【鳩山さんの】鳩山由紀夫さんとセイバーメトリクス【凄いところ】

まとめました、よろしくお願いします。 サムネ画像は鳩山由紀夫公式HPより。
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はじめに。

このまとめでは、元総理である鳩山由紀夫さんの意外な一面を紹介します。
鳩山由紀夫さんは東京工業大学助手だった1979年に、専門分野である「オペレーションズ・リサーチ(OR)」によって野球をゲームとして考察した論文を発表しています。
その論文を取り上げた下記の記事を元に、自分なりの解説を加えたまとめとなっています。

↓(日本プロ野球記録統計解析試案「Total BaseBallのすすめ」)
http://www16.plala.or.jp/dousaku/hatoyamaOR.html

鳩山由紀夫さんの論文への直リンクはこちら。
↓(社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会1979年4月発行「経営の科学」24巻4号)
http://www.orsj.or.jp/~archive/pdf/bul/Vol.24_04_203.pdf#search='プロ野球のOR 鳩山由紀夫'

キム @Kim_Kaphwan11

今日は私がフォローしている一人、元内閣総理大臣、鳩山由紀夫さんの凄いところを一つ紹介したいと思います。 題して「鳩山由紀夫さんとセイバーメトリクス」。 野球ネタですが、少しお付き合い下さい。

2018-05-19 23:22:00
キム @Kim_Kaphwan11

鳩山由紀夫さんは東工大助手だった1979年に専門分野である「オペレーションズ・リサーチ(OR)」によって、野球をゲームとして考察した論文を発表しています。 私はその論文を以下の記事で知りました。 ↓(日本プロ野球記録統計解析試案「Total BaseBallのすすめ」) www16.plala.or.jp/dousaku/hatoya…

2018-05-19 23:22:01
キム @Kim_Kaphwan11

その記事を元に、自分なりの解説を加え鳩山由紀夫さんの凄いところを紹介したいと思います。 鳩山由紀夫さんの論文への直リンクはこちら。 ↓(社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会1979年4月発行「経営の科学」24巻4号) orsj.or.jp/~archive/pdf/b…

2018-05-19 23:22:01
キム @Kim_Kaphwan11

前置き1 初めに、鳩山由紀夫さんの経歴について。(画像参照) 凄い経歴ですね、戦後日本の首相の中でもトップクラスの学歴でしょう。 pic.twitter.com/Cxw9cqgS55

2018-05-19 23:25:30
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キム @Kim_Kaphwan11

前置き2 次に、オペレーションズ・リサーチ(OR)について。 ↓(Wikipedia「オペレーションズ・リサーチ」) ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA… ORは、主に軍事分野において研究され発展しました。 現在では経営学、金融工学、生産技術等に応用されています。

2018-05-19 23:25:31
キム @Kim_Kaphwan11

ORの使用例としては、第2次世界大戦中のイギリス海軍によるドイツ潜水艦に対する護送船団方式に見られます。 独海軍の潜水艦(Uボート)に悩まされた英海軍は、ORの手法を用いて輸送船の被害を解析し、輸送船の被害は護送船団の規模でなく、護衛艦の数に依存していることを突き止めました。

2018-05-19 23:25:31
キム @Kim_Kaphwan11

その結果、大きな護送船団を組んで船団の数を減らし、それぞれの船団に十分な護衛艦をつけることによって、輸送船の被害を減らすことができました。

2018-05-19 23:25:32
キム @Kim_Kaphwan11

前置き3 最後に、セイバーメトリクス(SABRmetrics)について。 ↓(Wikipedia「セイバーメトリクス」) ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB… 野球において、データを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法です。

2018-05-19 23:25:32
キム @Kim_Kaphwan11

1970年代に、野球ライターで野球史研究家・野球統計の専門家でもあるビル・ジェームズ氏によって提唱されました。 2000年代初頭に、MLBのオークランド・アスレチックスがセイバーメトリクスを取りいれた球団経営で躍進し注目されました。(映画「マネー・ボール」を参照)

2018-05-19 23:25:32
キム @Kim_Kaphwan11

鳩山由紀夫さんの論文は、日本はもとよりアメリカでもセイバーメトリクスが一般的でなかった時代に、ほぼ同じアプローチで、ほぼ同じ理論を導き出した先駆的研究と言えます。

2018-05-19 23:25:33
キム @Kim_Kaphwan11

ここから、論文の解説に移ります。 鳩山由紀夫さんの論文の構成は画像を参照して下さい。 まず第1章で、1979年当時のプロ野球界の状況と、野球をORで考察するにあたっての前提を記しています。 pic.twitter.com/wAuSP1WI1s

2018-05-19 23:30:04
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キム @Kim_Kaphwan11

当時のプロ野球界の状況は以下の通りです。 ・ヤクルトスワローズが初優勝、日本一。(広岡監督の管理野球) ・王貞治選手の800号ホームラン。(ホームラン王は山本浩二選手(広島)) ・1978年ドラフト会議前日の「江川事件」。(空白の一日)

