「経済学的な家族ツイート」まとめ その56

息子たちのサッカー部を倒すため、スポーツ少年はチーム作りに着手し始めた。一方、息子たちはサッカー部を後方支援するために、相手チームの偵察に乗り出す。互いの思惑が水面下で交錯する、シリーズ第56弾公開!
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本の虫(本体) @honnomusi

【番外編】経済学的な雑談1:カフェで勉強をする息子と悪友 悪友「いやー、教科書読んでもつまんねえよ。遊びに行きてぇなぁ」 息子「そんなこと言ってたら将来苦労するぞ」 悪友「どういうことだ?」 息子「生徒会の仕事やってるとさ、世の中には無味乾燥な文章がいかに多いか思い知らされるんだ」

2018-05-04 13:28:09
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【番外編】経済学的な雑談2:息子「こないだ校舎建て替えの件で揉めた時も、彼らの攻撃を防ぐために校則を必死になって読み込んだよ。もちろん、退屈だし面白みのない文章だけどさ。そこを堪えて読み進めることで制度が深く理解できたんだ。校則に分かりやすい参考書なんてないからさ」

2018-05-04 13:32:03
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【番外編】経済学的な雑談3:息子「文化祭で協力者を募る時に、生徒会のみんなで分担して生徒の個別の事情を聞き込みして一つのエクセルにまとめたりもしたけど、報告書も人によって書き方にクセがあるから、読みづらいものもたくさんあった。そういうのを一つ一つ紐解いていかないといけないんだ」

2018-05-04 13:34:51
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【番外編】経済学的な雑談4:息子「そういう"とっつき辛いもの"と格闘して何かを得ていく力というのが一番重要なんだよ。ケインズの一般理論やマルクスの資本論を読むのは、その予行演習とも言える。今は便利な学習参考書とかガイド本があるから、そういう力を養う機会は減ってるかもしれないけどね」

2018-05-04 13:37:54
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【番外編】経済学的な雑談5:息子「・・・って、酔っ払いの説教みたいになっちゃったな」 悪友「本当だぜ。犬も喰わねぇよ」 互いに声を上げて笑う ふとこぼれるドロッとした想いも、軽く受け止めて笑いに変えられる距離感 平凡だけど心地よくて、ずっと浸っていたくなる、休日の昼下がりだった。

2018-05-04 13:53:12
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スポーツ科学的な少年の招集1:熱気に満ちた体育館。練習試合で一進一退の攻防を繰り広げながら互いに声を掛け合うバスケ部員 スポーツ少年と生徒会長は上からその様子を見ている 生徒会長(彼の非凡さは、その観察眼にある。対象の筋繊維の一本一本まで、感じ取ることができる)

2018-05-05 15:43:10
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スポーツ科学的な少年の招集2:スポーツ少年(筋肉には大きく分けて二種類ある。瞬発力に優れた速筋と、持久力に優れた遅筋だ。このつき方によって、プレイヤーのスタイルや向き不向きは分かる。強豪とまではいえないうちのサッカー部に、足りないパーツを探さなくてはいけない。)

2018-05-05 17:15:41
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スポーツ科学的な少年の招集3:生徒会長(プレイヤーとしての能力だけならば彼より優れた人間はいるかもしれない。しかし、栄養学・生理学などの深い知見を有し、練習メニューから食生活の管理、チーム作りまで全てを高い水準でこなせる人間は日本広しといえどもなかなか見つからない。)

2018-05-05 17:18:17
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スポーツ科学的な少年の招集4:生徒会長(彼はその能力により、行く先々のスポーツチームで不敗神話を作り出している。彼を突き動かしているのは人間の肉体に対する惜しみない愛情。向こうの学校と対戦するまでには完成度の高いチーム作りを終えているでしょう) スポーツ少年「・・・ん?」

2018-05-05 17:22:06
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スポーツ科学的な少年の招集5:スポーツ少年(ベンチで応援しているメンバー、さっきから左肩をかばいながら応援をしている。痛めてるのかな?) 後日、バスケ部の練習後 顧問「バカ野郎!何度言ったら分かるんだ!そこはパスじゃなくてシュートだろう!」 部員の顔に向けて思いっきりボールが飛ぶ

2018-05-05 17:27:03
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スポーツ科学的な少年の招集6:顧問「罰として外周をあと5周!それと、後片付けもしておけ!」 スポーツ少年「・・・そりゃあ流石にないんじゃないですか?」 振り返ると体育館の入り口に法学少年とスポーツ少年が立っていた 顧問「なんだお前ら、俺の指導に口出しするのか?」

2018-05-05 17:29:17
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スポーツ科学的な少年の招集7:スポーツ少年「彼は肩を痛めててシュートが打てなかったんだ。故障してる選手に更に負担をかけるような罰則を与えるなんて、愚の骨頂だね」 顧問「お前、何を生意気な・・・!!」 一瞬で間を詰める スポーツ少年「筋肉だけでなく頭まで硬くなってしまったんですか?」

