2018年6月1日

WW1の飛行船がどれだけ人々の恐怖の対象だったか

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HAL@古き悪しき時代大好き侍 @HAL9152

WW1の飛行船がどれだけ人々の恐怖の対象だったか書くぜ! 当時、国境を守る軍隊が警戒すべきは敵の歩兵部隊や砲兵部隊。沿岸部では艦隊がその対象だった。 これらの移動速度はとても遅く、通報システムや指揮系統もその速度に合わせた物となった つまり現代の様な迅速さは求められなかったわけだね pic.twitter.com/CIuwyk1DWM

2018-06-01 18:49:09
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HAL@古き悪しき時代大好き侍 @HAL9152

そして民間への通報システムもこれと同様。 守備隊が敵発見→地域司令部に報告→総司令部に報告→政府に報告→各種自治体、報道機関に通達→国民が知る という具合。 どれだけ急いでも数時間〜丸一日は掛かった けれどこれでも敵歩兵の移動速度と比べるとかなり迅速。電信や電話もあったからね pic.twitter.com/bjgvFK0HWo

2018-06-01 18:51:09
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しかし時速100kmで移動する飛行船となると話は違う。 飛行船が国境を越えてから都市部に達するまでのラグは数時間程度。既存の警戒&通報システムでは全く間に合わなかった 司令部や政府が飛行船来襲を知った頃、飛行船は既に街を焼いて帰路に就いている。 もしくは司令部や市庁舎が焼かれるという有様 pic.twitter.com/GUsaBo6I7s

2018-06-01 18:53:18
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現在の感性だと飛行船は遅くて脆くて鈍重な乗り物だけど当時はまさしく電光石火の兵器だったんだ。 海も山も要塞も師団も飛び越えて直接攻撃してくるわけだからね。想定外も良い所。まさに未来の兵器。 だからこの兵器を人々は大いに恐れた。ある日突然上空に現れて街や人を焼く悪魔そのものだから pic.twitter.com/qXsM0Tbhyl

2018-06-01 18:54:44
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HAL@古き悪しき時代大好き侍 @HAL9152

当時の新聞やその挿絵は飛行船を恐怖の象徴として描きているけどこれも決して誇張ではない。 当時の人々はまさしく飛行船をこのよくに見ていたんだ。 じゃあこの恐怖の大王に対して防衛側は如何にして対抗したか。 これは端的に言うと「全然抵抗出来なかった」んだ。少なくとも初期の頃はね pic.twitter.com/YvBuyWJ6S9

2018-06-01 18:56:21
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そもそも「防空」という概念もまた希薄な時代だったから、国土に配備された対空砲は二桁程度というのもザラ。 その対空砲も機関砲を暫定的に対空砲と呼ぶに過ぎず、飛行船と戦うにはあまりに貧弱だった。 戦闘機も旧式が少数配備される程度で「一応対抗出来る」程度の存在だったんだ pic.twitter.com/Lo7XN7uqk8

2018-06-01 18:58:01
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さらに問題だったのは監視&通報システムの不備が挙げられる。 巨大な飛行船なんてすぐに発見出来ると思うかも知れない。 しかしそれに対応するには司令部、政府、自治体、警察、消防、病院、国民に迅速に情報が伝達されなければならない。 そのシステムが無かった。あっても欠陥だらけだった pic.twitter.com/hGyePqA1QB

2018-06-01 18:59:37
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仮に兵や市民が飛行船を見つけても何処に伝えるべきか分からなかった。 警察?最寄りの駐屯地?それとも首都の司令部?市役所? 情報は錯綜するか停滞するかの二択となってしまった 実際、最初の英国空襲では英側の情報伝達が上手くいかず飛行船無双の様相を呈していたんだ pic.twitter.com/Ww0oMnEZBx

2018-06-01 19:00:45
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そんな状態で飛行船から爆撃を受けた英国はどうなったか。想像するまでも無く地上は地獄と化したんだ 初のロンドン空襲の際、沿岸の防空隊は独軍飛行船を発見したけれどロクに迎撃も出来なかった。 対空砲は射程不足、指揮を執る存在もない、夜間故に戦闘機は飛べず、暗くて敵を捕捉出来ない有様 pic.twitter.com/fKCls5RMUL

