日本陸軍の作戦給養について

日本陸軍は補給を軽視したというのが定説ですが、それでは補給についてほとんど考慮していなかったのでしょうか。 日本陸軍の作戦給養について、教範をもとにつぶやいてみました。
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あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

日本陸軍は補給を軽視していたと言われているが、補給についての基礎的な教育や研究は行われており、とくに戦闘期間中の補給を「作戦給養」といっていた。

2018-06-04 13:04:16
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

作戦給養とは、作戦の情況に応じてこれと調和して行う作戦軍の人馬に対する給養のことを言い、その要領は適時適所に所要の給養品を整備するとともに、これを適切に補給を行い、軍がいかなる情況に直面しても、常に給養を確保することにあるとした。

2018-06-04 13:07:05
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

また、作戦指導には必ず給養の保証が必要であり、給養は作戦の企図を拘束せず、さらに作戦を助成することを作戦給養の主義とした。

2018-06-04 13:11:04
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

このように、作戦給養は軍の戦闘能力を保持する手段であり、武力手段その他作戦行為と同じように、戦勝が究極の目的とし、その成否は直接戦争の勝敗に影響するとしていた。また日本陸軍では、戦争は作戦に対する補給の消長が戦争勝敗の重大な決定要素であり、作戦上給養を考慮しなければならないとした

2018-06-04 13:15:45
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

作戦中の軍隊の給養は、作戦上の要求が特に厳切であることと戦場における情況の推移変化について予察することが難しいことから、仮に物資が豊富な地方において作戦を行う場合であっても、給養を適切にすることは極めて難しいこととされていた。

2018-06-04 22:11:24
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

ことに、近代戦においては兵力の増大、補給の激増、兵器とくに火器、航空機の発達に伴う戦術の変化等は、作戦中の軍隊の給養業務は益々複雑かつ困難となり、給養上考慮すべき事項に関しては、単に作戦を実施する軍自体の給養を満足させるだけに止まらず、

2018-06-04 22:13:35
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

国家財政との調節、全軍補給資源の節約等に協力する必要は一層切実なことになった。 要するに、給養は重要な作戦行為の1つであり、それが適切に行われるか否かは軍の作戦能力の消長に関係することが大であり、適切な給養の実施は作戦の情況に調和させることによって初めて、

2018-06-04 22:16:01
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

これを期待できる。これが給養勤務の要旨とするところである。

2018-06-04 22:16:39
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

「糧ニ敵ニ拠ル」は古来より給養の原則とする所であり、作戦軍は戦場が敵国であろうと自国内であろうと問わず、常に戦地の資源を利用して自活することを有利としていた。しかしながら、戦地の資源は常に軍の所要を充たすことはできず、

2018-06-04 22:23:28
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

また仮に資源が豊富な場合にあっても、作戦の情況によってはこれの利用が出来ないことが少なくない。また一カ所に多数の軍隊が集中し、しかも駐留期間が長期にわたる時は、早晩資源の涸渇を来すことになる。これに加え、国家財政上の要求等により、現地物資の利用に制限を受けることが少なくない。

2018-06-04 22:25:27
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

これにより、いずれの場合においても作戦軍に対し給養品を追送する必要が生じる。

2018-06-04 22:26:26
あずLOVE@晴れの国で戦史研究! @nakachandaisuki

最初からやろうとしなかったことと、やろうとして出来なかったこと。結果は同じでも、この2つの間には大きな違いがあると思います。画像は、昭和二年九月の陸軍経理学校配布資料より。 pic.twitter.com/r2r7muZRLK

2018-06-04 22:41:40
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