イギリス料理について

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SOW@ @sow_LIBRA11

イギリス料理が不味い不味いとはよく言われるのですが、これには複数の理由が重なってのものらしいで、一概に「イギリスの食文化は他国に比べ劣っている」とは言えないそうですね。>RT pic.twitter.com/h10CQkHROu

2018-04-26 17:50:55
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理由1、基本的に農作物の収穫量が少なく、レパートリーが限られた。 理由2、イギリス貴族のポリシーとして、「食い物の美味い不味いを口にだすことがはばかられた」 理由3、隣国が欧州の文化の華のフランスだったので、食文化を料理人ごと輸入できたので、自国の食文化を発展させる必要がなかった。 pic.twitter.com/E6LP5Hojo9

2018-04-26 17:53:47
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理由4、だがそのフランスとナポレオンをきっかけに関係が悪くなったため、根付いていたフランス文化の排斥運動が起こった。 理由5、産業革命が革命すぎて、都市に人口が一極化、地方の食文化も廃れた。 などが上げられるようですな。 pic.twitter.com/AlOKUhx7ih

2018-04-26 17:56:16
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だがここで、「日本人」の視点から見ると、さらに理由が付け加えられます。私の祖父は技術者で、戦後GHQに制限されていた技術開発が、ワシントン講和条約締結で開放された後、まだ海外旅行が自由にできなかった中、欧州に技術研修に行っていたんですね。無論イギリスにも行っていました。 pic.twitter.com/MrjfCvfyhb

2018-04-26 17:58:28
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で、その祖父に、「イギリス料理ってやっぱまずかった?」と聞いた所、祖父はとてもとても悲しげな顔で、言葉を選び「まぁ、国によってな、いろいろ事情があるのだろう」と、それだけしか言いませんでした。 pic.twitter.com/FW2c9WeXHK

2018-04-26 17:59:38
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私の祖父は、二代前までは由緒正しきお百姓、そして昔の男性なので、「男子厨房に入らず」な人だったのですが、基本すごく真面目なので、「自分が料理作れないのに、作ってくれたものにケチをつけるなどやってはならない。感謝して全部いただきなさい」という人だったのですよ。 pic.twitter.com/ycDWnNEzui

2018-04-26 18:01:44
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なにより戦中前後の食糧難を経験した人です。「お腹に溜まれば、どんなものでもごちそうだ」という人なんです。その祖父でさえ、言葉を選ばざるをえなかったと・・・ちなみに同行した祖母にも聞いたら、「不味かったなー」と即答。 pic.twitter.com/Ojk0NtLzYv

2018-04-26 18:06:02
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ただ、一概にこれで判断はできません。物事は多角的に見なければならない。1950年代、この頃のイギリスは、戦勝国でありながら、戦費のかさみ、植民地の放棄などもあり、「英国病」と称される大不況の真っ最中。 pic.twitter.com/e3YPMLF3Ba

2018-04-26 18:11:57
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さらに輸入に頼っていたため、深刻な食糧難でした。実は1954年まで、イギリスも配給制でした。肉や卵、野菜や魚、新鮮な食材はほとんど手に入らず、代用食中心。モンティ・パイソンの「スパムの多い料理店」ネタはこういう背景から生まれたんですね。缶詰肉スパムは、代用食の象徴的存在でした。 pic.twitter.com/URXGjES7KL

2018-04-26 18:14:59
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食品の品質は、材料不足などのやむなき理由でも一度下がると、問題が解決しても、元の品質に戻るまでにはかなり時間を要します。日本では戦中のコメ不足を理由に生まれた、アルコールを添付して三倍に薄める「三倍酒」がなくなったのは、戦後から60年たった、2006年のことです。 pic.twitter.com/5dYjUSKXmo

2018-04-26 18:19:34
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さらにここで、「日本人の視点」も考察しましょう。私の祖母の話しに戻りますが、「どんなふうに不味かった?」と聞くと、「出汁が効いてない感じで、不味いと言うより、味がない」という答えでした。出汁、そう、旨味成分です。 pic.twitter.com/pVL6zGb7f8

2018-04-26 18:23:52
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旨味成分と言うと、甘い辛いしょっぱい苦いの次の「第五の味覚」ですが、日本人はこれをグルタミン酸で感じます。昆布だしや醤油などに含まれている植物性のアミノ酸ですね。これを化学的に抽出したのが、化学調味料・・・味の素です。 pic.twitter.com/8IBqEXPWlL

2018-04-26 18:26:09
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ですがヨーロッパ人などは、主にイノシン酸で旨味を感じます。魚や肉などに含まれている動物性のアミノ酸です。一応日本人も、かつおだしなどを愛好するように、その受容体はあるのですが、やはりどうしてもグルタミン酸が勝ちます。ちなみにイノシン酸の化学調味料もあります。イの一番! pic.twitter.com/9uvGWN77FV

2018-04-26 18:27:59
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日本人は、文化的にこのグルタミン酸中毒とも言える体質でして、戦前から海外に留学したり、駐留した大使館の外交官たちも、これに苦しめられ、いかにして醤油や漬物、味噌を持ち込むかは、大きな難題だったそうです。一昔前までは海外旅行時に梅干しを持っていくのは基本でした。 pic.twitter.com/dSyC2MQAiD

2018-04-26 18:37:25
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なので、法改正が行われ、ハイジャックやテロを防止するため、「機内への液体、半液体持ち込み禁止」の具体例として、「味噌」「醤油」「漬物」などがわざわざ、例としてのっているくらいです、 pic.twitter.com/8By5OP3NXB

2018-04-26 18:38:28
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現在の日本人ならともかく、戦後すぐの和食体質な日本人。しかもイギリスは、同じ西洋文化圏の中でも、「ビーフイーター」と言われ、ジンの銘柄になるほどの肉食文化です。味覚の根本の段階で、「合わなかった」んですね。更に言えばの、先述の品質の悪化時期ですから。 pic.twitter.com/LLTiAAxkGo

2018-04-26 18:43:55
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SOW@ @sow_LIBRA11

なので近年、「イギリス料理そんなまずくねーよ」論も、正しいのです。イギリスが経済的に立ち直り、かつ周辺諸国と安定した外交をしているため、食材の品質が上がり、海外の料理人や食文化がまた流入してきた。そのうえで、日本人自身の味覚も西洋化した、各種の条件が変わったのです。多分・・・ pic.twitter.com/aU21yfpaGz

2018-04-26 18:49:18
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ちなみに、「旨味」を感じるアミノ酸は、グルタミン酸イノシン酸の他に、グアニル酸などもありますね。こちらはきのこ類・・・干ししいたけなどに多く含まれています。さらにもう一つ・・・ pic.twitter.com/mcyz8islLq

2018-04-26 18:50:33
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コハク酸というのもあります。こちらはアサリなどの貝類に含まれているそうです。単体でもちいるのではなく、イノシン酸・グルタミン酸などと合わせて配合され、旨味成分同士の調整役になっているでそうですね。「アサリの味噌汁」の美味しさの理由はこの琥珀さん・・・もといコハク酸のおかげです。 pic.twitter.com/ZfKygEPn98

2018-04-26 18:52:36
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