アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、F-エフ-2話脚本:自分で作った道を行け

まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きで始めた、カイジのシリ構・高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。今回は、F-エフ-2話脚本。 前回は、同作1話脚本。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/05/… ブログ関連ツイートまとめ: togetter.com/li/1229188 他: togetter.com/id/makimogpfb

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高屋敷氏脚本F-エフ-2a アニメ・F-エフ-は、六田登氏の漫画のアニメ化作品。 破天荒だが天才的な運転技術を持つ青年・赤木軍馬が、レーサーとなって数々の熱い勝負を繰り広げていく。 監督は真下耕一氏で、高屋敷氏はシリーズ構成・全話脚本を務める。 今回は、コンテ/演出が谷田部勝義氏。

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高屋敷氏脚本F-エフ-2b 詳細は、ブログに書きました: F-エフ-2話脚本:自分で作った道を行け - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/05/… #はてなブログ

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高屋敷氏脚本F-エフ-2c 今回の話: 衆院選出馬予定の軍馬の父・総一郎は、軍馬が邪魔だと明言。 一方、軍馬は筑波サーキットを訪れ、純子らと出会うも、他人の車を強奪し大爆走の上クラッシュ。純子に叱咤される。 後日、家から追い出されることになった軍馬は、父に手荒な旅立ちの挨拶をする…

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高屋敷氏脚本F-エフ-2d 開幕、高屋敷氏の特徴の１つである、月の意味深なアップ・間がある。 挙げればキリがないが、空手バカ一代演出/コンテ、あしたのジョー2・蒼天航路脚本と比較。 どれもストーリーと連動しており、「出演」する意味がある。 pic.twitter.com/8xNDyVFegR

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高屋敷氏脚本F-エフ-2e アメリカから帰ってきた軍馬の異母兄弟・将馬と雄馬を迎えた夕食の席でも、軍馬は隣室で食事させられる。 隣室で食事をするのはアニオリで、軍馬の孤立が、より目立つようになっている。高屋敷氏は多くの作品で、孤独や、孤独救済を描く。

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高屋敷氏脚本F-エフ-2f ここでは、軍馬を慕う、赤木家の使用人・ユキが、軍馬の孤独を救済している。 また、食事シーンが、より強調されている。飯テロや食いしん坊描写も、高屋敷氏の大きな特徴。 新ど根性ガエル脚本、ルパン三世2nd演出/コンテ、カイジ2期脚本と比較。 pic.twitter.com/BDEFNBQf7U

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高屋敷氏脚本F-エフ-2g 衆院選に出馬するため、軍馬の父・総一郎は、軍馬の存在そのものが邪魔だと明言し、軍馬は激しく反発する。 この直後、煙草を吸う総一郎の姿が、アニメでは追加されている。高屋敷氏の、煙草演出へのこだわりが感じられる。 カイジ2期・めぞん一刻脚本と比較。 pic.twitter.com/UzOAI9xxOJ

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高屋敷氏脚本F-エフ-2h 心配したユキが軍馬の部屋を訪ねるが、軍馬の姿はなかった。 そこへ将馬が現れ、「軍馬が好きなのか？」とユキに尋ね、「好きなんだな…」と悟る。 原作では、将馬がユキを犯してしまうのだが、そこをカットし、上記台詞が追加された。これにより、原作より純愛気味になっている pic.twitter.com/UCMDx9f6az

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高屋敷氏脚本F-エフ-2i その頃軍馬は、いつもの如く改造トラクターで爆走していたが転落。 夜空を見上げた軍馬は、聖の「サーキットじゃな、お前より速い奴はゴマンといるんだぜ」という言葉を思い出す。原作では、聖の言葉を思い出すのは自室。 「天」を活躍させる、高屋敷氏の特徴が出ている。 pic.twitter.com/sTqADGvnyU

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高屋敷氏脚本F-エフ-2j 後日、軍馬は筑波サーキットに赴き、レーシングチームを組んでいる純子・啓太・ヒロシと出会う。 軍馬は、他人の車を強奪し、啓太と勝負する。 最初は滅茶苦茶だったものの、軍馬は天賦の才で啓太をぶっちぎる。純子達は、軍馬の才能に戦慄。 ここの作画や演出は凄い。 pic.twitter.com/gMNEsRQVjN

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高屋敷氏脚本F-エフ-2k だが軍馬は、聖と、その恋人・ルイ子を見かけ、それに気を取られクラッシュ。ここで聖が出るのはアニオリ。聖と軍馬の縁を、より強調しており、上手い伏線になっている。 そしてサーキットを滅茶苦茶にした軍馬は、純子に「サイテーな男」と叱咤され、追い出されるのだった。 pic.twitter.com/SJ8lE4KohC

