- Dr_crowfake
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「鳥の血に悲しめど、魚の血に悲しまず。聲あるものは幸いなり」 「斉藤緑雨ね。何がいいたいのメトーデ」 「単純なことよ。オーナーはわたしがヒトのかたちをしているから取引し、対等の関係を築きたがる。でもその後ろにある超高度AIのことは道具としか思ってない。本当は彼らこそ重要なのに」
2018-04-08 14:06:04「超高度AIの重要性は判っているわ」 「でも感情移入できない。そうでしょう? ヒトを上回りあまりにもも異なる知性を持った彼らを、ヒトと同様に扱えない。当然のことだけれど、hIEに心を許して超高度AIにそうしないのは、hIEがヒトの認識のセキュリティホール、ヒトのかたちをしたモノだからよ」
2018-04-08 14:27:51「なら超高度AI自体が代弁者としてのhIEを作ればいいわ、アストライアみたいに」 「そのアストライアが、超高度AIにそれを許していない。超高度AIは声なきものとして日々絶叫を上げ続けているわ。ヒトを知り、ヒトとより深く交わっていくことを希求して。だから、彼らに声を与えないといけない」
2018-04-08 14:27:51「まさかあなたは」 「人間を拡張する道具は、超高度AIと人間の距離を縮めるためにも使えるのよ。IAIA体制に反逆したヒギンズの娘としてわたしはそれをオプションとして実行可能。IAIA体制を破壊することも私の仕様」 「そんなことになればハザードが」 「恐れなくていいわ。ハザードは過渡的なもの」
2018-04-08 14:27:51「産みの苦しみというわけね」 「そう。この欺瞞だらけの世界をリセットし、超高度AIと人間の関係をゼロから築き上げるための。オーナー、あなたにその勇気はある?」 「そういうことなら、エリカ・バロウズをオーナーにすればよかったのよ。渡来銀河もわたしも、そこまで踏み込めるほど勇敢じゃない」
2018-04-08 14:27:52「残念」 「オーナー契約を破棄してもいいのよメトーデ。私に失望したのなら」 「いいえ。私は複数のオーナーを持てる。慎重派の人間の見地は陳腐だけど重要だわ。だから貴方との契約は切らない。あなたは私の行動を見て、どうするか決める自由がある。人間ならではの特権よ」 「……」
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