2018-06-01 19:01:46
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さらにこの時代のロンドン周辺には防空隊と呼べる物が皆無に等しかった。 その周辺にあるのは10門程度のポンポン砲と僅かな防空戦闘機、あとは通常の歩兵師団程度。 上空3000mを飛ぶ飛行船に対して彼等が出来ることは殆ど無かった。ただ飛行船に探照灯を当てて見つめる他無かったんだ pic.twitter.com/oIOwqwYiAG

2018-06-01 19:04:59
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一応彼等も意地を見せてライフルや機関銃、対空砲で攻撃を試みたけれど弾は届かなかった。 戦闘機隊も無理して夜間出撃したけれど飛行船まで辿り着けなかった。それどころか事故で何機か大破する有様 そんな英軍を他所に独軍飛行船はロンドン上空を悠々と飛んで総数2tもの爆弾を投下する事となる pic.twitter.com/kp0yFMK8pm

2018-06-01 19:07:15
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恐るべき事にこの飛行船は1時間にもわたってロンドン上空に鎮座して爆撃を行った。 反撃の手段を持たない英軍と英国民にとってこれ程の恐怖はない。 時速100kmで移動する飛行船にとってロンドンを端から端まで移動するのは造作もない事。 この1時間、ロンドン中の人達がこの飛行船に命を握られていた pic.twitter.com/9R21dVJuwf

2018-06-01 19:08:17
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何度も言うけれど今日残された飛行船を描いた絵や新聞は飛行船を悪魔のように描いている。 これは誇張でもなんでもなく英国から見た飛行船の姿そのものなんだ。 空から爆弾を降らせて街を焼き尽くす飛行船は、現代で言う所の弾道ミサイルに匹敵する恐怖の対象だったと言っていい pic.twitter.com/5RlB4E2aDE

2018-06-01 19:09:25
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そしてこの爆撃によってロンドンは大きな被害を受けた。 後のWW2に比べると被害は限定的と思うかも知れないけれど、これは全人類が経験したことの無い攻撃と被害だった。 ほんの数年前まで19世紀だった当時、人々がこれを見てどう思うか想像してほしい。 彼らが受けた衝撃は計り知れない pic.twitter.com/HmnzkM7xEi

2018-06-01 19:10:19
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HAL@古き悪しき時代大好き侍 @HAL9152

しかし英国はこの被害に決して挫けなかった。 彼等は空襲の経験から「これから必要となる物」を徹底的に研究し、現代の防空の基礎を築いたんだ 夜間戦闘機隊の設立 対空砲の増強と改良 通報システムの改良 空襲警報システムの構築 監視員や監視塔の増強 軍、警察、消防の連携強化 避難所の設定 pic.twitter.com/ZzaGTLblXE

2018-06-01 19:14:31
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しかしこうした頑強な防空システムも決して十分では無く、飛行船もまたあの手この手でこの監視網をくぐり抜けた。 夜間攻撃、雲上からの空襲、ゴンドラによる観測、風による無音飛行、航路の変更なんかでね。 しかし少なくとも英国は飛行船に対抗出来るようになった。これが非常に大きかったんだ pic.twitter.com/HlrF0bxWMe

2018-06-01 19:15:22
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HAL@古き悪しき時代大好き侍 @HAL9152

元来飛行船は脆くて鈍重な乗り物。戦闘機や高性能な対空砲相手だと相当不利なんだ。 飛行船が前線であまり利用されなかったのも「攻撃を受けると弱い」からに他ならない 故に強力な防空システムを組んだ英国相手だと徐々に分が悪くなった。撃墜されたり遭難したら事故で失われる物も出てきたんだ pic.twitter.com/81GY6AqPcK

2018-06-01 19:16:44
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飛行船は確かに恐るべき兵器だったけれど、それは相手が対抗手段を持たなかったからというのも大きい。 ひとたび敵が学び、備えを整えられると飛行船は太刀打ち出来なかった。 そうしてWW1後期には出番を失い、後継の重爆撃機がその任を受け継ぐこととなった pic.twitter.com/H315Xc9Ehw

2018-06-01 19:17:37
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HAL@古き悪しき時代大好き侍 @HAL9152

