「ノベルスの時代」

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白江幸司 @ttt_cellule

「ノベルスの時代」とでも言うべき本出ないかなあ。ポルノ、歴史読物、戦記、伝奇アクション、ミステリのブームはノベルスだし、ノストラダムスや栗本慎一郎の自由大学、新興宗教GLAの真創世記もノベルス。戦後大衆小説と、80-90年代娯楽小説を把握するためには必須と思うんだが…。

2018-05-13 16:17:18
白江幸司 @ttt_cellule

1950年代創刊 カッパ・ブックス、ロマン・ブックス(講談社)、カッパ・ノベルス(光文社) 60年代創刊 カッパ・ビジネス、サンデー・ノベルス(秋田書店) d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20…

2018-05-13 16:21:02
白江幸司 @ttt_cellule

70年代創刊 ノン・ブック(祥伝社)、サンケイ・ノベルス、桃園新書、グリーンアロー・ブックス、ノン・ノベル、サンポウ・ノベルス、徳間ノベルス、ジョイ・ノベルス 80年代創刊 カッパ・サイエンス、カドカワノベルズ、講談社ノベルス、 C novels(中央公論社)、ノン・ポシェット)、天山ノベルス

2018-05-13 16:22:29
白江幸司 @ttt_cellule

カッパノベルスがビジネスマン向けとか新興教養を担おうとしていた過去があったはずなんだけど、そういうレイヤーが対象化されていなさそう。アメリカのパルプフィクション枠をやろうとしてた面もあったはず。

2018-05-13 16:29:57
白江幸司 @ttt_cellule

ニューアカって最初はノベルスマーケットも射程に入ってたよね。狭義のノベルスではなかったけど、朝日出版社の週間本って似たような安っぽい売り方だったわけだ。80年代後半以後はビジネスマン向け教養書のラインも混ざって宝島系(呉、浅羽、大月含む)と踵を接しているんじゃないかとおもう。

2018-05-13 16:31:19
白江幸司 @ttt_cellule

現在だと、PHP新書/文庫とか光文社文庫、草思社文庫みたいな枠がある程度相当してる。ハヤカワ文庫ノンフィクションも近いのか。それと週刊誌上がりの書き手も参入できたんじゃないかと思う。今ではこのジャーナリスト枠は新書と総合誌に移行しちゃったから見えにくくなったけど。

2018-05-13 16:33:03
白江幸司 @ttt_cellule

「80-90年代ノベルス小説を振り返る」といった本、当然あるだろ、と思ったらそれすらなかったので、まじかー、となった。ほしい議論はもっと手強い「戦後の娯楽小説系譜学ガッツリ掘り下げ」なんだけど、せめてノベルス方面ぐらいはまとまってほしい

2018-05-13 16:37:24
白江幸司 @ttt_cellule

「軽い読物枠」「手軽に読めるエンタメ」「無名の作家を起用してパッケージでくるんで安く売る枠」って重要で、いつの時代もあって、(その後の書き手層、読み手層に)大きな影響を与えたり育てたりするので、各時代の思い出にせず、場所や形を変えて蘇えるものとしてきちんと対象化しないとダメっすよ

2018-05-13 16:45:11
白江幸司 @ttt_cellule

小説家になろう系の書籍は、あからさまに80-90年代ノベルス小説のマーケットを今やってるわけ。

2018-05-13 16:46:06
白江幸司 @ttt_cellule

田中芳樹とか夢枕獏とか赤川次郎とか荒俣宏とか栗本薫とか80-90年代ヒット飛ばしてた娯楽小説ってたいがいノベルスだったわけですよ。オッサン向け娯楽小説で勝利した連中というか。昔は大藪春彦もそう。今やノベルス枠自体が消滅しつつあるので、ノベルスが何だったのかが意識されにくいわけだけど。

2018-05-13 17:01:21
橡の花 @totinohana

@ttt_cellule 本格ミステリもあの界隈の発祥とおもいましたが。

2018-05-13 17:03:46
白江幸司 @ttt_cellule

@totinohana 笠井潔も綾辻行人も有栖川有栖も山口雅也もそう、っていうか、新本格は講談社ノベルスが牙城で。横溝映画は角川文庫化が引き金になってるはずだけど。

2018-05-13 17:05:24
白江幸司 @ttt_cellule

ノベルス枠ヒット作の最後尾を飾るであろう、田中芳樹アルスラーン戦記最終巻とか菊地秀行魔界都市ブルース最新刊とかが先日出たばかりだし、この勢いで誰かがやってほしい。

2018-05-13 17:09:12
橡の花 @totinohana

@ttt_cellule ノベルスと朝日ソノラマは読者層が結構かぶったろうと覚えますが、あれが大体アラフォーだとするとその後のノベルスの読者はどこまで若いのを見繕えるか、ちょっとわかりませんね。

2018-05-13 17:09:30
白江幸司 @ttt_cellule

@totinohana 朝日ソノラマやハヤカワはノベルスレーベルを出せなかった、その結果文庫枠でやってた、っていうのありそう。形態が違うけど事業規模として似たような互換性あるのかなあと。ノンフィクション方面でなら宝島や洋泉社が隣接してたはず、としたのはそのため。

2018-05-13 17:11:40
橡の花 @totinohana

@ttt_cellule 体感だと宝島社や洋泉社のブームはちょっと時代が下るのですが(別冊宝島以降なもので)、あれは第二次くらいだったのかもしれませんね。

2018-05-13 17:18:23
白江幸司 @ttt_cellule

架空戦記におけるウォーシミュレーションのリソース、露悪的な法逸脱行為(『オーバー・ザ・シネマ』での議論で言うとダーティハリーのような「ポエティック・ジャスティス」の導入)、歴史小説における社会史や生活史のリソースの投入、などなど。

2018-05-13 19:51:58
白江幸司 @ttt_cellule

戦記小説が戦前戦後と娯楽小説で君臨していて、ノベルスにもなだれ込むわけで、そういったジャンルの富のあとで、カッパノベルスで大西巨人が「神聖喜劇」や「三位一体の神話」を出す。光文社文庫に入ってるのは元本がカッパノベルスだったからなわけ。

2018-05-13 20:55:02
白江幸司 @ttt_cellule

荒巻義雄について論じる時に、架空戦記小説でヒット飛ばしつつスペキュレイティブフィクションを書いてたっていう二面性のうち前者がスルーされがちな傾向があるけど、空白のままに放置されすぎ。

2018-05-13 20:57:05