「二度目の人生を異世界で」実際に読んだ人の評価

読まずにする批判は単なる言論封殺
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小説家になろう:二度目の人生を異世界で
https://ncode.syosetu.com/n6332bx/

松浦晋也 @ShinyaMatsuura

このtweetよりの連続投稿は要チェック。これだけ読むと、ノーマン・スピンラッドが「鉄の夢」でカリカチュアとして描いたものを、大まじめに本気で書いてしまった作品のように思える。 twitter.com/kemohure/statu…

2018-06-08 14:00:24
kemofure @kemohure

「二度目の人生を異世界で」、なろうで読み進めているんですが、これ、主人公の悪の取り扱い方が独特で、今回問題とされた設定と結びついているんですよね。本作の文芸批評が読みたいんですが見つからない。擁護派も批判派も読んでいないか、読んでいても言及しない模様。仕方ないから自分で少し書く

2018-06-08 00:54:03
kemofure @kemohure

「二度目の人生を異世界で」、なろうで読み進めているんですが、これ、主人公の悪の取り扱い方が独特で、今回問題とされた設定と結びついているんですよね。本作の文芸批評が読みたいんですが見つからない。擁護派も批判派も読んでいないか、読んでいても言及しない模様。仕方ないから自分で少し書く

2018-06-08 00:54:03
kemofure @kemohure

「二度目の人生を異世界で」の特徴は、主人公が世界大戦(日中戦争も含むであろうことが明言はされていないが示唆的である)におけるジェノサイドの実行者であることで、それは主人公の個人的な属性である戦闘技量と結びついており、全体的に個人の戦闘力がシステムを超えるというストーリーになっている

2018-06-08 00:56:45
kemofure @kemohure

世界大戦は個の英雄の物語ではなく、システム的な戦争、巨大な軍事メカニズムの複雑な衝突としてありますが、本作においては主人公は絶対的な強さ、命を奪う技量の絶対性によって、そういったシステムを超える故に、主人公は正しいという独特の価値観が全体を通してある。S・ハンターの小説などに近い

2018-06-08 01:00:22
kemofure @kemohure

社会システムは善悪を保証するものではなく、故に善悪もなく、システムを超える個人の強さだけが全てだという極めて虚無的な世界観になっていて、それを強さによって肯定する構造になっている。故に、主人公の行動は如何に残虐非道であっても正義であり善であり、敵は悪であると結び付けられる。

2018-06-08 01:03:33
kemofure @kemohure

全体的に凄く虚無的で、イデアルな善悪や真善美は何もなく、現実に対する絶望からへの現実の力としての悪への肯定のようなものを感じる作品だと思います。これが大人気作品ということ、日本の若者に絶望が広まっているんだなあと感じずにはおれなかった。最後にスローターダイクから少し引用致しますね

2018-06-08 01:08:14
kemofure @kemohure

「先にみたように、ワイマールの時代精神には、悪といえど世に通用する不可避の現実ではないかと称して、諸悪を一種独特のイロニーやシニカルな頑なさで肯定しようとする態度が備わっている。この肯定には、追い詰められた(現状追認的な)受身的な傾向が容易に透けて見える」(スローターダイク)

2018-06-08 01:10:44
kemofure @kemohure

補足すると、創作における表現は最大限の自由があるべきだと考えており、創作内容が反道徳的だったりしても、そのことと面白さには関係がないと思います。本作は毒々しいブラックな作品であり、その実、結構面白い作でもある。世界大戦の設定と作者本人の差別発言がなければと思わずにはいられません。

2018-06-08 01:27:02
kemofure @kemohure

更に補足すると、作家の行う反社会的な政治活動について、ファシズムと人種差別の政治活動をした作家についての諸問題で『作家であろうと特別扱いせずに罪を裁くべき』と結論が出ているんですね。作家だけ特別扱いすることこそ、反民主主義的かつ反自由主義的、最終的に本を焼く事態に連なると思います

2018-06-08 01:35:15
kemofure @kemohure

更に補足すると、作家の行う反社会的な政治活動について、ファシズムと人種差別の政治活動をした作家についての諸問題で『作家であろうと特別扱いせずに罪を裁くべき』と結論が出ているんですね。作家だけ特別扱いすることこそ、反民主主義的かつ反自由主義的、最終的に本を焼く事態に連なると思います

