第三回 南北首脳会談（2018/04/27-板門店）に於いて出された共同声明『板門店宣言』について国際関係学者の解説

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金正恩と文在寅の密談は終わったらしい。しかしこの構図、自分（ムンジェイン）はカメラに背を向けていて、口元が見えないのに、金正恩はカメラに口元が映る構図。後で読唇術できる構図で、少し工夫した構図だと思われる。 pic.twitter.com/3YnTpNanua

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Akiyoshi Komaki 駒木明義 @akomaki

常に北と南のメディアの人同士が小競り合いしているのが面白い。 pic.twitter.com/NlYtCgpc8Z

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「核のない朝鮮半島実現が南北の共同目標」南北首脳共同宣言（www3.nhk.or.jp/news/html/2018…）…これだけでも幾つかわかる。 ①「北朝鮮の非核化」に言及していない。 ②代わりに「核のない朝鮮半島実現」と言う。在韓米軍を査察させろとか遅延・妨害工作意図あり。 ③期限・詳細手順など一切言及なし。

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北朝鮮の意図は「非核化云々を言うなら南も武装解除せよ」というもので、最終的な狙いが在韓米軍撤退なのは明らか。北は表向きは「非核化」に同意するが、「核のない朝鮮半島実現」のために在韓米軍への査察要求をし、それがうまくいかないと「米国の敵視政策が続いている」と核開発に戻るつもりか。

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北にとってはそれで充分に核開発の時間稼ぎにもなり、制裁緩和のための国際社会の分断にもなる。のみならず在韓米軍の存在、米韓同盟の意義を巡って韓国内に分断を生み出すこともできる。分断された国際社会・韓国社会は、たとえ北が核開発路線に戻っても効果的に対抗できない。北はもう勝利している。

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南北「板門店宣言」の全文を確認。重要な記述のみ。まず非核化に関しては「南北は、完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するという共通目標を確認した」という記述がある。逆に言えばそれだけだ。割に長文な宣言の中で、最も重要な焦点となる部分の記述がごく限定的なことは印象的である

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キーワードは「核のない朝鮮半島を実現」である。北朝鮮の非核化とは言ってない。在韓米軍の査察をさせろという北の意思である。在韓米軍の査察を巡る問題で韓国側を揺さぶり、米韓の溝を広げる意図があるのは明らかだ。また、米国がこれに渋ればそれを理由に対決路線に復帰する伏線づくりでもあろう。

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また「南北は、地上と海上、空中をはじめとする全ての領域で軍事的緊張と衝突のもととなる相手方に対する一切の敵対行為を全面停止することにした」と言う。これは金正恩が既に述べていることだが、宣言でも確認した。だがこれは北が何か譲歩したという話ではない。単に口約束で「やらない」だけだ。

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これに韓国の側は「5月1日から軍事境界線一帯で拡声器放送とビラ散布をはじめとする全ての敵対行為を停止し、その手段を撤廃」すると答えているが、こちらは既にやっていることを停止するという意味で、北朝鮮に対する実質的譲歩である。文在寅は金正恩より大きな譲歩を厭わないようである。

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それ以外に注目されるのは「南北は停戦協定締結65周年になる今年に終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換」するという記述だ。朝鮮戦争休戦協定の当事者でもない韓国がこんなことを一方的に言うのは本来おかしい。国連軍・中国・北朝鮮の三者が締結者なのだから、戦争終結はこの三者の合意が必要だ。

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これは、自身ができないことを無理やり書き込む文在寅政権の対北宥和の前のめりぶりを示している。南北が勝手に終戦宣言をすると言っても、国際法上の戦争継続状態とは何の関係もない話だ。また、その他の話題で注目されるのは、「文在寅大統領は、今年の秋に平壌を訪問することにした」である。

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総じて言うと今回の宣言は内容に乏しい。肝心の核問題で北に積極的姿勢が見られず、期日や手順も書かれなかった。「核のない朝鮮半島の実現」なる文言で、米韓分断の意図すら目立つ。失望すべき内容だ。同時に、宣言には拉致問題のことが少しも書き込まれなかった。文在寅が金正恩に伝えたも疑問だ。

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派手な政治ショーで国際的な耳目は集めたが、これでは前に進んでいないも同義だ。なにしろ金正恩は習近平には言ったとされる「段階的で同時並行的な措置」なる言葉すら宣言に盛り込もうとしなかったからである。北自身の非核化についてまともな言及があるように見えなかったことは失望の種であろう。

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[全訳] 「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言 」【2018南北首脳会談】 thekoreanpolitics.com/archives/993#Q…

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南北夕食会、メインは平壌冷麺…文大統領が希望（yomiuri.co.jp/world/20180425…）…南北は通常の関係とは異なるので、食事に関しても本当は繊細であるべきだ。金正恩は南のものは食べられない。毒殺や健康被害の恐れがある。だから平壌冷麺を持ってきた。だが文在寅が平気で食べているのはどうしたことか。

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うろ覚えだが、確か2002年の小泉訪朝でも、関係者は北の出すものには一切手を付けなかったと思う。健康被害の恐れがなくても、交渉するのに判断力の鈍る薬物でも仕込まれたら大変だからだ。今回、文在寅は韓国側の料理を持参すべきだった。それをしないところに驚くべき親北ぶりがあると思う。

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首脳会談はキツネとタヌキの化かしあいであり、裏面に必ずインテリジェンスの要素がある。今回の韓国側も文在寅が止めていない限り、金正恩の身長・体重・顔色などあらゆる情報を押さえているはずだ。持病、体調など分析するためである。だから金正恩もトイレを持参して証拠を極力残さぬようにする。

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韓国側は北の随行員も全て監視・盗聴しているはずである。他国が北朝鮮に行けば普通に行われることなので、北朝鮮がこちらに来ても行われる。北もそれがわかっているから極力警戒して無駄口は叩かぬようにしているだろう。首領の晴れ舞台を失敗させられないので、口をきくどころでないかもしれないが。

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小泉訪朝時に飲食に気を遣ったことが書いてあるね（asyura2.com/0403/war55/msg…）。「今回の再訪問で、小泉一行の食事、飲料水をすべて日本から持って行った」。通信に関しても盗聴を恐れ、通信暗号機を持っていったが、結局それすら使わず、メモ連絡で済ませたという。これくらい本来はやるべき。

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安倍首相も確か訪朝時に内閣官房副長官として随行し、北が盗聴していることを承知で、北が拉致被害者について何も言わないなら席を蹴って帰るべきだと小泉首相に強硬論を進言したところ、金正日が軟化して拉致被害者の存在を認めた云々のエピソードを語っていたと思う。盗聴は大前提の話である。