米朝首脳会談(2018/06/12-シンガポール)に於いて出された共同声明について国際関係学者の解説
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2018年4月27日に行われた『第三回 南北首脳会談』についての解説はこちら
米朝首脳会談前夜-考察-
金正恩氏 シンガポールの名所観光=朝米会談前夜にお出かけ : 【シンガポール聯合ニュース】朝米(米朝)首脳会談のためシンガポールを訪問中の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が11日夜、宿泊先のホテル... yna.kr/nbP.aJxDAaM
2018-06-12 00:21:49金正恩氏 シンガポールの名所観光=朝米会談前夜にお出かけ
2018/06/12 00:21
朝米(米朝)首脳会談のためシンガポールを訪問中の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が11日夜、宿泊先のホテルから外出し、植物園の「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」や統合型リゾート施設「マリーナベイ・サンズ」など、市内の名所を観光した。
金委員長はガーデンズ・バイ・ザ・ベイで、バラクリシュナン外相らシンガポール政府関係者と共に記念撮影も行った。シンガポールの大型劇場「エスプラネード」などにも立ち寄ったと伝えられた。
金委員長はこの日午後9時4分(日本時間同10時4分)ごろ、金委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長、李洙ヨン(リ・スヨン)党副委員長、キム・チャンソン国務委員会部長らとともに、宿泊先のホテルから外出した。
(聯合ニュース)
北の非核化合意において「神は細部に宿る」が、そもそも米国は既に非核化の意思を持たないのではという疑念が強い。ポンペオはCVIDに拘るが、肝心なトランプに拘りが見られない。そうなると細かい手続きに注目する意義が乏しくなってくる。多少のルートの違いはあっても、行きつく先が同じである。
2018-06-12 00:34:36むろん、トランプとて、お馴染みの予測不能ぶりを今後も繰り返す可能性は高い。彼が関心あるのは非核化ではなく国内の評価なので、国内的に批判が強まれば会談の後でも掌返す可能性はある。だがいずれにせよ、ここまで宥和ムードを作ってしまえば、特に中韓の対北傾斜の流れが決定的である。
2018-06-12 00:36:40ひとたび北の「ほほ笑み攻勢」に乗ってしまったあとでは、「最大限の圧力」路線に戻ろうとしても現実的でない。中国の制裁迂回は止められないし、韓国の対北宥和傾斜も止められない。韓国船籍の船が堂々と北に「瀬取り」(未遂)している状況が既にある。厳格な非核化を求める勢力は既に負けたのだ。
2018-06-12 00:39:18米朝首脳会談当日
正恩氏「簡単な道ではなかった」…米朝首脳握手(yomiuri.co.jp/world/20180612…)…「ここまで来るのは(まず核戦力を完成させないといけなかったし、対話攻勢に出た後にそれをどう隠匿するかの算段も済ませる必要があったので)簡単ではなかった」(by 金正恩)
2018-06-12 12:14:42米朝首脳会談、13秒間の固い握手で幕開け
2018年06月12日 14時08分
トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による史上初の首脳会談は12日、13秒間の固い握手で幕を開けた。
世界の注目を集める中、両首脳は時折笑顔を浮かべながらも、緊張感が漂う雰囲気で歴史的な会談をスタートさせた。
両首脳は午前9時過ぎ、交互に並べられた両国の国旗前にゆっくりと歩み寄った。
「お会いできてうれしいです」。正恩氏はトランプ氏から手を差し伸べられると、こうあいさつし、トランプ氏の手を握った。
両首脳は握手をしながら、互いの真剣さを推し量るように見つめ合い、トランプ氏が声をかけると、正恩氏は軽くうなずいた。正恩氏は、笑顔を振りまいた文在寅ムンジェイン韓国大統領との4月27日の南北首脳会談時よりも緊張している様子だった。
(ここまで342文字 / 残り656文字)
(読売新聞)
現在の情勢は、見事なまでに「北の一人勝ち」の様相である。北は望むものを殆ど全面的に手に入れようとしている。 *核戦力を既に手にした。 *対北宥和志向の韓国政権を手にした。 *中朝関係の劇的改善(と部分的制裁緩和)を手にした。 *何らの譲歩なしで米朝会談開催を実現した。 (続く)
