【分割版】抗不安薬に関するまとめ

抗不安薬に関する自分のツイートを抜粋しました。情報は基本的に文献から引用しています。もし抗不安薬の具体例として他に知りたいものがございましたら、ご連絡頂ければ追加致します(文献に記載のあるものに限る)。
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よみ @yomiyomixxx

精神疾患の薬に関するまとめ、分割版の第三弾は抗不安薬について。睡眠薬のところでも載せましたが、抗不安薬でも主流となっているベンゾ系薬剤の安全な止め方について、また載せています。 togetter.com/li/1232688 pic.twitter.com/FeWD4zV2ZG

2018-05-31 21:33:00
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よみ @yomiyomixxx

不安は二種類に大別できる。自分の力ではどうすることもできないことに対する焦燥感がセットになって生じる「外的なストレスによる不安」と、何かにつけて大丈夫だろうかと繰り返し確認する意識がセットになって生じる「作り出された不安」である。

2018-05-25 15:43:47
よみ @yomiyomixxx

①外的なストレスによる不安 ある事象からのストレスにより生じた不安。そのストレスが持続し、脳への負担が過大になると、それに反応して不安症状が出現する。この時、脳内では興奮性神経と抑制性神経のバランスが崩れ、興奮性神経系が優っている状態となる。興奮状態であるために、焦燥感が伴う。

2018-05-25 15:44:24
よみ @yomiyomixxx

このような状態への対応は、興奮を除去すること。興奮によって神経細胞の電荷が高くなっている「+」の状態を是正する必要がある。そのため、この神経細胞に対して「-」のイオンを流入させる働きを持つ、ベンゾ系の抗不安薬が有効となる。

2018-05-25 15:45:03
よみ @yomiyomixxx

②作り出された不安 直面している現象に対しての危険度を学習記憶と照らし合わせ、注意を喚起する信号として生じている不安。この注意喚起の信号を出すか否かの生理機能の制御を司るのがセロトニン神経系であるため、セロトニン神経系機能が低下したことにより、理由もなく不安が生じてしまう。

2018-05-25 15:45:42
よみ @yomiyomixxx

このような状態への対応には、セロトニン神経系に対して働きかける薬剤が必要である。誤ってベンゾ系抗不安薬を用いると、効果が出ずに怠さや眠気ばかりが目立ってしまう。セロトニン神経系の機能低下は、セロトニン量が減少しているか、セロトニン受容体の反応が低下しているかの2通りが考えられる。

2018-05-25 15:46:39
よみ @yomiyomixxx

セロトニンの量が減少している場合には、抗うつ薬のSSRIを用いてセロトニン量を増加させ、機能の改善を図る。受容体の反応が低下している場合には、セロトニン神経系の刺激作用があるタンドスピロン(セディール)を用いて機能の改善を図る。

2018-05-25 15:47:18
よみ @yomiyomixxx

タンドスピロン(セディール)は、非ベンゾ系の抗不安薬。セロトニン受容体を直接刺激することで改善効果を示す。服用初期の副作用に、消化器症状がある。なお、呼吸器疾患や心臓病、腎障害、肝障害のある患者には禁忌となっている。依存性が少なく、他の抗不安薬を減量する際に用いられることもある。

2018-05-25 15:48:16
よみ @yomiyomixxx

不安による刺激性亢進により不眠が起きている場合や、過緊張により頭痛や筋緊張が見られる場合は、ベンゾ系薬剤が選択される。逆に過緊張や不眠等を伴わないものは、興奮性神経系によるものではないと判断されることが多い。よって非ベンゾ系のタンドスピロンを第一選択薬として処方する。

2018-05-25 15:49:07
よみ @yomiyomixxx

睡眠薬や抗不安薬はベンゾジアゼピン系薬剤が主流。よく長期服用後の依存形成や離脱症状が話題になる。最近では眼科症状も引き起こすことも判明した。眼瞼痙攣が著しく現れることがあるらしい。視床がこの薬剤で長期に渡って抑制され続けたために、刺激入力の興奮を抑えられず過敏に反応するんだとか。

2018-04-28 16:14:23
よみ @yomiyomixxx

お昼頃に、ベンゾ系薬剤の安全な止め方について流す予定です。まず、ベンゾ系薬剤とは何ぞや?という方がいらっしゃると思うので、該当するものを一覧にしました。この中に服用している薬がある方は、依存の危険があります。後程流すツイートを是非参考にしていただければ幸いです。 pic.twitter.com/mxXcrDzKaj

2018-05-22 09:52:48
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よみ @yomiyomixxx

リプを頂くことが多かった、ベンゾ系薬剤の安全な止め方についてまとめます。依存や離脱症状を考慮していない医者が多いようです。少しでも参考にしていただいて、危機感を覚えたら転院なり何なりの措置をとることを推奨します。精神科に関しては、病院はガチャみたいなもんです。転院は珍しくない。

