最近、エマニュエル・トッドその他複数の海外知識人の発言を集めた、朝日新書「世界の未来」を立ち読みした。トッド氏は、「子供を増やしたければ、もっとルーズになりなさい」といっていた。
2018-05-05 12:18:29数千万人が暮らしながら、ごみの散らかってない綺麗な東京をほめつつ、一方で生命というのはもっと汚い、猥雑なところから生まれると指摘。トッド氏の母国フランスでは、婚外子が多いということにふれつつ、自分自身も最初の妻と離婚が成立していないうちに、別の女性と子供を作ったことを告白。
2018-05-05 12:19:03「あんたもかい!」と思ったが、このように権威ある学者が率先してルーズだから、フランスの出生率も回復しているのだろう。いい話だ。政府与党議員は、額縁に入れて執務室に飾ってほしいくらいだ。
2018-05-05 12:19:27そうそう、トッド氏は、「エリートに独創性がない」「高等教育は、時間をかけて独創性のない人間を選別する仕組み」と、欧米の大学と政治家をけなしていました。今のマクロン仏大統領は、「ただの点取り虫」とな。
2018-05-05 15:27:47こういう発言は、日本だったら一昔前に言われつくした感があって、今、逆に聞かなくなりましたね。今の優等生的な模範解答というのは、「いえいえ、独創性なんてどうやって測るのかわからないし、テストの点数が一番はっきりした基準になりますよ」というものだろう。
2018-05-05 15:28:36私だって、あほな文部科学大臣が「独創性のある人材育成を」とか言い出せば、腹が立ってそういっている。けどトッド氏ですよ。あの、乳児死亡率その他のデータから、ソ連の崩壊を鋭く見立てた独創的研究社エマニュエル・トッド氏から、「エリートに独創性がない」といわれたら、
2018-05-05 15:29:04エマニュエル・トッドその他「世界の未来」(朝日新書、2018年)が面白かったので、朝日新聞記者によるインタビュー集「グローバリズム以後」(同、2016年)も借りてみた。「世界の未来」ほど面白くはなかったが、トッド氏が母国フランスの政治状況に深い危機感を持っていることが分かった。
2018-05-09 15:38:48トッド氏の主張を要約してみれば、かつてフランスは、経済でドイツや日本に後れを取っても、社会的寛容さがあって素晴らしい国だったのに、今ではイスラム教、ムスリムを敵視する排外主義が幅を利かせている。
2018-05-09 15:39:33しかもタチの悪いことに、彼らは「政教分離」の原則とか、フランス共和国の普遍的な理念を隠れ蓑に差別をするのだ、・・・ということらしい。日本でいえば、「在日」外国人がいかに「日本の勤勉、思いやり、気配りの美徳と相反する連中か」と熱弁されているようなものだろう。
2018-05-09 15:40:18「文化が違う」と指摘すること自体は、もちろん悪いことではない。が、「文化の違い」を隠れ蓑に、大いに憎悪や差別がまき散らされているのが日本の現状だ。
2018-05-09 15:45:36記者は、「日本も同じようなものですよ」と朝日新聞らしい(?)切り返しをしていたが、トッド氏からすれば、もともと軸が右寄りだった日本に比べ、左から右へ振れた母国フランスにショックは大きかったようだ。
2018-05-09 15:46:29ところでまた、「日本での議論がどんなものか知りませんが」と断るトッド氏だが、彼がフランスについて語ることは、いちいち日本のこと細やかな状況に当てはまるように見える。
2018-05-09 19:44:57たとえば、112ページの発言・・・「今日の社会で表現の自由を妨げるのは、昔ながらの検閲ではありません。今風のやり方は、山ほどの言説によって真実や反対意見、隅っこで語られていることを押しつぶし、世論の主導権を握ることです」
2018-05-09 19:45:19書誌情報