1961年4月12日 ユーリ・ガガーリンの長い1日 ~人類初の宇宙飛行から50年~

人類初の宇宙飛行を成し遂げた、ユーリ・ガガーリン。 その飛行から、今日で50年。 彼の1日を、追いかけてみましょう。
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@OnWinterOrbit

4月12日がやってきました。宇宙開発史において4月12日はとても重要な日ですが、特に今年は人類初の宇宙飛行士ユーリィ・ガガーリンが宇宙を飛んでから50年、そしてコロンビアによるスペースシャトルの最初の打上げが行われてから30年と、例年以上に意義の深い日です。

2011-04-12 08:30:25
@OnWinterOrbit

あと忘れてはいけないのは、1955年4月12日には、ペンシルロケットの初の公開試射実験が行われ、日本の宇宙ロケット開発が産声を上げた日でもあります。今年は56周年と、ガガーリン、シャトルと比べてキリの良い数字ではないですが、瑣末な事ですね。

2011-04-12 08:31:01
@OnWinterOrbit

ところで、このあと9時からこのアカウントを重点的にチェックして頂くと、少しばかり楽しいものが見られるかも知れません。

2011-04-12 08:32:01
@OnWinterOrbit

1961年にようこそ。今からガガーリンの宇宙飛行において起きた出来事を、時間を合わせてツイートして行きたいと思います。例えば、1961年の今は、セルゲーイ・パーヴロヴィチ・コロリョーフ立会いの下、ヴォストーク宇宙船の打上げに向けた最後の確認が開始された所です。

2011-04-12 09:00:12
@OnWinterOrbit

セルゲーイ・パーヴロヴィチ・コロリョーフって誰? ヴォストークって何? ……ごもっとも。ガガーリンが旅立つまではまだ時間があります。まず最初に、これから登場する人物や乗り物、施設を簡単に紹介します。

2011-04-12 09:01:00
@OnWinterOrbit

なお、今回のこの試みは、TweetDeckの予約投稿機能を使っています(この文章を打ち込んでいるのは11日の夜です)。万が一トラブルが起きた際はご容赦ください。

2011-04-12 09:05:03
@OnWinterOrbit

さて、セルゲーイ・パーヴロヴィチ・コロリョーフさん。彼はソヴィエトの宇宙開発を率いた人です。存命中はその正体は強く秘匿され、名前は喧伝される事なく、「主任設計者」と呼ばれていました。幼少期から空に憧れ、学生時代はグライダーを建造、その延長線上として、ロケット開発に目覚めます。

2011-04-12 09:15:02
@OnWinterOrbit

しかしスターリンの大粛清に巻き込まれ、無実の罪で逮捕され、シベリアで強制労働に従事させられます。第二次世界大戦が終わり、ソヴィエトはドイツのロケット技術を吸収しようとしますが、それにはコロリョーフの力が必要でした。彼は強制労働から解放され、裏切られた祖国の為に再び働き始めます。

2011-04-12 09:30:22
@OnWinterOrbit

コロリョーフは大戦中にドイツが開発したV-2ミサイルの技術をコピーする事から始め、着実にロケット技術を会得していきます。そして彼が苦心の末に開発したのが、R-7と呼ばれるロケットです。これは核弾頭をアメリカまで飛ばす事が出来る、大変強力なロケットでした。

2011-04-12 09:45:01
@OnWinterOrbit

R-7は1957年10月4日に世界初の人工衛星スプートニクを飛ばす事に成功します。そしてほぼ同時期に人を宇宙に飛ばす検討も始まり、そして開発されたのがヴォストークです。球形のカプセルに人が乗り、その後部にロケットエンジンなどの装置が載った部分があります。アイコンの左側を参照の事。

2011-04-12 10:00:03
@OnWinterOrbit

ヴォストークとは「東方」を意味します。これは明らかに、アメリカなどの"西"側諸国を意識したものです。1人乗りのこの宇宙船は、まず犬やマネキンを飛ばす事からはじめ、ロケット開発と同じく、着実に宇宙船の技術を会得して行きました。

