せんしゃPによるトーキョーナイトメアっぽいシナリオの作り方講座 #TRPG

男の子は蝸牛と子犬の尻尾でできている 女の子は砂糖とスパイスでできている シナリオは情報項目と付随イベントでできている
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せんしゃP @sensha_P

なんか最近トーキョーナイトメア(以後TNM)のシナリオ作成について悩んでる人の話をよく見るので、自分なりにどこを留意したら「それっぽい」シナリオになるかをつらつら書いてみたいと思います。なお前提として、自作を考える人はTNM2の「ルーラーガイド」の熟読をオススメします。あれは全ての基本

2018-05-01 07:57:01
せんしゃP @sensha_P

まず最初にシナリオを「情報項目」と「付随イベント」の集合体と考えること。各キャストのOPで起こった事件や依頼に【キーワード】をつけ、それを調べると新しい【キーワード】か事件に関係する「アドレス」が……を連鎖させ、特定の情報を得たりアドレスへ向かうと起きる「付随イベント」と混ぜる

2018-05-01 07:57:24
せんしゃP @sensha_P

具体例。【容疑者A】を調べると【容疑者Aの副業】が出てくる。【容疑者Aの副業】を調べると【ネットで麻薬密売】が出てくる……みたいに、事件の核心に近付く過程をキーワードで細分化するわけです。すげえ重要情報でも割とあっさり判定だけでわかって構いません、というかむしろわからんと駄目

2018-05-01 07:57:45
せんしゃP @sensha_P

慣れないと「重要な部分は推理させないと」とか思ったりするけど、考え込んで進行が停滞するほうが怖いんで項目の難易度を活用。「これは重要機密なので難易度21です!」とかやって、PLにAや切り札を切るか、情報収集得意なキャストに報酬点を集めてがばがば突っ込んでもらうかを考えさせるほうが有効

2018-05-01 07:58:09
せんしゃP @sensha_P

そうは言っても項目開けるだけじゃ単調だろ兄弟、て時に使えるのがキーワードの代わりに人物・場所・物などの所在を示すアドレスを渡して、アドレスに接触するのを促すこと。関係者に会って聞き込み、怪しい雑居ビルに向かったらチンピラと戦闘、証拠品を再検証して<知覚>判定などいくらでも応用がきく

2018-05-01 07:58:40
せんしゃP @sensha_P

特に「アドレスを辿って誰かに会う」「アドレスの場所へ向かう」は公式シナリオでも頻出するイベント。あとアドレスは「事前にさりげなく渡して」おいてもいい。探偵が調査した結果依頼人が変な隠し事をしていることがわかった、最初にもらったアドレスに向かい真意を問いただす……みたいな展開も可能

2018-05-01 07:59:05
せんしゃP @sensha_P

能動的に動いていくだけではなく、何かをトリガーにして受動的に向こうから展開がやってくるイベントでももちろんいい。怪しい企業を調べたら黒服の男たちが「手を引け」と脅してくるとか。合わせ技で「重要参考人に会いに行ったらすでに殺されていた、生前に隠した手がかりを発見せねば」とかも面白い

2018-05-01 07:59:32
せんしゃP @sensha_P

全情報項目とアドレスを洗い終え、付随イベントも消化しているなら事件の全貌は明らかで後は首謀者をしばくだけ、みたいのがシナリオ進行の一応の理想。この上で1項目から複数キーワードが出て消化する順番を決めたり、苦手な<社会>の情報を他のキャストに調べてもらったりしてると一本道感はまずない

2018-05-01 08:00:09
せんしゃP @sensha_P

逆に言うとキーワードもアドレスも得られず終わる情報は最小限に。「極悪太郎は大規模テロの準備を終え廃倉庫で実行を待つばかりだ」くらい核心の情報じゃないとブツ切りにする意味がない。「極悪太郎は指名手配中のテロリストだ」だけで止まる情報は、関係はあるかもしれんけどだから? になっちゃう

2018-05-01 08:00:40
せんしゃP @sensha_P

あと個人的に、TNMっぽいシナリオの根底を支えるのは何より神業。TNMはゲスト(重要NPC)もキャストと同じルールで作成する関係上、基本的に敵もキャストと同じ3つの神業を持つという構造になる。そして敵の持つ神業は、何も戦闘だけじゃなくてシナリオを進行させるためのギミックにも使える

2018-05-01 08:01:47
せんしゃP @sensha_P

レッガーのボスが《不可触》で自分の殺人を無実の相手に押し付け。敵のニューロが《電脳神》で過去の取引の記録を抹消。事件の影に見え隠れする正体不明の男は《完全偽装》で変装したクグツの女スパイだった。神業は強力かつアバウトな効果のものが結構あるので、発想次第でギミックの多くを委託できる

2018-05-01 08:02:09
せんしゃP @sensha_P

普通TRPGのシナリオは、何かしらPCに不都合な障害がありそれに対抗するという構造で作られる。神業はその障害を「シナリオの都合で」だけじゃなく「神業の効果だ」とすることで「神業なら仕方ない」というルール的説得力と「神業なら神業で覆せる」という示唆を同時に与えられるクッソ便利な存在なのだ

2018-05-01 08:03:04
せんしゃP @sensha_P

慣れたPLならゲスい打算として「神業使ってくれるなら、ボスの戦力が減るからいいや」て考えもできる。神業で自分らの邪魔をするゲストなら普通敵だろ、と判断できるし、前述の通り「敵ゲストでも通常神業は1人3発しか持たない」ので、敵ゲストが戦闘以外で神業を使うってのは実は有難いことなのよ

2018-05-01 08:03:44
せんしゃP @sensha_P

また神業は基本的に所持スタイルに準拠するので、適宜ゲストのペルソナを開示したり情報項目でスタイル構成を暴けるようにしておくことで、アクトに敵の手の内を推理していく醍醐味を加えられる。「極悪太郎はテロで手配中のカゲで、元○○社のタタラだ」で終わる情報だと急に重要になるんですよ奥さん

2018-05-01 08:04:13
せんしゃP @sensha_P

敵ゲストが途中で神業使うとボス戦で弱いなら、共犯者のゲストを増やそう。逆に敵の神業が多すぎてヤバイなら「キャストに情報を暴かれた無能な手下を《とどめの一撃》で射殺」みたいに、ルーラーシーンのイベントでしれっと消費してしまうという手もある。こうすりゃ事前に減ってるのと変わらんからね

2018-05-01 08:04:37
せんしゃP @sensha_P

すげえ長くなってしまったけど「キーワード」「アドレス」「イベント」「ゲストの神業」をうまく配分すると「らしい」シナリオになるはず。とにかく最初は公式シナリオをやって感覚を身につけ、順次アレンジしながら自分らしいシナリオ構築を模索していくとよいかと。それでは皆様、素晴らしい悪夢を!

2018-05-01 08:05:07