2018-05-22 12:09:28
よみ @yomiyomixxx

近年増加傾向にあるのは、内科や整形外科に慢性疾患のために通院中の患者の睡眠薬依存。短時間型睡眠薬が処方され、長期間連用し、増量や多剤併用へと移行、そして依存を形成するパターン。場合によってはアルコールの大量摂取にまで至り、薬物依存に加えてアルコール依存に発展するケースもある。

2018-05-22 12:10:25
よみ @yomiyomixxx

処方薬依存は、医者の注意怠慢が生んだ医原性疾患といえる。医者の指示に従った患者側に、責任は全くない。このような処方薬依存が医原性であることを知って、慎重に処方することが望ましい。

2018-05-22 12:10:55
よみ @yomiyomixxx

薬は反復して服用するうちに薬物代謝系が賦活され、薬理効果の持続作用が減少する。つまり、耐性ができる。そのため、効いていた時期と同じ薬効を得るためには、増量が必要となる。ベンゾ系の睡眠薬や抗不安薬は、この耐性がとても早く生じる薬である。

2018-05-22 12:11:46
よみ @yomiyomixxx

留意すべきは以下の点。 ①許容用量の最小限で処方を開始する。 ②効果判定は最低1週間服用後に行い、それまで安易に増量しない。 ③多剤併用は絶対に避ける。 ④改善が見られたら速やかに頓服に変更する。 ⑤3ヶ月以上服用しても改善が見られない場合は、専門医を受診する。

2018-05-22 12:12:22
よみ @yomiyomixxx

薬剤に対して耐性ができた後、そのまま服用を続けて効果を得るために増量していくうちに、薬物に対して依存が形成される。こうなると薬物を服用している状態が恒常となるため、薬物を中止または減量した際に離脱症状が出て、生活に支障を来すようになる。

2018-05-22 12:13:09
よみ @yomiyomixxx

ベンゾ系の離脱症状は、不安、焦燥感、振戦、知覚異常(痺れ)、痙攣発作、動悸、頭痛、発汗等。こうした依存を形成させないよう、最初から薬を止めるときのことを想定しながら処方し、できる限り連用を避けたり、我慢できる範囲であれば使用しないようにし、短期間で薬を止めるようにすることが必要。

2018-05-22 12:13:38
よみ @yomiyomixxx

ベンゾ系薬剤への依存が出来てしまった場合、それを治療するためには、①用量漸減法②回数漸減法③置換中止法等で中止を図っていく。何れの方法も「ゆっくりと減らす」ことが基本となる。

2018-05-22 12:14:06
よみ @yomiyomixxx

①用量漸減法 量を徐々に減らしていく方法。超短時間作用型や短時間作用型睡眠薬の中止に向いている。漸減していく直前の用量の1/4ずつを、1~2週間ごとに減らしていく。この期間のペースには個人差があるため、ケースによって個々に調整が必要。

2018-05-22 12:14:40
よみ @yomiyomixxx

②回数漸減法 服薬回数を減らしていく方法。長時間作用型睡眠薬の中止に向いている。短時間作用型の場合はリバウンドが出る可能性が高く、初期に失敗しやすい。

2018-05-22 12:15:07
よみ @yomiyomixxx

②回数漸減法(抗不安薬) 抗不安薬では、朝昼の社会活動が活発な時間以外の服用を中止し、その後日中の服用を数日に1回ずつ減じていく。最後は午前中のみの服用とし、それを今度は頓服的な服用にして中止する。最短でも半年、長い場合は2年ほどかけて中止する。

2018-05-22 12:16:17
よみ @yomiyomixxx

③置換中止法 種類を絞ってから中止する方法。多種類の睡眠薬を服用している状態から中止していく場合に用いる。複数種のベンゾ系を服用している場合は既に長期に服用しているケースが多いため、依存が形成されているのと同じ状態と考えなければならない。

2018-05-22 12:17:00
よみ @yomiyomixxx

③置換中止法(抗不安薬) 抗不安薬では、非ベンゾ系のタンドスピロン(セディール)や、催眠作用のある抗うつ薬のトラゾドン(レスリン、デジレル)等に置き換える。ベンゾ系薬剤を減じたり中止した場合に離脱症状を起こす場合には、バルプロ酸ナトリウム(セレニカ)に換えることもある。

2018-05-22 12:18:08
よみ @yomiyomixxx

③置換中止法(続き) 以上の作業を、ケース毎によく検討しながら行っていき、薬剤の種類を絞り込んだ後、用量漸減法や回数漸減法へと繋げて中止に導く。

2018-05-22 12:18:28