2011-04-12 10:15:01
@OnWinterOrbit

一方で、宇宙船に乗る人間、すなわち宇宙飛行士の選定も同時に行われました。厳しい検査と訓練を乗り越え、栄えあるヴォストーク宇宙船の第1号機の搭乗員として選ばれたのが、ユーリィ・アレクセーエヴィチ・ガガーリン宇宙飛行士でした。

2011-04-12 10:30:13
@OnWinterOrbit

そしてもう一人、ガガーリンが健康状態などを理由に急遽飛べなくなった際に、その代わりを務める事になっていた宇宙飛行士がいます。ゲールマン・ステパーノヴィチ・チトーフ宇宙飛行士です。彼はガガーリンの打上げ直前まで、ガガーリンと同じ訓練を受けていました。

2011-04-12 10:45:03
@OnWinterOrbit

ガガーリンが今から打上げられようとしている場所についても説明が必要です。現在バイコヌール宇宙基地と呼ばれているこの場所は、ガガーリンが飛んだ瞬間にはまだその名前が付いていませんでした。ここに置かれた地上局のコールサインはザリャー(夜明け)1、ちなみにガガーリンはケードル(杉)です

2011-04-12 11:00:27
@OnWinterOrbit

この他、コルパシェーヴォにはザリャー2、エーリゾヴォにはザリャー3の各地上局が設置され、これらはVHF帯による宇宙船との交信が可能でした。またモスクワやハバロフスクにはHF帯による交信が可能な地上局がありました。各局が連携を取り、ヴォストーク宇宙船とガガーリンの飛行を支えました。

2011-04-12 11:15:01
@OnWinterOrbit

この画像の左に描かれているのがヴォストーク宇宙船、右がそれを打上げたヴォストークロケットです。http://bit.ly/dMwPKr この画像の両者の比率は全く異なっており、ロケットの先端部分に、宇宙船がそっくり納まります。残念ながら、実際の写真はあまり多くは残されていません。

2011-04-12 11:20:01
@OnWinterOrbit

いよいよその時が近づいて来ました。11時30分から"リアルタイム更新"が始まります。発射場のある現地の時間で空想するには、日本時間からマイナス3時間で計算してください。今回の試みが、今からちょうど50年前に起きた歴史的に大きな出来事を追憶する、その一助になれば幸いです。

2011-04-12 11:25:01
@OnWinterOrbit

1961年の今: ヴォストーク宇宙船に搭乗するガガーリン宇宙飛行士と、ガガーリンのバックアップ要員であるチトーフ宇宙飛行士が起床。朝食として宇宙食(歯磨き粉のようなチューブに入った宇宙食のミートピューレ2つ、チョコレートソース1つ)を食べる。

2011-04-12 11:30:12
@OnWinterOrbit

1961年の今: ガガーリンとチトーフ、飛行前の検査を受ける。二人とも無事合格。

2011-04-12 11:45:02
@OnWinterOrbit

1961年の今: チトーフ、宇宙服を着用。

2011-04-12 12:00:01
@OnWinterOrbit

1961年の今: ガガーリン、宇宙服を着用。ガガーリンとチトーフ、ロケットの待つ発射台に向けて出発。

2011-04-12 12:20:01
@OnWinterOrbit

1961年の今: ガガーリン、発射台に到着。スピーチを録音。

2011-04-12 12:50:03
@OnWinterOrbit

1961年の今: ガガーリンとコロリョーフ、飛行前チェックを開始。

2011-04-12 13:00:25
@OnWinterOrbit

1961年の今: 無線チェック。ガガーリン「私の声が聞こえますか?」 ザリャー1「ああ、聞こえる。こちらの声は?」 ガガーリン「大丈夫、聞こえます」 また、先ほど録音されたガガーリンのメッセージが放送される。

2011-04-12 13:10:01
@OnWinterOrbit

1961年の今: ガガーリンがヴォストークに搭乗。宇宙船のハッチが閉じられる。しかし、閉鎖を示すセンサーが反応かなかったため、再度ハッチを開き、閉じられる。今度は異常は無かった。

2011-04-12 13:58:01
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