- kitsuka_02
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今日はドラゴンの日らしいので幸運をもたらすとされるホワイトドラゴンのジャーファルさんとそんなジャーファルさんに仕える神子アリババ君の話が読みたいです
2018-04-23 19:17:56(考えた)アリババ君の村には昔からホワイトドラゴンが住むと伝えられている霊峰があって、その村では10〜17歳までの子供の中から選ばれた神子一人が霊峰の山腹にある神殿に寝泊まりして毎日神様であるドラゴンの為にお祈りしたりして神様にお仕えするってしきたりがあるの
2018-04-23 19:18:02そんでアリババ君は先代の引退と共に10歳の時に神子に選ばれてドラゴンに仕えることになるんだけど、これから8年間ひとりぼっちかぁちょっと寂しいななんて思ってたらそんなことはなくて、お仕えするはずのドラゴンが人間の姿に化けてしょっちゅうってかほぼ毎日神殿にやってきては
2018-04-23 19:18:02お茶したり話し相手になってくれるから全然寂しさを感じずに済むのね ドラゴンのジャーファルさんは長生きしてるだけあってめちゃくちゃ賢くて色々な事を知ってたからアリババ君に勉強教えてあげたり色んな国の物語を話してあげて、アリババ君もそのお返しにジャーファルさんの為にご飯作ったり
2018-04-23 19:18:03神殿を隅々まで綺麗に掃除したり勿論祈りも自分が思ってたよりずっと丁寧に真剣に捧げるの そうやって二人きりだけど穏やかで優しい日々が続いて幸せだった二人なんだけど、何年かしたら世界の情勢が変わってアリババ君の国が戦争を始めて、故郷の村へも影響が出始めるのね
2018-04-23 19:18:04元々豊かでは無かった村の暮らしがどんどん悪くなって行って、定期的に届けられていたアリババ君の為の食料も少なっなっていって、自分でもなんとかしなきゃって思ったアリババ君は神殿の周りに畑を作って自給自足するようになるの そんなアリババ君の変化に気がついたジャーファルさんは時々山で
2018-04-23 19:18:04獣を狩ってアリババ君にあげるようになるの 「霊峰なのに」て恐縮するアリババ君には「私の山なんだから私が好きにしてなんの問題があるんですか」て答えるジャーファルさん そんなジャーファルさんに貰ったものは仕方ないって思って大事に食べるアリババ君
2018-04-23 19:18:05そうやってなんとか食いつないでたアリババ君だけれど村の状況はどんどん悪くなっていって、ある時やってきた村人から神子であるアリババ君に「ドラゴンの鱗1枚でもいいから取ってきてくれないか」て依頼がくるの(金になるから) でもアリババ君はジャーファルさんは自分達にとって神様だし何より
2018-04-23 19:18:05大好きなジャーファルさんを傷つける事は出来ないって固辞して、代わりにこれを売ってくれって伸ばしてた金髪と神子の衣装を渡すの 村人が居なくなってからアリババ君に会いに来たジャーファルさんは大好きなアリババ君の髪が無残に切られてて綺麗な服も無くなってたから何事だって
2018-04-23 19:18:06驚くんだけどアリババ君が(鱗の事は秘密にして)事情を説明して「皆の助けになるなら安いもんです」て笑うからまぁアリババ君がいいならいいかってジャーファルさんも渋々納得するんだけど、そこから村人からの要求が激しくなってついには「ドラゴンから何も得られないのならその分をお前が払え」
2018-04-23 19:18:07て言われて国から税の徴収にやってくる兵士の相手をさせられるようになるの 国中が疲弊して美しい娼婦なんてのも得難い時だったから餓えた兵士はジャーファルさんのお陰で痩せてもなく綺麗なままだったアリババ君に飛びついて、アリババ君が体を売る代わりに税を免除するって村と密約を交わすの
