MMDの文化とVRCに関する考察・説明のメモ
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MMDという文化圏
MMD向けの素材等々は基本的にあるいは"特別な記載が無い限りMMDでの使用に限定される"、という『前提』がある。ただそれを説明するにはMMDの成り立ちから説明する必要がある。簡潔に言えば「(別途記載がない限り)MMDのために公開しているものもの」で"MMD外での利用を考慮していないことも多い"。
2018-05-11 03:35:22>まずMMDは「ファン活動から生まれたソフト」である。正式名称は「MikuMikuDance」で大本は"初音ミクなどの様々なボーカロイドの楽曲に感動したある技術者が「3Dモデルを使って多くの人がPV製作をできるように」と作られ無償で公開されたソフト"であり、当初は「初音ミクのファン創作一種」だった。
2018-05-11 03:41:19>元々初音ミクがニコニコ動画を中心として爆発に広まった当時は「PVを作る」ことのハードルが微妙に高く、「楽曲投稿は静止画とあっても歌詞表示くらい」というパターンも多く「別の人が(時には勝手に)PVとして動画を付け加える」という"ファン創作の連鎖"がよくあり、その一種としてMMDが作られた。
2018-05-11 03:48:02>そうしてファン活動から生まれたMMDは「さらなるファン活動を呼び起こし、ファン活動の循環を起こした」。MMDの動画が作られ、感銘を受けた人が素材を作り、そしてまた動画が作られる。 さらにMMDがユーザー制作のモデルに対応するとボーカロイドに限らないものにまで広がり様々なものが作られた。
2018-05-11 03:57:51>そうしたファン活動の循環によってMMDの環境は拡大成長をしてきたわけである。だからMMDは単なる3Dソフトの一種ではなく、いわば一つの文化圏なのだ。だからそうして公開されたそれらはあくまでも、原則として「(別途記載が無ければ)MMDのために、MMDのためだけに公開されている素材」なのである。
2018-05-11 04:00:23>もっと言っておくとMMDの機能は「動画や静止画を作ること」に限定されており、MMDの用途は「個人のPC上で稼働させ、動画または静止画を出力する」というものである。利用者がデータを第三者へとみだりに移す必然性が無い。建前として「データを第三者へ渡さなくてもMMDで十全な利用ができる」わけ。
2018-05-11 04:03:00>「MMDのためだけに公開しているし"MMD関係以外での利用を制限しても、MMDでの利用に不便はほぼ一切無い"」ってこと。だから極端に表現してしまえばMMDは「3DCGを扱えるソフトの一種」ではなく【 他の3DCGとは隔たりのある"MMDというカテゴリ" 】であるわけ。この辺りを理解してないと、こじれる。
2018-05-11 04:06:23>ちょっと前にもある3DCG関係の人が「素材の利用がMMDだけに制限されるのは理解できない、ならもうMMDという環境に閉じこもってればいい」という強い皮肉を言ってしまった案件がある。つまり"3DCGが好きならMMDだけに制限する理由が無いはずなのに制限しているのはおかしい"と思っての発言だろうが…
2018-05-11 04:14:55>…そもそもMMDの素材は「"3DCGの環境が好きだからMMDで使える素材を公開している"のではなく」、実際は「MMDという環境、文化が好きだからMMD用の素材を公開している」わけ。【3DCGという大きなカテゴライズ、ソフトの一種としてMMDがある】と捉えてしまうのは、実際のところ"間違い"なのよ。
2018-05-11 04:18:42>他の3DCG界隈からすれば、MMDの界隈は「膨大な数のモデルやアクセサリに、舞台・世界モデル、さらに多彩なエフェクトが配布されてる」、けど"基本的にMMDというソフトでしか使えない・それ以外では使ってはいけない"というもの。それこそ短絡的に考えれば【不当に独占している】とさえ思えるわけ。
