編集部イチオシ

アニメーターが薄給なのは結構根の深い話かもしれない、という話

すぐに役人がどうのこうの、政権がどうのこうのっていう臭い話にすり替えて逃げるのではなく、 「『クールジャパン』と称して宣伝し、最終的に買って欲しかったものは何だったのか」 をよく考えるべきだと思うね・・・。
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あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

「なんでアニメーターが食えない仕事なのか」 って疑問に思う人達は、アニメ制作という業種が下請けだと思っていない。 つまり、 「何億と大金が動く仕事してるんだから一杯貰ってるでしょ」 という表のイメージと、 「アニメ制作にはほぼ固定相場の製作費しか入らない」 という現実とで乖離している。

2018-04-23 16:19:21
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

もし企画段階からひとつの会社が仕切っていて、制作スタッフも自分で囲っているなら、表で噂される額面通りの金が動いている可能性はある。 だが、現実にアニメを作っているのは複数の出資者でつくる制作委員会であり、制作以外の業務のため用意した金が予算の大半を占めている。

2018-04-23 16:22:52
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

誰が何と言おうと、 「制作というひとつの工程に支払うのはこの金額です」 というのは下請けの相場的にほぼ決まっている。 つまり、待遇を良くしようと思ったらアニメ制作会社の下請け相場をもっと上げるしかないし、そこで抜け駆けする会社が出ないよう徹底しないと駄目だという話になる。

2018-04-23 16:28:15
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

下請けとして存在する業種は、そこを利用する発注者ありきで回っている。 だから、個々で賃上げとか価格改定とかやったところで 「じゃあ安いところ使いますね」 と発注者が決めれば、上げたところだけが死んで終わってしまう。 「いくら積んででもこの会社に頼みたい」 という人がいればまだいい方。

2018-04-23 16:39:05
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

じゃあ、アニメを作らせる側にとって、アニメはどういう位置付けなのか。 視聴者がどう思っていようと、彼らにとってアニメは『ツール』でしかない。 自社商品、俳優、音楽、ゲームなどを売る道具がアニメなのだ。 ここが一番の問題であり、この体制を脱して枠組みを作らなければ何も変えられない。

2018-04-23 16:42:24
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

20世紀の日本は、何らかの商売を回すためにアニメを作ってきた。 TVでアニメを放映することは、すなわち社の宣伝であり、社の製品の宣伝だった。 アニメを見せることそれ自体は、金の獲れる産業と見なされてこなかったわけだ。 だからこそ、アニメは自社でやらず下請けに適当に作らせればいいとなる。

2018-04-23 16:48:48
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

オリジナルアニメが商業的に失敗すると言われるのもそこに原因がある。 映像で表現したいことに挑んだ作品は、商業アニメ(実態は販促用のツール)を扱ってきた側から見ると、 「客に何を売りつけたいのか全く分からない、売るものも持っていない、社会奉仕みたいな活動」 という評価になるからだ。

2018-04-23 16:55:17
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

「〇〇を買ってね」 に結び付けるツールとしてアニメを使う人達は、その手のノウハウは腐るほどある。 が、純粋に芸術や自己表現として作られたアニメを視聴者にどう売り込むべきかはわかっていない。 スクリーンに到達し、喝采を叫び、感動を共有した客が更なる流入を促す。 そういう商売ができない。

2018-04-23 16:58:54
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

結果、アニメ業界とは名ばかりの下請け映像メーカーばかりになったのが今の状況。 アニメを作り過ぎているって文句が出るけど、広告作らせて流してるのと同じだから、やたら氾濫して当然なわけだ。 もしスポンサーが売ろうと思う物がなくなれば、その時点でアニメを作る意味自体なくなり業界は枯れる。

2018-04-23 17:03:13
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

ちょっぴり残酷な話。 真にアニメをやろうと思うのなら、このまま商業アニメに乗っかる人は論外だ。 やりたい仕事はほぼ回ってこないだろうし、やったとしても一時の宣伝映像として消費されていくだけだ。 アニメをショービジネス的に盛り立てる気がないなら、下請けと思って仕事した方が心にいい。