2018-06-08 01:35:15
kemofure @kemohure

「二度目の人生を異世界で」のように、作者が差別発言をしても、それに対する批判を『作者の発言を批判すると出版社が出版停止する!言論弾圧だ!本を焼くつもりか!作者を批判するな!』という異様に捩れた非論理的レトリックを持ち出して一切の批判を封じようとする動きこそ、最大の危険だと感じる。

2018-06-08 02:04:31
kemofure @kemohure

差別発言に対する批判は必要で、出版停止の問題は、出版停止をする出版社を批判すべきなのに、それが『差別発言を批判することが出版停止を招く元凶』と倒錯させられて、言論弾圧を防ぎたければ批判するなという意見に擦りかえられているこの論理のすり替えを、きちんと見なくてはいけないと思いますね

2018-06-08 02:09:30
kemofure @kemohure

上記のすり替えのレトリックで使われている「批判をすると敵(言論弾圧)を利するから批判すべき時でも批判するな」って、典型的な抑圧のレトリックですね。どこかで読んだと思ったらゴッドフリート・ベン「二重生活」だ。常に情勢につけ、理想は持つなというファッショ的思考法として描かれている。引用

2018-06-08 02:22:31
kemofure @kemohure

言論の自由を大事にするなら、出版停止した出版社を問題視すべきなのに、そういった視点が一切なく、出版社は完全免罪して、いきなり「差別発言を批判した連中が悪い!奴らは言論弾圧をしている!本を焼く連中だ!批判を封じろ!」とか、メチャクチャを言ってくる人々に惑わされてはいけないと思う。

2018-06-08 03:02:49
kemofure @kemohure

今回の「二度目の人生を異世界で」の場合、なろうで無料で今も普通に読めるんで、私みたいに騒ぎになったので一つ読んでみようと思って読み始めた読者が一杯いそう。こういうところはインターネット時代の小説の利点ですね。

2018-06-08 03:49:37
kemofure @kemohure

つうか、これ、テンプレ的な異世界転生物に見せ掛けて、その実はブラックなピカレスク・ロマンで主人公が人間的感情が欠落した狂戦士的な人物であるところが物語的に最大の肝だと思うけど、誰も指摘していないところを見ると、話題になったのにマジで話題にしている人々に読まれてないのか...。

2018-06-08 03:57:00
kemofure @kemohure

主人公が人間的感情と倫理性が欠落した人物でそれを絶大な強さと表層的なカリスマでカバーしているというのは、丸山くがねさんの「オーバーロード」の影響を感じる、オーバーロードのオマージュ元が奈須きのこ作品であることを考えると、奈須さんの系譜に連なる作の一つといえるかも知れないですね。

2018-06-08 04:16:18
kemofure @kemohure

この作品のことは置いておいて、ピカレスク・ロマンは好きなので、もっと流行ってくれると嬉しい。アニメ化されるピカレスク・ロマンとか「ルパン三世」とかぐらいで、中々ないですから。この作品がもしアニメ化されていたら、アニメ主人公の中でもダントツ邪悪な主人公として名を馳せたと思う

2018-06-08 04:30:18
kemofure @kemohure

>責任を取るべきはこの作品の製作と製作中止を決めた製作側 完全にこれで、差別発言を批判するなと言っている人々が上記から完全に目を逸らしているのは本当におかしい

2018-06-08 11:21:54
kemofure @kemohure

>この人の差別的ツイートを見た。悪質だし、全面批判されるべきだが、作品の出荷停止には首をかしげる まさにこれで、今起きているのが「批判したから出荷停止が起きた!作家の発言には一切の批判をするな!」という批判者を攻撃するバックラッシュが起きている。差別を常態化しようとする言説で危険

2018-06-08 11:31:09
kemofure @kemohure

「日本人は言論弾圧なんてしない」は流石に、もう少し歴史を勉強してくれとしか言いようがない

2018-06-08 11:34:03
kemofure @kemohure

今もちゃんと、なろうで無料で読めるようになっているところは、表現の自由的にもほんと評価すべきところだと思う。

2018-06-08 14:34:15
kemofure @kemohure

今回の小説の問題とは全く関係のない、なろうのシステム的な問題として、書籍化の為には頻繁に更新してデイリーの人気を上げていく必要があるので、短いぶつ切れの話をどんどん投稿することで、話が細切れになって、一般の小説みたいな起承転結を上手く付けられなくなっているのは気になった。

2018-06-08 14:41:35