2018-05-19 23:30:04
キム @Kim_Kaphwan11

野球をORで考察するにあたっての前提は、以下の通りです。 ・手計算で論じられる程度まで野球モデルの単純化を進める ・「バントはいかなる状況のもとで行うべきか」「盗塁は効果的な作戦か」等、野球の基本的な作戦に関して考察を加える。

2018-05-19 23:30:05
キム @Kim_Kaphwan11

第2章で平均得点の導入を行っています。 つまり局面に応じて「1イニングに平均何点の得点を挙げることができるか」を計算しています。 単純化するために、画像1のような前提を設定しています。 また、打撃の局面として画像2の24ケースが考えられます。 pic.twitter.com/0bhybgJs8B

2018-05-19 23:30:05
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キム @Kim_Kaphwan11

それぞれの局面で打撃結果1~6が発生し、その結果別の局面が発生します。 3アウトになるまで打撃結果1~6と局面の変化を繰り返し、結果何点入ったか集計すれば、それぞれの局面における得点期待値(そのイニング終了までに何点の得点が期待できるか)が算出できます。

2018-05-19 23:30:06
キム @Kim_Kaphwan11

また、1点入った時点で計算を打ち切れば、得点確率(そのイニング終了までに1点入る確率)が算出できます。 理論上は3アウトにならず、延々と攻撃が続く可能性もありますが、各打撃結果の実績値を当てはめる事で得点期待値と得点確率を確定させています。

2018-05-19 23:30:06
キム @Kim_Kaphwan11

得点期待値および得点確率の算出結果は、画像の通りです。 参考にMLBでの得点期待値・得点確率も付けています。 MLBの結果と比較すると、ランナー二塁と三塁、一二塁と二三塁で同じ数値が並んでいることがわかります。 これは、1ヒットで必ず二塁ランナーが生還する前提によるためです。 pic.twitter.com/twyg2VIpaT

2018-05-19 23:30:06
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キム @Kim_Kaphwan11

第3章では、いかなるときに盗塁すべきかを考察しています。 たとえばノーアウト・ランナー一塁で盗塁を試みると、得点期待値・得点確率は画像のように変化します。 これを見ると、盗塁はリスクの大きな作戦と言えます。 (成功した際の利益よりも、失敗した際の損失が大きい) pic.twitter.com/oGRJWzIRS6

2018-05-19 23:33:24
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キム @Kim_Kaphwan11

どの程度の盗塁成功確率があればリスクに見合うか計算すると、ノーアウト・ランナー一塁の場合は成功率7割5分となり、盗塁王クラスの選手でないと有効でないと結論付けています。 ただしアウトカウントが増えるほどリスクに見合う成功率は低くなり、盗塁が有効になります。

2018-05-19 23:33:24
キム @Kim_Kaphwan11

第4章では、バントやヒットエンドラン使用の効果について考察しています。 たとえばノーアウト・ランナー一塁でバントを試みると、得点期待値・得点確率は画像のように変化します。 これを見ると、バントは多く得点するチャンスを自ら捨てる作戦であると言えます。 (成功しても得点期待値は下がる) pic.twitter.com/fUjVnmnrlA

2018-05-19 23:33:25
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キム @Kim_Kaphwan11

但し1点を得る確率は僅かに上昇するため、どうしても1点が欲しいケース(試合終盤で1点負けている)では有効と考えられます。 また現実の野球では、この論文の前提のようにチームの打撃能力が均一ということはあり得ないので、打撃能力が極端に低い選手(ピッチャー等)では有効な戦術と言えます。

2018-05-19 23:33:25
キム @Kim_Kaphwan11

ヒットエンドランについても同様の考察ができますが、データが入手困難なため、あまり触れられていません。 またこの論文の前提では、走者が二塁にいるケースと三塁にいるケースでは得点期待値・得点確率に差が出ないため、走者が二塁の場合の盗塁やバントは意味がないという結論になっています。

2018-05-19 23:33:26
キム @Kim_Kaphwan11

第5章では、四球、本塁打などの重要度について考察しています。 四球、単打、二塁打、三塁打、本塁打の発生確率がそれぞれ増加した場合、平均得点がどれだけ増加するか、実績値を当てはめて計算しています。 結果、各打撃結果の得点への貢献度は画像の通りとなります。(単打を1とする) pic.twitter.com/Tr3ZlZJYBx

2018-05-19 23:38:44
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キム @Kim_Kaphwan11

これによると四球は単打0.83本分の価値があり、本塁打は単打2.25本分の価値があると言えます。 本塁打は4塁打のため、単純に単打4本分の価値と思われがちですがそうなっていません。 むしろ、四球や単打は意外に得点に貢献していると結論付けています。 これは現代の感覚とほぼ同じです。

2018-05-19 23:38:44