黒瀬陽平氏(美術批評家、美術家)と高橋健太郎氏(音楽評論家、音楽家)が、黒瀬氏「五木田智央展」美術評欄を巡って激論
「○○の劣化コピーでしかない」と述べているように、オリジナリティが薄いという話だと思います。アートの場合、新しいスタイルや表現な考え方の発明=芸術的価値=市場価値みたいな構造になってて、そうでないケースへの反発がこの方にはあるようです。この考え方など典型的twitter.com/kaichoo/status… twitter.com/kentarotakahas…
2018-06-10 07:47:54歴史画だけでなくモダニズム以降も基本はそうで、ロスコやニューマンが出てきたら「絵画はここまで来たか!」と驚嘆し、ブライス・マーデンやトゥオンブリーが出たら「その手があったか!」と膝を打つのが絵画なのです。それが正しいとは思わないけど、そういうもんだという認識は必要。 twitter.com/pinetree1981/s…
2018-06-09 01:19:22五木田さんの絵、ポップ・アートして好きだけれどね。世界的画家として、作品が高額で売れるとなると、趣味性や引用性が強過ぎて、美術的価値を裏付ける強靭な何かが足りない、とされるのかな。
2018-06-09 20:24:32多分音楽に比べると、美術は批評がもっと市場価値に直結していて、一点もの高級商品市場という市場特性が関係しているんですが、目の肥えた人の批評に耐えうるオリジナリティの強い作品にずっと価値を与えてきた。このやたらオリジナル至上主義なところは音楽に比べると美術の変なところではあります。 twitter.com/kentarotakahas…
2018-06-10 07:47:57マーケットの違いみたいなものかな。音楽の世界はもはや複製を売ることからも脱却して、すべての音楽が横一線にストリーミングの再生回数で測られる、みたいなところに進みつつあるので、ポップ/アートのマーケットの違いとか希薄になってるけど。
2018-06-09 20:30:19五木田智央って初めて見て単純にかっこいいなと思った。でも「過大評価だ。○○のパクリじゃん」と思う人がはっきり言うのは批評としては健全。だけども、美術と市場の関係を問い直すなら、そもそも美術市場とは何か、ずっとアートと市場は不可分だった事への問い直しがもの足らない。いつも思うけど。 twitter.com/kaichoo/status…
2018-06-10 08:16:036/8の東京新聞夕刊の美術評欄で、東京オペラシティギャラリーで開催中の五木田智央展について書きました。先ごろ話題になった「先進美術館」問題にも触れています(オペラシティギャラリーは「ギャラリー」と名乗ってますが、公益財団法人の運営管理なので「美術館」扱いとしています)。 pic.twitter.com/ZW9Q0mOZBF
2018-06-09 10:31:41それって、平たく言うと、最初に考えついた人がエライ、ということですよね。音楽の世界にも、そういう新しい音楽はあるけれど、でも、方法論は何の変哲もなくても、こんな声聴いたことない、みたいな衝撃を受けることもある。 twitter.com/pe_gyoF/status…
2018-06-10 08:51:26その人にしかないタッチや呼吸みたいなもの。五木田さんの絵はそれは持っていて、だから魅力的だと思いますけれどね。ただ、古い雑誌をパラパラしていると、描きたいものを見つかる、と本人がさらっと言っちゃうような人だから、美術批評論壇には物足りないのかもしれないです。 @pe_gyoF
2018-06-10 08:55:12朝日美穂『Thrill March』のイラストレーションは五木田智央さんに描いてもらった。1999年か。 youtube.com/watch?v=C0n-bu…
2018-06-10 09:08:22五木田さん、この時はお会いしてないんだよね。何年も経ってから、ソニック・ユース観に行って、楽屋にジム・オルークを訪ねていったら、ジムが「友達の五木田さん」と紹介してくれた。あ、絵をお願いしました、とそこで初めて挨拶した。
2018-06-10 09:19:02参照できる美術史的位置づけとか、批評家による支えがないと楽しめないって、アートの病いじゃないのかしら。 twitter.com/diceque/status…
2018-06-10 11:56:48黒瀬さんのもっともな論調。 僕自身は五木田展を大いに楽しんだので、アートの文脈で五木田擁護もしくは積極的肯定のために紡がれる言葉が、今後あることを期待している。 twitter.com/kaichoo/status…
2018-06-09 18:43:36あと、この評にしても、手法的にはコピーに過ぎないという指摘なら頷けるのだが、「劣化コピー」とまで言い切っているので、ならば、何が「劣化」なのか示されないと、曖昧なdisに終わると思うんだよね。 twitter.com/kaichoo/status…
