リドルストーリーツイノベ Vol.3

綺想編纂館（朧） @Fictionarys

店に入るなり店員の自分を手招いた人物は、人を捜しているらしい。誰のことかはすぐにわかった。この店の一番奥の席にいるあの人物のことだろう。特徴と差し出された写真を見て、予感が確信に変わる。「見覚えはあるか」と訊ねる声。答えるべきは本当か嘘か。一瞬の迷いの後に口を開く。 #twnovel

綺想編纂館（朧） @Fictionarys

「･･･あぁ、その人なら奥の席に」私の一言であっけなく彼は捕まった。でも本当は同じ特徴・同じ顔の人物を私はもう一人知っている。おそらく彼が真犯人じゃないことを知りながら、私は双子の彼らに騙されたふりをする。連行されて扉に向かう彼が一瞬だけ私を見て、目だけで笑った。 #twriddle

MayER@雑多 @MayER4032

「……その前に、どちら様でしょう？」。尋ね返すと、訪問者の表情が険しくなる。「その御客様、ストーカー被害に悩まされてらっしゃるんですよね。雇主はどちら様？　あなたで十人目なんですけど」。同僚が店を閉め、客達がゆらりと立ち上がり、訪問者を取り囲む。「さ、吐いてください」。 #twriddle

春木のん🪄ふしぎなアンソロ @Haruki_Non

「ありま、す。でも刑事さん！」スーツを着た細目の中年男性に、ここの主人がいかに見た目が怖くて誤解されやすくとも、実は愛妻家の子煩悩なのかを説明していると。「おい……」と後ろから低い声が。「出てきちゃダメ！ 刑事さん、この人が犯人じゃ」「やあ、兄さん」「弟さん？！」 #twriddle

なさわご @nasawago

@Fictionarys 「……そのお客様なら、あちらに」「失礼する」その人物は一直線に奥へと向かった。展開する脚本。段々と騒がしくなっていく。自分に出来ることはここまでだ。店員の業務に戻る。『はいカットォ！』『チェック入ります』#twriddle「映画見たよ！すごく重要な役じゃん」「いやいや、しがない店員だよ」

リュカ @ryuka511

「その人なら」意識を店の奥から逸らす。「少し前に店を出ましたよ」「本当だな」無言で頷く背を冷や汗が伝う。出て行ったそいつを見送り、さりげなさを装って店の奥へ急ぐ。あの人が何者なのか知らないが、危険を伝えなくては。 #twriddle 「嘘はいけないな」目の前に銃口。「こいつも連れて行け」

いぐあな・創作アカ @sou_igu

「いや～参ったよ」家に帰ると彼がスライム姿でプルプル震えてる「閉店後のデートに人型とって待ってたら…」「アンタ、誰を参考に化けたのよ…」呆れた息を吐き、ご飯を作り始める。その後、連行中、突然消えたスパイを探して国の情報部が動いていると噂に聞いたが、アタシ達はしらない #twriddle twitter.com/Fictionarys/st…

せら@hs @hswelt

「一体何をしたんです？」「何人もの命を救った罪でね」相手は軽く眉をあげた。奥の席へ直行する。「皆、知らないと嘘をつく。自分が救われた訳でもないのに」結局別人だったらしい。よかった。自分も捕まりたくないが、他人の冤罪も寝覚めが悪い。#twriddle twitter.com/Fictionarys/st…

ドーナツ @donut_no_ana

#twriddle 「似てますね」奥の客を示した。「総員、かかれ！」男の合図で厨房と出入り口から警官がなだれ込む。「彼奴は大泥棒にして稀代の詐欺師、国際指名手配の悪党なのだ。ご協力感謝！」客を無理やり引っ立てた。指紋を照合すれば彼が偽物だとばれてしまう。自分は裏口から逃げ出した。 #twnovel

綺想編纂館（朧） @Fictionarys

しばらく考えたふりをして「見覚えはないなぁ」とのんびり返す。渋々と引き返す彼らを見送って、奥の席へと向かった。「花嫁が抜け出してどうするんです」呆れながら僕が呟けば彼女は不機嫌そうに口を尖らせる。着物からのぞく不安げに揺れる尻尾。狐の嫁入りの空は、突然のどしゃ降り。 #twriddle

レプリカ先生(セルヴォ:戦術派狙撃手)@ガンブレアプデ @seruvo

｢そのお客様は先程お帰りになりました｣ 努めて平静さを装う ｢──そうか、行き先について何か聞いていないか？｣ ｢……いえ、何も｣ ｢わかった、ご協力、感謝する｣ 男は一礼して立ち去って行った 内心冷や汗が収まらなかった どうも嘘を付いている事に勘づいているようだったからだ #twriddle twitter.com/Fictionarys/st…

ÝUUICHI SUZUKI @UEach

「あちらのお客様です」 と指し示す奥の席を客が覗き込む。件の客もこちらをじっと窺っている筈だ。 気配が消えたので振り向くと、今来た客の姿は忽然と消えていた。 またか。 奥の席から声が聞こえた。 「店員さん。今消えた『私』の分のコーヒーを、『私』に」 #twriddle twitter.com/Fictionarys/st…

麗慈(たぬき) @vis1213

｢この方の名前は？｣返ってきたのは、確かに私の知る名前だった。 ｢しかし、その名前はもう存在していないはずですが｣ちらりと奥の席を見遣る。｢……そうか｣同じ場所に視線を向けた訪問者は何かを悟ったように頷いた。｢これで報われるよ｣訪問者は寂しげな笑みを残して踵を返した。 #twriddle

楠樹 暖 @kusunokidan

男を予約席プレートが置かれた席に案内する。「誰も居ないじゃないか」やはりこの人には見えないらしい。「彼女を見たって言う人が居るんだ。この店で……。すまなかった」いつも下を向いて寂しそうだった女性が微笑みながら男の方を見ていた。男が店を出ると予約席プレートが消えていた。#twriddle twitter.com/Fictionarys/st…

まあぷる @nemu_tatibana

「さあ？」私はそう答えたけど鋭い目つきのその男達は、店内に目を走らせ、「いたぞ！」と怒鳴って一番奥の席へ走っていく。その瞬間、私は彼をテレポートした。残念ね。あんた達が探してる危険な超能力者は彼じゃない。さあ、目障りな奴らの始末を始めましょうか。 #twriddle twitter.com/Fictionarys/st…