキーがいない」 「きっとまた砂嵐で戻れなくなったのじゃ。という訳でもう一泊して行かれるといい」 その夜、おかんはサバンナで百人一首大会をする夢を見た。マサイの槍を直前で掴んだ夢だ。そこで目が覚めると槍を掴んでいた。目の前には狸爺。

カメックスシ @agodenderu

おか268 「騙しやがったな」 「これは、ルームサービスですじゃ」 狸爺はおかんに蹴り飛ばされて窓を突き破って落ちて行った。砂嵐が止んだのはその直後だ。 翌日、食人植物の咲く荒野を抜けて本物の駒ヶ根市に到着した。 本物の駒ヶ根市はゾンビが徘徊しているものの穏やかな街であった。

カメックスシ @agodenderu

おかん269 駒ヶ根市では最強市民決定戦が開催されていた。 「ぐぎゃあ」 さっそく吹っ飛ばされて壁に叩きつけられた弱小市民を発見。おかんはインタビューを行う。 「今の気持ちは」 「痛いです」 「そうか」 おかん達は乱闘する市民達を交わしながら市の南側を目指すのだった。

カメックスシ @agodenderu

おかん270 道中おかんは渡り鳥から忠告を受けた。 「街の南に行ってはいけないよ。チャンピオンのショルダーバーグ殿がいるからね」 東へ迂回しようと思ったが、道は南へまにしかない。悩んでいるおかんは街の南端まで来てしまい、そこでおかんに声をかけたのは黄金の熊だった。 「オッス」

カメックスシ @agodenderu

おかん271 ショルダーバーグ殿と出合う前に駒ヶ根市を抜けようとしたが熊に捕まってしまった。 「やあ元気かい、僕は元気。いつも蜂蜜を食べてるからね。蜂蜜は健康にいいんだ。仕事終わりには蜂蜜を食べた方がいいよって君仕事してる」 話好きの野生の熊の機嫌を損ねれば即死する気がした。

カメックスシ @agodenderu

おかん272 「見つけた、仕留めさせてもらうぜ」 黒魔法猟師が熊に銃を向ける。おかんも内心応援した。 「このショルダーバーグがそんな銃で倒せると思った。いるんだよね、この前もさ、機関銃持ってきた戦士を潰しちゃてね。まぁ僕と戦うなら戦車くらい持参しろって話ですよ」 話が長いんだよ。

カメックスシ @agodenderu

おかん273 ショルダーバーグの力によって黒魔法猟師は黒魔法力士に変えられた。 「どすこいどすこい」 「それでやっぱり蜂蜜食べてると朝起きた時とかも凄い元気なんだね。以前じゃ考えられないよな。友達からも若返ったとか言われてさぁ」 「凄いっすね。じゃあ私も蜂蜜買いに行ってきます」

カメックスシ @agodenderu

おかん274 「えっ君も蜂蜜に興味があるのかい。だったら僕の家においでよ。いい蜂蜜があるんだ」 道中ショルダーバーグは挑んできた十人を返り討ちにした。 おかんはショルダーバーグから逃げるどころか自宅に入ってしまった。 だがここで一つの疑問が生まれた。この男、以外といい奴なのでは？

カメックスシ @agodenderu

おかん275 ショルダーバーグの家は包囲殲滅戦の対象として宇宙連合軍に攻略されている最中だった。 家の中からはおかん達の姿を見て 「援軍が来たぞー」 と歓声挙がった。なんかヤバそうだとおかんは直感で理解したが、既に革命軍に囲まれていた。熊と家の中の者達も入り乱れての乱戦となった。

カメックスシ @agodenderu

おかんの旅路⑤ 信濃大町 長野県大町市 立山連峰を抜けて越中へ抜けるルートがある。古来より塩を運ぶためのルートがあり、塩に紛れて七草も入ってきたのかもしれない。温泉とか湖とかいろいろ楽しい街である。

カメックスシ @agodenderu

おかん276 夕暮れ、天竜川のそばに二人は横になっていた。 「おかんって結構強いんだな。」 「いや、あんたの方が強いでしょ、宇宙人倒しまくってさ」 「僕は蜂蜜食べてるからね」 いつしか二人の間には友情が芽生えていたが、おかんが三回くらい寝返ろうとした事は秘密だ。 「野生の掟編」完