2018-06-12 12:21:25(続き) *日米関係に楔を打ち込み、日本を決定的に孤立させた。 *CVIDに基づく非核化を曖昧にしたままで、朝鮮戦争終結宣言と事実上の体制保証を得ようとしている。 *同じく国連安保理決議に基づく制裁解除も得ようとしている。 *核以外の大量破壊兵器や弾道ミサイルの廃棄を曖昧にした。
2018-06-12 12:25:05北朝鮮は結局は核兵器を温存したまま制裁解除や体制保証の果実を手にいれ、事実上「核保有国」としての地位を国際社会から黙認されるだろう。 要するに「NPT外での核開発はその過程でどれほど大きな非難を浴びようと、最終的には大きな果実を生み出す」と言うことだ。ならば日本も真似るべきである。
2018-06-12 12:27:31過去にも同じことが繰り返されていた
オバマ政権時代に今回の米朝首脳会談と同じ様な流れは起こっていた。
そして、「世界」はその失敗を反省しない。
米朝会談はあたかも「平和に向けた大きな一歩」かの如く扱われているが、国際社会ではそう見えた末のナンセンスが実に多い。 最近の例: *オバマ「核なき世界」演説(09年):一体何だったのか。 *オバマ「シリア化学兵器廃棄」(13年):結局、廃棄してなかった。 米朝会談もナンセンスで終わる。
2018-06-12 12:53:26何しろ最悪なのは、オバマ政権時のナンセンスを国際社会が大きく評価した(09年にオバマはノーベル平和賞を受賞した。13年には化学兵器禁止機関が同じく平和賞を受賞した)のに対して、結果がナンセンスだったのが明らかになった後も、誰もその評価を反省していないということだ。過ちを認めなかった。
2018-06-12 12:56:23米朝会談もおそらく同じだろう。ノーベル平和賞がトランプに受賞されるかどうかわからないが、金正恩やとりわけ文在寅には受賞される可能性が高い。国際社会は「平和に向けた偉大な一歩」だと褒めそやすだろう。そして、いずれ北の虚偽が明らかになる。北の裏切りを国際社会は黙って受け入れるだろう。
2018-06-12 12:58:07過去にそうだったことは未来にも必ず起こる。オバマ政権時のナンセンスを国際社会は褒めそやした上に過ちだと気づいた後も間違いを認めなかった。北の非核化が実現するという思い込みも過ちであることは分かっているが、国際社会はそれを認める勇気を持たないだろう。世界は想像以上に体たらくである。
2018-06-12 12:59:54「トランプ大統領と金正恩国家主席による共同声明への署名予定」が発表される
CNNが「対話を続けることに合意する署名」と報じています。実務協議の時間が少なかったので、うなづける内容ですが、それでも一つお互いに「重し」となる項目が必要でしょう。CVID明記来い!でなければ漂うことに。「CVIDに向けた」でもいいと思います。 pic.twitter.com/PN5j7p22nj
2018-06-12 14:28:14発表された共同声明文の全訳を読み驚く国際関係学者の方達
あれほど強調していたCVIDが入らず、非核化の工程表も安全の保証の具体的措置もない。曖昧な非核化と曖昧な安全の保証にコミットしただけで何ら新味がない。何回も米朝が実務協議をしたり、昨日ポンペオ国務長官が非核化の専門的知見を強調していたのはなんだったのか。何か付帯文章があるのだろうか。
2018-06-12 16:10:18発表された共同声明の内容
・2018年4月27日に開催された『第三回 南北首脳会談』に寄って出された「板門店宣言」に則った形で朝鮮半島の非核化を行う。
(→「北朝鮮の非核化を行うためには、在韓米軍の撤退が必要となる」と北朝鮮が発言する隙がそのまま残り続ける。)
※CVID(『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化』)に関する定義等の文言は共同声明文の中には無し。
結果
アメリカ側
・何の成果も得られませんでした!
※"「米朝首脳会談」の開催に成功した"事がトランプ大統領の功績になるという、トランプ大統領個人にとっての成果は有った。
北朝鮮側
・何の譲歩も無しに対北宥和志向の韓国とのパイプと、中国からの経済制裁緩和を得る事が出来た
・北朝鮮を巡る国際情勢に関する交渉の場から日本(拉致問題)を除外する事に成功
結論:何の成果も得られませんでした!(が、これを「失敗」と言う事は許しません byトランプ大統領)