【お玉さんの緊急読書企画】『本格力を高めよう』
緊急読書企画『本格力を高めたい』 衝動的な突発企画であるが、今現在の私にとっては深刻すぎる急務事項であるので、「やらねばなるまいて!」なのである。 ここ数年、「本格って何? 本格ってジャンル全然わからないぞぉ (´Д` )」と感じるケースが結構な頻度であったわけなのよね。むむむ
2018-04-28 02:30:04「アニメソング」というジャンル並に、多種多様のスタイルの作品が玉石混交で並ぶ「本格ミステリ」 各作家さんたちの「オレだけの本格」をグヘへとお気楽ゴクラクで楽しんでいるわけなんやけど、常々思ってるんだよね。 「欲しい! チカラが欲しい! 本格をもっと楽しく読むための本格力が欲しい」と
2018-04-28 02:30:44それとは別個で、ここ数年、自分が生まれる前のミステリ作品、→いわゆる古典作品を読むのがすこぶる楽しくなってるのよね。 近年の作品もモチロン趣きがあるわけだが、「この作品を書いた作家さんがこれからどの方向へ進んで行くのだろうか?」という不安と危惧を払拭して読めるので、古典に傾倒
2018-04-28 02:31:51というわけで、喜国雅彦&国樹由香の『本格力』なのである。 昨年の本格ミステリ大賞 評論・研究部門を受賞した、控えめに言ってスーパー大傑作な本格ミステリガイド本。 友だちなんていないのに、布教用を思わず買い足してしまったそのくらい「おもしろくて、ためになる」高密度超濃度な一冊なのだ。 pic.twitter.com/S5VEs229yT
2018-04-28 02:32:28保存用はもちろんサイン入りでございます よ〜 ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ いつでも手に取れるよう、ちょっとした合間でも読めるよう、本棚探偵シリーズとこの『本格力』は枕元に並べているんだよね。喜国さん大好き人間としては昨年の本ミストークショーは嬉しさしかなかったんよなぁ。 pic.twitter.com/fMnCHsJJ3T
2018-04-28 02:32:57本格力を高めたい! 古典作品を楽しみたい! その要望に応えてくれるのが、このミステリ大好き人間必読のガイド本『本格力』だったりする。 でもって、この素晴らしいガイド本で紹介されている数々のミステリを読んでいこうというのが「本格力を高めよう」だ。
2018-04-28 02:33:49だがしかし、ワイも「俺だけの本格」を突き進んでいく決心を決めた一人のミステリ戦士(?) 喜国さんの作品評価を肯定しつつも、自分なりの「好き」を主張していきたいと思ってるわけなんですよ♫
2018-04-28 02:34:09と言ってはみたものの、この「本格力を高めよう」もダラダラ読み企画の一つなので、感想はチラシの裏のメモ書き程度だったりします。そして、他のダラダラ企画同様に不定期開催だったりしますので、おそらく第二回は、、、8月か、9月くらいになるんじゃないかな (´Д` ) なるたけ、続けていきたいなぁ
2018-04-28 02:35:06そんなこんなで「本格力を高めよう」第一回 『本格力』のH-1グランプリ、その第一試合で取り上げられていたのは「乱歩が選んだ名作たち」 あの有名な江戸川乱歩のベスト10で選ばれていた作品のうちの五作品が対象となっていました。(残りの五作も後々キチンと『本格力』で取り上げられてますね)
2018-04-28 02:36:00というわけで、第一回。紹介順は刊行順で ⚪︎ガストン・ルルー『黄色い部屋の謎』(1907) ⚪︎E・C・ベントリー『トレント最後の事件』(1913) ⚪︎A・A・ミルン『赤い館の秘密』(1921) ⚪︎イーデン・フィルポッツ『赤毛のレドメイン家』(1922) ⚪︎アガサ・クリスティ『アクロイド殺害事件』(1926)
2018-04-28 02:36:52『本格力』では(メフィスト連載当時)近々で刊行された新訳本だった集英社文庫、そちらをテキストとして使用していましたが、ワイは「創元推理文庫が大好き人間」なので、五作品全て創元推理文庫で読んじゃいました♫ (ミネラルウォーターよりも鉱石水のほうがピンとくるのはワイだけなのだろうか??)