2018-06-10 12:02:49好きとかカッコイイでは終わらない、曖昧ではない芸術的価値の論述を待つ、というのなら、まずは自らが批判的立場なら批判的立場なりの曖昧さのない批評を投げないと、意味ないように思えるのだよ。でも、それよりはマーケットや展示への不満が先行して述べられているのが、この評に見える。
2018-06-10 12:12:29状況論的に言うと、美術批評(家)という絶滅危惧種を未来に向けて生き長らえさせないといけない。細々とでも。その価値はあると思います。展覧会そのものは花盛りで、どこも批評(家)抜きに未曾有の来場者数を更新しているように見えます。 twitter.com/kentarotakahas…
2018-06-10 12:13:45なので、構造的にはこの評は、五木田展評というよりは、筆者が言いたいことのために、芸術的価値と商品的価値の乖離の一例として、タイミング良く行なわれた五木田展がダシにされたものに映るのだ。
2018-06-10 12:33:39作品自体に向き合うことよりも、マーケットや受容の在り方を論ずることに重きを置いた評論が増えているのは、音楽の世界にも言えることだけれど。
2018-06-10 12:37:17そういう印象は受けました(職業的危機感が背景にある)。でも、批評家の価値付けを待たずに売れちゃうって、僕なんかから見れば、五木田さんカッコイイという話でしかないし、すでに売れているものの遅れた価値付けが批評家の仕事なの?とも思う。 twitter.com/diceque/status…
2018-06-10 13:07:20すでに売れているものを難しい言葉で語って権威付けしてあげるなんて、これっぽっちも面白い仕事に思えないもんなあ。それよりは、新しいアーティストを見つけることにエネルギー注いだ方が面白いこと起こるような気がするけれど。
2018-06-10 13:16:28売れる・売れないというのも非常に重要な尺度ではありますが、批評家はより多様な視点を導入する存在です(高橋健太郎という稀有なる批評家が音楽に対してそうしているように)。しかし、あえて売れる・売れないに拘泥するなら批評家は価値暴落も予言できるわけです。 twitter.com/kentarotakahas…
2018-06-10 13:22:40あ〜、価値暴落というのは、音楽評論家にはあまりない視点かもしれませんね。中古で1円になるというのと(それはつまり大量に売れた証)、一点ものの美術品の価値暴落は違いますもんね。 twitter.com/diceque/status…
2018-06-10 13:52:20音楽の世界では、中古で1円になった作品も、ストリーミングとかカラオケとかでまだまだ稼いだりするしな。
2018-06-10 13:54:31@kentarotakahash 音楽だと、再発されなくなる、カラオケに入らなくなる、ラジオで掛からなくなる、生で演奏されなくなる、譜面が参照されなくなるといった全ての局面での低下が、美術品の価格暴落にあたるんじゃないですか。フィジカル商品だけが対象じゃなくて。
2018-06-10 13:59:51なんて仰りつつ高橋健太郎さんは市場で1円の価値さえ付かない音楽、忘却の彼方にある録音物なども掘り起こしているわけで。それは音楽史の再編成であると同時に、そうした忘れられた作品だけでなく、だれもが価値を疑わない音楽作品をも再度、評価の土俵に立たせる営為(批評)であるわけだ。
2018-06-10 14:07:19忘却ということですよね。でも、複製芸術を売ることに長けた音楽産業は再評価・再利用的なことを何重にも仕掛けてくるので、そういう暴落はなかなか起こらない。 あるいは、それは音楽というものが否応なく、人の内側に、記憶に刻まれ残るものだということにも関係しているかもしれません。 twitter.com/RJTBU/status/1…
2018-06-10 16:17:56一度、ポピュラーになった音楽は、それを記憶にとどめている膨大な数の人を有しているので、その人達が死に絶えるまでは、なかなか全面的な暴落はしないんじゃないかという気はします。それは「記憶をいじる」ことが音楽の面白さの根源にあることとも通じているように思います。 @RJTBU
2018-06-10 16:21:13@kentarotakahash @RJTBU 「記憶をいじる」に関しては小西さんとのDUB対談でも指摘されていましたね。オーディエンズの歓声を取り入れているKLFの局を引き合いに「コンサートの記憶を呼び起こすトリガー」というような趣旨だったかと。
2018-06-11 09:30:18はい、「反復」を使って「記憶をいじる」ことが音楽ではいろんなスケールで行なわれている。そう気づくきっかけの一つが、あの対談でした。 twitter.com/mmdopeonwax/st…
2018-06-11 09:59:57