ある昼下がり

mass @mass_sawood

「すいません、今日は何日ですか？」って、いつの間にか目の前に立ってた老人が言うわけ。ヒゲはのばしっぱ、服は茶色とか紺とか黒とか。いかにも今日が何日か、普段から気にして暮らしてなさそうな老人が言うわけ。俺は「二日です。」って答えたわけ。そしたら、「その言葉に間違いは無いですか？」→

mass @mass_sawood

って、あいも変わらず真面目そうな口調で、死んだような、でも俺の奥深くまで見つめるような目でいうわけ。「はい、二日ですけど。」「ということは、今日が、二日だ、ということですね。あなたはそう、自信をもって言い切れるんですね？絶対に、間違って無い。今日が、二日だと。」俺はなんか哲学→

mass @mass_sawood

的な話かな、急に。ソクラテスみてーなおっちゃんだったらどうしよう。とか考えたわけ。今度はおっちゃん、「私が言わんとしていることが、わかりますか？」って真面目な顔で。俺は、「いや、何が言いたいんです？」ってこれからどんな方向にこの話が続くのか、受ける姿勢で返答したわけ。→

mass @mass_sawood

そしたらおっちゃん急に笑って、「いや、もしあなたが嘘をついているとしたら。」って言うわけ。そこで気付いた。なるほど、この人は最初っから、「今日が4/1だって思っている人を演じているんだ。」って。おっちゃん笑って、「君の友達にも試してみるといい」って言ってたけどそりゃ無理な話で、→

mass @mass_sawood

多分俺はおっちゃん位の演技は出来無いと思ったから。服装から、初対面の印象まで全部俺は騙されてたわけ。おっちゃんのはジョークじゃなくて、俺まで登場人物にしちゃう芝居だったもの。そりゃあ真似出来無い。とか思った今日の昼下がり。昼下がりだったけど、テンションは上がった。

mass @mass_sawood

あんな気の利いた年のとり方したい。