2018-05-11 04:22:36>しかし実際のMMDは「MMD向けに公開された素材は(特別な記載が無い限り)動画製作・静止画製作のためだけに用いることを約束して公開している」もので、つまり"いたずらに広い範囲、広い用途で使われないという約束があるからこそ公開している・公開できる"という状態なわけ。 「約束があるからこそ」
2018-05-11 04:30:21>…だけど結局MMDのことを良く知らない人は、先に上げた人のように「誤解」する。それこそ「3DCG界隈のために公開されているのなら使っていいものではないか」と拡大解釈してしまう。「MMDは3DCGソフトの一種だ」と認識してしまうのは、間違いではないかもしれないが致命的な齟齬が生まれてしまう。
2018-05-11 04:36:25>ただまあ"そのこと"について分かりやすくまとめてる所が無いって事情もある。新しく入ってきた、MMDを新たに知った人からすればその微妙なニュアンスは中々つかみにくい。 だから事情をよく知らないと(分かりやすい典型例なので何度も上げるけど)先に上げた人のような解釈をしてしまうわけだ。
2018-05-11 04:40:30>でもややこしいことは無い。「MMDにあるものはMMDで扱うモノ」という大原則と素材ごとの規約を守るなら概ね自由に扱うことができる。"MMDの中で遊ぶ限り"資格も何もいらない。【MMDの中のものをMMDの外に持ち出すことは(特別な記載・別途許可が無い限り)原則としてやってはいけない】ってだけ。
2018-05-11 04:47:27…と考えるべきだ。
これは「論理(ろんり)の話」ではなくて「倫理(りんり)の話」。(詳しくは最後尾へ追記しました)
色々と言い切ってしまってるのはどうかと思う面もあるけど、MMDにはこんな感じの意識・これに近しい認識があるようなので「こう考えておく方がこじれにくい」とは言える。
VRCとMMDの違い
VRCの問題で「MMDerと~」って話され方がするけど、そもそも「MMDer」の中身はものすごく多彩で 「モデル作れる人」「エフェクト作れる人」「アクセ作れる人」「ステージ作れる人」だけでなく「モーション作れる人」「カメラ作れる人」「素材を使って動画作れる人」まで含めて"MMDer"って呼べる。
2018-05-11 19:39:32>「MMDerがVRCに来るかどうか」ってのも、そもそもVRCへの参入のハードルが低いのはMMDerの中でも「モデル作れる人」だけじゃない。それ以外だとモデルの準備ができないから言ってしまえば"向こう側の世界"。繰り返すけどMMDの素材は「原則MMDのために配布されてる」から外部への持ち出しは原則禁止。
2018-05-11 19:45:14初期アバターもあるしアバター公開してらっしゃる人もいるよ
>で。「VRCに参入するかどうか」は各々の判断に委ねられてるわけだけど、そもそも「MMDに求めるもの」と「VRCに求めるもの」は実のところ全く別のもの、別々のカテゴリなんですよ。「MMDやってるならVRCもどう?」ってのは、「サッカーやってるなら野球どう?」って聞くようなもの。
2018-05-11 19:49:22>だから「MMDを楽しめるならVRCも楽しめるはず!」っていう考え方は妄言なんだよ。そもそもMMDは基本「作品制作や作品を楽しむジャンル」で、VRCは多分「おしゃれして交流を楽しむジャンル」かな? そう見える。んで結局"VRCやるのはそのVRCに興味を持った人"だけであって、"誰もが"じゃないわけ。
2018-05-11 19:54:43MMDの素材を配布する動機とは
MMDについては「MMDが発展したのは"MMDで楽しむために"、"MMDを応援するために"様々な人が様々な素材を"MMDのために"配布していただいて、そこからさらに作品が作られ人をひきつけ、さらに色んな人が集まっているから」という【MMDによって循環しているファン活動の文化圏】って事を知っておくべき。
2018-05-11 20:17:11>そして「MMDを良く知らない人からすれば「3DCGの一種」にしか見えないし、公開されてる素材も「3DCG素材の一種」にしか見えない」というのが問題を起こしてる。PMXは「MMD専用のモデルデータ形式」なんだけど、その事情を理解していないとMMD外への利用に疑問を持たず問題が起きる。
2018-05-11 20:17:22