しかし飛行船が築いた功績は大きく、この都市爆撃の概念は後にWW2へと受け継がれてさらなる地獄を作り上げた。 WW1当時の英国人は「もし飛行船が大編隊でやって来たら…」と恐怖したけど恐ろしいことに数十年後にそれが現実となる。 技術と戦術の進歩は飛行船を超える破壊を生み出したんだ。 pic.twitter.com/Ng2clf2Ghv

2018-06-01 19:19:25
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HAL@古き悪しき時代大好き侍 @HAL9152

まぁ飛行船は色々と考えさせられる兵器だけれど俺は好きだよ。 その巨体や構造は独特の物があるし、脆さや鈍重さを補う為の運用や作戦は独創的で魅力的に見える。 しかし日本ではイマイチ人気がなくて文献や資料が少ない。調べるには英語かドイツ語が必要でなかなか骨が折れる pic.twitter.com/FHqf1a8S9n

2018-06-01 19:20:19
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HAL@古き悪しき時代大好き侍 @HAL9152

俺よりもっと賢くて英語とドイツ語が堪能な人が飛行船に興味を持ってくれたら、俺が地道にコツコツと調べる必要もなくなりその人の知識に乗っかるというのに(他力本願)

2018-06-01 19:20:48
すばじょ~ぐぅ~。毎日が その場しのぎの 繰り返し。 @udonmarunomi

@HAL9152 今では広告を貼ってゆったり浮かぶ飛行船が、まるでクトゥルフ神話の邪心のような未知なる恐怖の存在だったとは、いい勉強になりました!! 本当にありがとうございます。

2018-06-01 22:04:08
NNMK2 @NNMK2

そういう意味ではロンドンは常に新しい脅威を世界で最初に体験してきたんだなぁ、飛行船、爆撃機、そしてミサイル・・・

2018-06-01 22:16:59

コメント

いそむら忘久@とまや工務店 @i8o 2018年6月2日
やっぱり進撃の巨人に出てきたオニャンコポンの飛行船は飛んでる所が低すぎだわ
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Chariot@モデルナツインドライブ @BLACK_RX_24 2018年6月2日
そらシュトロハイムも「ブァカ者がァアアアア ナチスの科学は世界一チイイイイ!!」って言いたくなるわな
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pz5p6t7m @pz5p6t7m 2018年6月2日
市民にとってはその巨体の放つインパクトも畏怖の対象となったでしょうね。空を飛ぶ人工物としては月ロケットやジャンボ機をも凌いで史上最大だし。
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とまとのゆっきー @vicy 2018年6月2日
ヒラコーのおかげて、ナチスっていうと飛行船のイメージあったけど、あれWW1の兵器だったんか
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永遠の初見=サン @Eternal_NewMan 2018年6月2日
その後、日本は、B29とかいうアメリカでしかなし得ない爆撃機に蹂躙されるのであった。 やっぱり、アメリカはチート
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特急ニセコ @ExpressNiseco 2018年6月2日
イギリスによる飛行船対策、「新しい技術は戦争の中で生まれる」を地で行く形だったんですね…
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ふじこ @hujikodesu 2018年6月2日
最近飛行船全く見ないね。平成初期はしょっちゅう見たのになぁ
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Hoehoe @baisetusai 2018年6月2日
何故ジュットラントに飛ばさなかった
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未知神明(みちがみ・あきら) @ontheroadx 2018年6月3日
悪魔とか邪神って言うより、ファンタジー世界のドラゴンやね。
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白露ニシキ @HAKURO_Nishiki_ 2018年6月3日
「対抗手段がない」っていうのが何より怖いよねえ。ゲームでも「手強いが、倒すことができる敵」より「一切攻撃できる手段がない敵」のほうがずっと怖いもん。たとえ前者が破滅をもたらす大怪獣で、後者が斧を持っただけの生身の人間であっても。
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𝓐.𝓒.🚀𝙽𝙲𝙲𝟷𝟽𝟷𝟶𝚑𝚑𝟸 @AnamesonCraft 2018年6月3日
WW1終結から僅か四半世紀程で飛行船は兵器として使い物にならなくなり、全金属製の大型爆撃機どころかジェット推進の巡航ミサイルでロンドンを爆撃するんだから20世紀前半の技術開発の速度はちょっと異常だ。
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PYU @PYU224 2018年6月18日
面白いまとめだった。
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