2018-04-28 02:37:27評価はエア本格(再開望む!)で使用されていた ◎=積極的肯定 ○=肯定 △=消極的肯定 無印=否定/評価不定 ×=積極的否定 を用います。 超オススメ ( ´ ▽ ` )ノ から、これはアレだよなぁ (´Д` ) まで。あくまで私個人の主観評価でございますよ。(喜国さんの評価は手元の『本格力』で確認しよう)
2018-04-28 02:37:56「黄色い部屋」は、あの最初の密室はホンマによく出来ているなぁ、という印象。事件に出て来る幾つかの奇怪な現象、それらが過不足なくピタリと収まる様は、作者からの煽りはキツいが、とても綺麗だ。特に、サラリと消化される門番夫婦の服のエピソードが、終盤、決め手として再浮上するのは鳥肌モノ
2018-04-28 02:39:31けど、あの超絶有名な廊下での消失トリックは、そこに至るまでがクソ長過ぎてタレダレだったりするし、、、続く不可能殺人が全然不可能じゃないガッカリネタだったりするのは、相当に萎える。 終盤の探偵ルールタビーユとライバルポジションのラスタンとの法廷対決はカッコいいんだけど……ね
2018-04-28 02:40:32あと『本格力』でも指摘があったとおり、ルールタビーユが突っ込みどころ満載 (´Д` ) ペテン師まがいのアポイントだったり、かってに泊まりの取材にしたり、廊下の消失は見事に騙されすぎたり、現場放棄でアメリカ行ったり、、、それなのに、一般大衆はルールタビーユ大フィーバー! ……むむむ
2018-04-28 02:40:47『黄色い部屋の謎』の文章は一見重厚で読みづらいのだが、その実、高校生の背伸び感を感じさせてくれるくらい中身が薄かったりするのですさまじく読みづらい。 あの密室ではその重鈍さと異常レベルの煽りが、逆に上手い具合に作用してるんだけど、他の部分では完全にその重厚風仕様、足引っ張ってね?
2018-04-28 02:42:04とにかく「バランスが悪いよなぁ」の一言なんだよね『黄色い部屋の謎』 密室はスゲエのでままでいいが、廊下での消失トリックはルールタビーユではなくサンクレールのほうを配置したほうがエエと思うし、緑服の男の殺人(犯人バレバレ)なんかはオールカットしたほうがまとまりがよいのではないかしら?
2018-04-28 02:42:52と○をつけたけど、『トレント最後の事件』に関しては本格探偵小説という認識で純粋に挑むと、かなり肩透かしをくらっちゃう作品だと思うんだよね。事件の展開が地味だし、探偵がへちょいし、最後の犯人の指摘も「……えっ、これ、ありなの??」といった戸惑いを感じずにはいられない仕上がりだしね
2018-04-28 02:43:43幸いにも創元文庫新版の「トレント」には杉江松恋氏の名解説 ー 僕たちミステリ好きが古典ミステリを読むことの意義にまで踏み込んでくれてる名解説 ー が付随されているため、ガイドラインという灯りのない真っ暗闇の中で彷徨うこともないはずなんだ。 ……それでもね、退屈な部分はあるんだよね沢山
2018-04-28 02:44:04『トレント最後の事件』のミステリ史上における評価をザックリしたカタチでまとめると「恋に苦悶したりする人間味のある探偵を生み出したこと」 ミステリが、浮世離れした奇妙奇天烈な名探偵の活躍譚から、少しだけ賢くいろいろ悩む普通の人の物語、へシフトチェンジさせた作品ってのが一般的認識だね
2018-04-28 02:45:14