2018-05-05 17:33:37
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スポーツ科学的な少年の招集8:顧問(こいつ!一瞬で俺がボールをぶつけられないような間合いの詰め方をしてきやがった・・・!) スポーツ少年「中学生のカラダづくりは大人になったときの基礎になります。それなのにこんな無茶なトレーニングをして・・・指導者なのに恥ずかしくないんですか?」

2018-05-05 17:39:21
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スポーツ科学的な少年の招集9:スポーツ少年「・・・というわけで、あなたには顧問から外れてもらいます。ちゃんと私が専門知識を持った後任を推薦しますので、そのだらしない上腕三頭筋をブラブラさせながら、安心して教科担任に専念して下さい」 顧問「お前、何を勝手なことを・・・」

2018-05-05 17:42:13
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スポーツ科学的な少年の招集10:スポーツ少年「後は頼んだよ」 法学少年「分かった。手続きはこちらでやっておくよ」 顧問は殴りかかるが、無駄のない動きで全てかわすスポーツ少年 法学少年「無駄ですよ先生。彼は相手の筋肉の動きから次の行動を予測できる。見切りが早すぎて絶対当たらないです」

2018-05-05 17:48:44
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スポーツ科学的な少年の招集11:法学少年(彼はその観察眼で多くの選手の問題を察知し、故障の危機から救ってきた。他部の部員を引き抜く権限を与えられてはいたけど、あらゆる運動部の人間から彼は絶大なる信頼と尊敬を得ている。誘われて断る人間はいないだろう。どんなチームができるか楽しみだね)

2018-05-05 17:55:24
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スポーツ経済学的なスパイ大作戦1:悪友「うーむ・・・」 双眼鏡で練習風景を覗く悪友。その横で菓子パンを食べる息子。 悪友「なんか、バスケ部とか陸上部の奴らを助っ人で加えてるみたいだな。そこまで強そうじゃないぞ」 息子「まあ、サッカー部はもともとそこまで強豪じゃないからね」

2018-05-05 19:05:47
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スポーツ経済学的なスパイ大作戦2:生徒会とサッカー部は過去にいざこざがあったため、直接の利害がない転校生に彼らの支援をお願いした。生徒会との繋がりを隠すため、彼には役職をつけずに自由に動き回ってもらっている。地元企業とのコネでコーチを見つけ、よりハイレベルな技術指導を依頼している。

2018-05-05 19:08:32
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スポーツ経済学的なスパイ大作戦3:息子「チームの強さというのは、メンバーの資質とコーチの能力と練習環境で決まってくる。スポーツは経済学者にとっても長年の研究テーマだけど、結局はこういった要素についての争いの繰り返しなんだよね。どのスポーツでもビックリするぐらい似通ってるよ」

2018-05-05 19:13:09
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スポーツ経済学的なスパイ大作戦4:息子「有望な選手やコーチの獲得争いが激化して、契約金が釣りあがって、そのうち財政的に持たなくなって制限が設けられる。制限を設ける時には抜け駆けが出ると意味がないから、業界団体を作って全員同時にやめるようにする。」

2018-05-05 19:16:46
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スポーツ経済学的なスパイ大作戦5:息子「そこでの制約に実行力を持たせるには、影響力を持つところを業界団体に引き込めるかが鍵になってくる。様々な駆け引きが繰り返された上でやっと制約が設けられて、また抜け道が発明されて・・・スポーツの歴史はそんなことの繰り返しだよ。」

2018-05-05 19:20:05
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スポーツ経済学的なスパイ大作戦6:息子「しかし、不可解だな」 悪友「何がだ?」 息子「他の部から助っ人を連れて来てるって言ったろ?サッカーというのは野球とかと比べてメンバー同士の連携がどれだけできてるかがものをいうスポーツだよな」 悪友「確かに、野球で打席に立つのは1人ずつだしな」

2018-05-06 00:34:21
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スポーツ経済学的なスパイ大作戦7:息子「労働で例えるなら、労働者同士の連携が重要なファクターになる、工場ラインの労働者みたいなものだ。一番手際の悪い人間に引っ張られてパフォーマンスが低下するようでは本末転倒だ」 悪友「なんだ?あいつらがわざわざチームを弱くしてるって言いたいのか?」

2018-05-06 00:39:23
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スポーツ経済学的なスパイ大作戦8:息子「逆だよ。ああいう行動をとってるということは、連携のできない人間が混じっても問題なく機能するシステムを構築しようとしてるってことだ」 悪友「そんな便利なシステムなんてあるのか?」 息子「そこで、今のライン工場の喩えだよ」 悪友「???」

2018-05-06 00:42:18
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スポーツ経済学的なスパイ大作戦9:息子「連れて来たのはバスケ部と陸上部、つまりトップスピードの早い人間と、攻守の切り替えの早い人間。フォワードとして前線に配置するのに最適な人間なワケだ」 悪友「・・・! そうか・・・」 息子「そう、彼らは攻撃と守備の分業制を目指してるんだ」

2018-05-06 00:46:41