2018-04-23 19:18:07アリババ君は自分は山から降りちゃいけない立場だからジャーファルさんには絶対に知られちゃいけないって思って必死に隠すんだけど、自分が穢れたって思ってジャーファルさんに触れられなくなって、そんなアリババ君の変化にジャーファルさんが気が付かない訳もなく。
2018-04-23 19:18:08ある日ジャーファルさんが夜こっそりアリババ君の様子を見に行ったら部屋で寝てる筈のアリババ君が居なくて、嫌な予感がして姿を隠して村にまで降りていってアリババ君を探したらアリババ君が見慣れない軍服の男達にいいようにされてる現場を目撃して、その瞬間ブチ切れたジャーファルさんが
2018-04-23 19:18:09ドラゴンの姿に戻ってアリババ君を取り戻して男達が居た宿を壊滅させるの 騒ぎに駆けつけた村人達はドラゴンの姿に恐れ慄くんだけど村人も追い詰められてて、いっそ討伐すれば金になるって無謀にも襲いかかろうとするのね その時の村人の言葉でアリババ君がどうしてこんな事してたのかなんとなく悟って
2018-04-23 19:18:09アリババ君がこんな目に遭う位なら鱗でも爪でも牙でも喜んであげたのにって怒りと悲しみでいっぱいになって、そのまま村を焼き尽くしそうになるんだけどでもジャーファルさんも根が優しいから痩せ細った人々を殺す事が出来なくて、そのままアリババ君を連れて飛び去るの
2018-04-23 19:18:10そんでアリババ君がどこへ行くんだろうって思ってたら戦争の最前線で今まさに戦いが始まったばかりって場所に飛んでって、空から敵味方問わずブレスの炎で焼き尽くそうとするジャーファルさんにアリババ君びっくりして必死で止めるの
2018-04-23 19:18:11辺り一面炎に包まれてそれでも怒りと悲しみで我を忘れてるジャーファルさんにアリババ君が泣きながら抱きついてやめてください、いつものジャーファルさんに戻ってって懇願したらジャーファルさんの目の色がいつもの黒に戻って、それと共に燃えていた炎も白い光に変わって
2018-04-23 19:18:11焼き尽くされた筈の人々も元の姿に戻るの ジャーファルさんは幸運をもたらすホワイトドラゴンだからその炎は人の心によって地獄の業火にも天使の光にもなるってことで、アリババ君の願いを聞いて怒りを収めたジャーファルさんだけど次この子を傷付けたら今度こそ両国共々滅ぼしてやるって
2018-04-23 19:18:12言ってジャーファルさんは家に帰る為にアリババ君連れてその場を去るの 残された人々はついさっきまで確実に自分達には死しか待っていなかったって事実に動けなくなって、完全に戦意を失った両国は長く続いた戦争を終結させるの
2018-04-23 19:18:12そんでジャーファルさんとアリババ君は山に帰ってまた二人でひっそりと暮らすんだけどアリババ君への食料は届けられなくなって、お互いまぁ当然だろうなって思いつつ暮らしてたらある日突然ジャーファルさんへの貢物として大量の食べ物やらお酒やらが運ばれてきて、アリババ君はまだそんな余裕ないだろ
2018-04-23 19:18:13って返そうとするんだけどジャーファルさんが貰っときなさいって言うからとりあえず受け取って、それからまたポツポツと貢物と称して食べ物が届けられるようになるの そんで更に月日が経ってアリババ君が18歳になるって前の日に、村から新しい神子が寄越されるんだけど、アリババ君はその神子と
2018-04-23 19:18:14連れて来た村人の前に久し振りに姿を現して「まだもうしばらく神子をしてくれと神様に頼まれたから、自分が山を下りるまで新しい神子は連れてこなくていい」って伝えて、それからはジャーファルさんと二人で寄り添うように幸せに暮らしました。 みたいなやつ延々と仕事中妄想してた楽しかった……。
2018-04-23 19:18:14その後アリババ君はずっとジャーファルさんのそばに居たから山を下りる事はなく、結果新しい神子は必要なくなりただ戦争を収めたホワイトドラゴンとその妻になった神子の話だけが村から村へと国中に広がった、みたいなアフターエピソードがエンディングの後にあるとなお良い。
2018-04-23 19:18:15