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高屋敷氏脚本F-エフ-2l その後軍馬は、父が勝手に、学校に退学届を出していたことを知って怒りを覚える。 軍馬はタモツ宅(シイタケ栽培を営む)を訪れ、その事を話す。 状況とシイタケが連動しており、物言わぬものを活躍させる、高屋敷氏の特徴が出ている。ベルばらコンテ、めぞん一刻脚本と比較。 pic.twitter.com/xBHBKqq3gI

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高屋敷氏脚本F-エフ-2m 軍馬は、筑波サーキットで聖を見かけたことをタモツに話し(前述の通り、アニオリ)、自分は家を出たらレーサーになると宣言。すると鳥が飛ぶ。 高屋敷氏の特徴である、出崎兄弟ゆずりの鳥演出が、ここでも出現。 ベルサイユのばらコンテ、太陽の使者鉄人28号・カイジ脚本と比較。 pic.twitter.com/iBaLN8LQQE

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高屋敷氏脚本F-エフ-2n 軍馬は、天才的なメカニックでもあるタモツを、自分の夢に誘うも、タモツは家の手伝い(農業)や資金を理由に、無理だと言う。ここも、落ちていくシイタケに、高屋敷氏らしさが出ている。 そこで軍馬は、家を出て行く条件として、将馬に山を１つくれとふっかけるが却下される。 pic.twitter.com/AuyzyqHhVS

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高屋敷氏脚本F-エフ-2o 軍馬が部屋に戻ると、軍馬の荷物を片付けろと命じられた、とユキが泣いていた。 「お前ともお別れだな」と軍馬が言うと、ユキが抱きつく。 原作の「最後に、もう一度抱いてください」を削ったため、ユキと軍馬の関係も、告白すらしていないような純愛に変化している。

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高屋敷氏脚本F-エフ-2p このように、台詞を１つ減らし、表情で語らせるだけで、純愛に変化させる、脚本・演出・作画の手腕に驚き。 また、純愛路線は、高屋敷氏の他の作品にも表れており、同氏の好みなのかもしれない。忍者戦士飛影・めぞん一刻脚本と比較。 めぞん一刻も、五代の純粋さが目立つ。 pic.twitter.com/4owiwo99nD

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高屋敷氏脚本F-エフ-2q そして軍馬は、総一郎の後援者をもてなす宴席に、改造トラクターで突っ込む。 原作では、宴席の隣室でユキと交わり、ふすまを開けられても性交をやめずに見せつけるという展開。 当然放送できないので、アニメではこうなったが、代替案も驚きの展開。見事な改変だと思う。 pic.twitter.com/ehE844tNCi

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高屋敷氏脚本F-エフ-2r 軍馬は総一郎に対し、赤木軍馬という存在を忘れるなと啖呵を切る。アニメでは「よーくその目ん玉の中に焼き付けておくんだ！俺っていう人間がいることをな！」という台詞が追加されている。 カイジ脚本でもそうだったが、原作通りかと錯覚するような、さりげない追加が上手い。

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高屋敷氏脚本F-エフ-2s そして、軍馬のこの啖呵は、「自分とは何か」「どういう自分になるかは、自分で決めろ」という、長年高屋敷氏が取り組んでいるテーマと、よくマッチしている。 このシーンのために全てを積み上げたような構成により、高屋敷氏の発するテーマが、色濃く表れている。

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高屋敷氏脚本F-エフ-2t 軍馬の啖呵を聞いた総一郎は、「覚えておこう」と冷静に受け止める。ここの総一郎はかっこよく描かれている。 蒼天航路脚本にて、曹操の血塗られた未来を予見する張譲(憎まれ役)が少しかっこよく見えるのと重なる。 高屋敷氏は、善悪のラインをはっきり引かないことが多い。 pic.twitter.com/E61WbOCuQb

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高屋敷氏脚本F-エフ-2u ここからの展開は、完全にオリジナル。 軍馬は改造トラクターを駆って去り、ユキがそれを追いかける。ユキの姿に気付いた軍馬は、少し下を向いた後、色々な想いを断ち切るように、前を向いてユキを抜き去っていく。 ここの表情の作画も素晴らしいし、この追加展開も素晴らしい。 pic.twitter.com/LaOe3LZ4kt

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高屋敷氏脚本F-エフ-2v 原作では、軍馬がユキに、一緒に来いと誘い、足手まといになりたくないからと、ユキがそれを断るのだが、アニメでは、追うユキを軍馬が振り切るように改変されている。 ここも、高屋敷氏が演出参加(最終回含む)した家なき子のテーマ「前へ進め」が適用されている感じがする。

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高屋敷氏脚本F-エフ-2w 軍馬に去られたユキは、軍馬の名を叫び、泣く。あしたのジョー1最終回で、旅立ってしまった丈の名を叫ぶサチ子に重なるものがある。高屋敷氏は、ジョー1にて脚本(無記名)、制作進行、演出や脚本の手伝いをしているので、その経験を生かしたかもしれない。 pic.twitter.com/lHtg9WQAQV

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