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こよみの地蔵考

「お地蔵さん」地蔵菩薩が、日本で民間信仰として根付いた文化史について考えてみました。
仏教 学術たん 地蔵 人文 民俗学
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和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
さて、ふぉろわさんから「お地蔵さんの民俗学的な文化について、仏教的見地よりも民間信仰的な立ち位置と信仰の考え方」というご質問をいただいたので、ちょっと連投してみたいと思います!
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
題して地蔵講ならぬ「地蔵考」! 最初に、ゐきぺレベルの概略ですがまずは仏教史的なおさらいから… 地蔵菩薩はそもそも仏教の菩薩さまです(意外と忘れがち!) 弘法大師が将来した真言密教の仏尊大図鑑「両界曼荼羅」では、胎蔵界曼荼羅に出てきます。天空の恵みを象徴する虚空蔵菩薩と対として…

胎蔵界曼荼羅中の地蔵菩薩

和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
大地の恵みを象徴するので「地蔵」なのですが、この曼荼羅では観音さまなど普通の菩薩と同じく印度貴族の姿で描かれてます。いわゆる菩薩形は、お釈迦様の出家前の姿や、印度の神々がモデルと言われます。虚空蔵様は弘法大師が若い頃その行を修してあの天才頭脳を獲得したといわれ、
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
智慧の仏として真言密教ではとっても重要な虚空蔵様、畿内では数え13歳の女の子の通過儀礼「十三詣り」として民間にも定着しましたが、いまいち馴染み薄い仏さまでは? 一方地蔵菩薩は、弘法大師の時点では逆に曼荼羅の数多の一尊にすぎず、影薄かったのでした。しかもお姿も今とは随分違う菩薩形…
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
今みるようなお坊さんの姿のお像は、平安中期(いわゆる摂関期)に突如として現れます。ちょっと調べてみましたが誕生の秘密は謎です…わたしが知ってる由緒明らかな現存最古は、六波羅蜜寺の11世紀作の髪掛地蔵。最古級かといわれる平安初期のは、実は僧形神像じゃないかともいわれ…
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
僧形神像ってちょっと鍵かもですね。奈良時代後期から、八幡さまなど神道の神々を仏寺の守護神として祀る習慣ができ、仏像の影響でお坊さんや衣冠束帯、十二単などの姿の神像が造られるようになります。僧形地蔵像は、発祥からして神仏習合と関わりあるかもなのです(こよみ説)。
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
お地蔵さんとの関連が指摘される民間信仰に道祖神がありますが、古神道では神様を人の姿の像に造るのは禁忌でしたから、神像を刻む道祖神はむしろお地蔵さんより後世です。古来の信仰では、天然の屹立する巨岩を神座(かみくら)として祀るのが残ってますが、その簡易版で石を立ててご神体としたり…
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
そいう立て石信仰が、巷の石仏の古層にある気がします。お地蔵さんのそばには塞の河原の石積みに倣って小石を積み上げた塚が築かれることがありますが、これはモンゴルや朝鮮半島にも似た習俗があります。また、石人像を辻の守りとして祀る習俗もあり…渡来人の伝えた信仰も影響してるかもです。
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
つまり、なにかしら像を刻んでてもいなくても、石を立て置くことそのものにこそ、古神道的には地祇の依り代として神聖な意味があるのです。それを基に、くりっと簡単に彫れる単純な僧形立像が広まり、仏教的に由緒肩書きを付けるなら元々大地の仏な地蔵菩薩があてがわれた…のが真相かもです。
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
お地蔵さんの坊主頭が受けた秘密には、くりくり頭の赤ちゃんを連想させて、こどもの早死にや「間引き」殺しが多かった時代に、幼いみたまの導き手として信仰を集めたのでしょう。お地蔵さんにかざぐるまや手編みのよだれかけを奉納するのは、そいう信仰の名残…あるいは、現代にも残る闇の現れです。
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
そんな具合で、知る限り僧形地蔵菩薩像は、特に石像がこれだけ巷に広まってる信仰は少なくとも、他の大乗仏教圏の中国朝鮮にもチベットにも類をみない、日本独自の信仰形態なのです。よく六体祀る六地蔵は、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人界・天界(浄土と違い天人の刹那的快楽世界)担当の救済戦隊です

中国仏教でよくみかける姿の地蔵菩薩

和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
本来の胎蔵界曼荼羅の菩薩形地蔵菩薩 t2.gstatic.com/images?q=tbn:A… 華漢圏の「地蔵王」は道教と習合した冥府の使者(台湾) 4.bp.blogspot.com/_q-viljj8xZQ/T…
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
最後に…地蔵以外の石神仏は道祖神、石敢當、庚申塚、大日如来・如意輪観音・馬頭観音など地域毎にありますが、東北地方は恐山など、地蔵信仰が特に根強い場所です。近世に幼児間引きが多かったのもありますが、もしかして和人の神道とは少し違う蝦夷の岩石信仰や冥界観の名残とかもあるのかなとか…
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
路傍の石仏として身近なお地蔵さんですが、おそらく一番の晴舞台は、やはり東北、平泉中尊寺金色堂。奥州藤原三代の棺を納めた、金色阿弥陀像を中心とする三組の仏像群の中に、六体の木彫地蔵像もあります。同時代の由緒ある寺院の中心に六地蔵ってかなり異例で、東北独特の地蔵信仰の端緒が伺えます。
和こよみ*旧暦たん @yamatokoyomi
以上、思いあたる知識をとりとめもなくお話してみました!お地蔵さんひとつを取っても、民俗学や宗教史ってとっても深いのです。そのミステリーを読み解く興味深さを少しでも共感していただけたら嬉しいです(*・ヮ・人)♪ ~こよみのgdgd地蔵考*ひとまずおしまい~

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