2018-04-23 17:07:02
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

もはや一時的に食い繋ぐ場所ですらなくなっているので、下手にアニメーターやるよりも別の図面使う業種に入る方が近道かもしれない。 今時アニメ界隈のコネを頼ろうにも、そのシステム自体が上の上の世代くらいしか機能してないしね。 自分のショーを開く意識で同人創作やってる方が繋がり合えるかも。

2018-04-23 17:11:19
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

つか、この「アニメが下請け業務になってる問題」って「最近の邦画はクソ問題」とか「クールジャパン問題」とか、あらゆる創作界隈の問題と根を同じくするものだからなぁ・・・。

2018-04-23 17:16:11
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

物を売るために作品を作るのか、『作品を見る体験』を売るために作品を作るのか。 そこを見誤らない限り、商業でも個人制作でもやることは同じだし、売り込むべきポイントも同じなんだけど。 どうも日本の場合は物を売るためにアニメを作らせているようだ。

2018-04-23 17:18:51

余談(けもフレ事件と角川の目論見の話)

あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

昨日の話に関連したこととして言うけど、けもフレアニメ周りの騒動はまさしくショービジネス派と販促アニメ派の対立と決裂だったわけで、あのタイミングでなくてもいずれ同様の騒動が起きて、たつき監督が退く羽目になっていた。

2018-04-24 13:39:01
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

企画が露出する段階で『けものフレンズ』というアプリコンテンツは終わりつつあって、販促しても意味ないよねということで全員が一致していた。 だから、映像作品そのものをコンテンツとしたいirodoriや、映像に直結した部分を売り込みたいヤオヨロズにとってはとても動きやすい環境だった。

2018-04-24 13:42:20
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

ショービジネス派がやりたいようにやったことで、アニメ版けものフレンズは成功を収める。 が、消化試合扱いで、放映後は忘れられていく消耗品だと考えていた角川にとっては青天の霹靂だった。 「もう一度いける」と確信した角川は、けものフレンズという『人気』版権コンテンツの再興を画策し始める。

2018-04-24 13:48:29
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

ブシロードと手を組んでのアプリ再始動。 事情を知らないけもフレファンには明るい話題に映ったが、実態は旧来型の販促商売に戻ろうとする動きそのものだった。 一方、成功したirodoriやヤオヨロズは、自分達のビジネスが認められたと思い行動範囲を広げていく。 角川と制作陣とが乖離し始めたわけだ。

2018-04-24 13:52:15
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

徐々に溝は深まり、角川にとって 「気ままに映像作品を増やす厄介な連中」 となったアニメ制作陣は『のけもの』になっていった。 そして遂に9/25の騒動に至り、irodoriやヤオヨロズを切り離す判断が下されることとなる。

2018-04-24 13:57:12
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

客観的に見れば、 「角川が言うことを聞かない契約先と手を切った」 といういつもの話で終わるのだが、今回は違った。 ファンが求めていたのは『けものフレンズ』という角川の商品ではなかった。 『アニメ版けものフレンズ』という、irodoriの演出する映像ショーであったのだ。

2018-04-24 14:00:49
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

この辺り、ファン自身も自覚のないままついてきた経緯もある。 角川に属する吉崎先生(アプリ原案側)との対立項で揉めたりするのは、その曖昧さによるところも大きいだろう。 とはいえ、ファンの興味の矛先はirodori製アニメであり、たつき監督の創作観だった。 それが、事態を深刻化させてしまった。

2018-04-24 14:07:55
あっきぃ。@いろいろつぶやくやつ @akkiy_ya

角川はあの時、アプリの再興など考えずショービジネスに徹するべきだった。 そうすれば、映像ショーを取り仕切るフィクサーとして業界を牽引できただろう。 何十年か前の角川なら、そういう判断の出来る人間もいたが、今は無理だ。 それを象徴しているのがあの『けもフレ事件』だったように思う。

2018-04-24 14:12:38