jyasuda1のAACR2018(アメリカ癌学会総会)実況ツイートまとめ

最近研究の進歩が著しい癌において世界最大の学会であるAACRに出席、ゲノム医療関係のセッションを中心的に聞いてきたのをまとめます。
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まずは15日(学会としては初日)
いわゆるplenary session。
リキッドバイオプシーの元祖の研究者(K Pantel)や免疫チェックポイント療法、癌の染色体異常の精細な解析

Jun Yasuda @jyasuda1

AACR、大きなconvention centerだが、昨日今日と土日で多くのレストラン(というかフードコート)がお休みで、食事難民が大量に発生中。今日は本格的な学会開始だったせいか、plenary sessionが終わったら廊下が渋谷の交差点状態に。

2018-04-16 02:56:10
Jun Yasuda @jyasuda1

それにしても昨今のliquid biopsyやがんの免疫療法の進歩は凄まじい。免疫療法が効きにくい卵巣がんの腫瘍ワクチンの開発に次世代シーケンサーでのゲノム変異の確認とそれによる抗原性のあるペプチドの推定など(実効性はさておき)意欲的な取り組みだと思う。日本でも誰かが追随するのだろう。

2018-04-16 02:58:19

初日午後Drug Development Track-special session- New Drugs on the horizon 1から

Jun Yasuda @jyasuda1

CDK9は細胞周期関連のキナーゼだがこれを一時的に抑制することでアポトーシス関連分子の発現を抑制するという新薬候補。CDK9に特異的であり、かつ標的の発現をin vitroで抑制している。

2018-04-16 03:10:53
Jun Yasuda @jyasuda1

一時的な発現抑制でもカスパーゼが活性化するという点が面白い。標的の疾患はAML。効果は移植腫瘍でも確認しており、用量効果曲線も確認している。ところが組織特異性があり造血性の細胞に良く効くらしい。

2018-04-16 03:17:20
Jun Yasuda @jyasuda1

bcl2阻害剤とCDK9阻害剤を組み合わせることを考えているようだ。例えばacalabrutinib(BTKの阻害剤)と組み合わせるとカスパーゼ3の活性化がつよくなるなど。

2018-04-16 03:22:00
Jun Yasuda @jyasuda1

注目の発表だったようだ。終わった途端にどっと人が立ち去っていった。薬の名前はAZD4573ですね。

2018-04-16 03:25:57
Jun Yasuda @jyasuda1

次の発表はペプチドの中のシステインをSS結合で輪っかにすることで新薬を開発するという企画。抗体よりもずっと小さいことが売り。ただ、狙った酵素阻害などの効果はかなり濃度が必要そう。しばらく開発段階とみた。

2018-04-16 03:38:23
Jun Yasuda @jyasuda1

数mg/kgというのはそこそこ分子量が大きいことからまあまあなのかな。標的はMT-MMPというところがどこまで有効なのかは検討の余地がある。細胞傷害性とMT-MMP阻害の関係を見るにはMT-MMPのsiRNAとかが必要だが、やっていないような印象(みのがしたかも)。

2018-04-16 03:40:50
Jun Yasuda @jyasuda1

とりあえずPhase Iに行ったものがあるようだ。Bicycleというブランドらしい。

2018-04-16 03:41:54

Major Symposium-Translational Applications of Systems Biology

Jun Yasuda @jyasuda1

会場を移動。かなり距離があった。システムズバイオロジーのがん治療への応用。一応PARP阻害剤の話を聞いてみましょう、という企画。

2018-04-16 04:02:42
Jun Yasuda @jyasuda1

変異で活性化している変異は恒常的だが、薬剤による阻害は一過性であることに留意すべきというコメント。2つの経路が同時に変異でおかしくなることも低頻度なので、組み合わせは有用だろうという一般論。

2018-04-16 04:07:20
Jun Yasuda @jyasuda1

どうやら患者からのprimary cultureを使ってデータを取ることがポイントのようだ。タンパク質検出アレイの話も。

2018-04-16 04:10:11
Jun Yasuda @jyasuda1

PARP阻害剤は2つの機構で細胞を致死に持ち込む。一つはHomologous recombination阻害(=BRCA1などの経路の阻害)があると致死になる。もう一つはDNA複製時にDNA傷害が発生することで致死になる。どちらも一時的な効果しかないことが問題。

2018-04-16 04:11:57
Jun Yasuda @jyasuda1

RNA発現解析から、あるPARP阻害剤はPI3K経路を活性化するのでPI3K経路市街剤を併用すべきか、というアイディア。OCTOPUSという知見らしく、良い結果がでていうようだ。

2018-04-16 04:13:54
Jun Yasuda @jyasuda1

同様にMEK阻害剤とPARP阻害剤も相乗効果があるというデータ。こちらはSOLARという知見らしい。さらにDNA傷害チェックポイント、G2チェックポイント関連因子の発現誘導もPARP阻害剤で起こることから、これらの組み合わせもvitroで試しているようだ。

2018-04-16 04:16:53
Jun Yasuda @jyasuda1

wee1阻害剤とPARPiの併用は毒性があるが、先にどっちかを入れてからもうっぽうを入れる(シークエンス投与)で毒性を回避できるという提案もある、これはどちらかの薬剤の効果が投与後も長く続くことに由来している。

2018-04-16 04:24:24
Jun Yasuda @jyasuda1

先に入れるのはPARP阻害剤らしい。まず腫瘍細胞そのものをPARP阻害し剤で攻撃し、それによって活性化して来るPI3K経路やMAPK経路を抑えることで相乗効果を出しながら毒性を抑えるという賢い戦略だ。

2018-04-16 04:26:29
さくら @sakura_sakasuyo

@jyasuda1 PARP阻害剤って、PARP活性あるタンパク質のPARP活性を全部阻害するんでしょうか??すみません、素人しつもんで。。。

2018-04-16 04:36:00
Jun Yasuda @jyasuda1

@sakura_sakasuyo すみません、考えたことがなかったのですが、PARP阻害剤で「特異性」の議論を聞いたことがなかったです。DNA修復に関連しないPARP活性がある場合、それは議論の対象になっていないから阻害されていないのかもしれません。タンキラーゼとかも阻害されるんじゃなかったかなあ。

2018-04-16 04:49:09
さくら @sakura_sakasuyo

@jyasuda1 なるほどー。ありがとうございます。DNA修復に関わるPARPっていうと私はPARP1しか知らないんですが、たぶんPARP阻害剤っていう場合、PARP1の活性阻害、を言ってるんですよねぇ。てことはPARP1阻害っていうことなんですかねぇ。。

2018-04-16 04:53:31
Jun Yasuda @jyasuda1

Chimeric Antigen Receptor T cell療法についてのシステムズバイオロジー。CAR T療法の最適化のために色々やっている。まず重要なファクターについて実験でパラメータを確定していきながら、という感じ。早口で背景説明がないので、よくわからない。

2018-04-16 04:41:42
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