目標→偶数と自然数はどっちが多いのか?自然数と有理数、自然数と実数は?という問題に答える。
まず、無限にあるものの大小を比較するには、そもそも「比較するって何?」ってところから考えなければいけない。「無限」というものは数ではないから、「数字を比較する」ようには比較できないのだ #math_potency
2011-04-13 00:29:31目の前にリンゴとミカンが置かれて、どっちが多いかを比較するとき、我々はまずリンゴを数えて(5個だった)、次にミカンを数えて(7個ある)、5と7では7の方が大きいから、ミカンの方が多いと答える。脳の中ではたいていそうやってる。#math_potency
2011-04-13 00:33:00ところが目の前に自然数と偶数が置かれたとき、同じように比較することはできない。はじめに自然数に目をやって、数えはじめても、そこには「限りが無い」から、いつまでたっても偶数を数える作業に移れない。 #math_potency
2011-04-13 00:35:25そこで、考え方、「比較する」手段を変える。運動会の玉入れで、最後に紅白一緒にカゴから玉を出して、先に尽きた方が負け(=少ない)、と言う手段。これも一つの比較方法だ。リンゴとミカンの時のように、モノが有限の時にはもちろん成り立つ。#math_potency
2011-04-13 00:41:27もともと、無限にたくさんあるものの比較方法なんて無いから、うまくいきそうな方法を定義してやらなければならない。リンゴとミカンの時の方法ではうまくいかなかったから、今度は玉入れの方法で比較してみる。すると、奇妙なことになってくる。#math_potency
2011-04-13 00:45:35もう一つ決めないといけないことあった。比較する手段を決めたら、今度は「何をもって一方が他方より多いとするか?」玉入れの場合は一方が先に玉切れになった時点で残った方が勝ちとなるけど、玉が無数にあると玉切れが起こらないので勝負がつかない。#math_potency
2011-04-13 00:56:58そこで、考え方をグルっと変えて、「玉切れした方が少ない」ではなく、「玉切れしなかったら少なくない」、という風にしてみる。相手が出す玉に対して、自分の玉をいつまでも出し続けられたら、少なくとも相手と同じかそれ以上は持ってる、ってことになるよね?#math_potency
2011-04-13 01:01:28さて自然数と偶数の比較。偶数の出す玉(数字)に対して、同じ数字の書かれた玉を自然数は持ってるんだから、「偶数の個数」≦「自然数の個数」なのは明らかだ。不等号の向きに注意。#math_potency
2011-04-13 01:04:50今度は逆。自然数が出す数字に偶数が応じる。偶数の戦略はこうだ。「自然数が出した数字に対して、その2倍の数字を出す」1は2を、5には10を突きつける。すると、いつまでも玉切れすることは無い。ということは、「偶数の個数」≧「自然数の個数」のはずだ。 #math_potency
2011-04-13 01:10:55「偶数の個数」≦「自然数の個数」と「偶数の個数」≧「自然数の個数」が言えた。ということは、「偶数の個数」=「自然数の個数」でなければいけない。自然数の中にあるはずの偶数が、実は自然数と同じだけある、という奇妙な結果がでてきた。#math_potency
2011-04-13 01:14:03これが「無限」の奇妙なところ。面白いところであり、誤解しやすいところだ。無限を考える時は、「部分が全体に一致する」という奇妙な現象が起こる。#math_potency
2011-04-13 01:15:44次。自然数と有理数。直感では有理数の方が大きいような気がする。そこで、有理数の出す数字に、自然数を割り当てることにしてみる。自然数を割り当てると言うのは、目の前にあるたくさんのものを指差して「1、2、3…」と言う作業だ。これってつまり、数えるってこと。 #math_potency
2011-04-13 01:20:14有理数を数えるには、こんな方法を使う。下にいくほど分母を増やし、右にいくほど分子を増やし、数える時は斜めに数える。実際はこれと負の数を交互に数えてやると、有理数を数え上げることができる。#math_potency http://yfrog.com/h2zefugj
2011-04-13 01:34:27有理数の出す数字に自然数は応えることができた。ということは、「自然数は有理数と同じだけある」と言わざるをえない。またしても、「全体が部分と一致する」結果になった。 #math_potency
2011-04-13 01:37:30