佐藤正美Tweet_20180516_31

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佐藤正美 @satou_masami

でっち上げられた「幽霊」に対して、「皆んなが寄ってたかって解決しようとかかる。ところが当の問題は、解決されようにも問題の形をまだ成してはおらぬという始末だ。未だ形をなさぬ問題に既に解決がある。――文字通り珍妙な事実の写実であって、言葉の戯れではないのである」(小林秀雄)

2018-05-18 19:24:37
佐藤正美 @satou_masami

それらの「概念」が常に「現実」に対して験証されれば「幽霊」にはならないのだけれど、「芸術」では「概念」の実存を証明(験証)できない――たとえば、「美」は感知されても験証できない、品定めの物差しがない。だから、「幽霊」が跋扈できる。そして、「概念」が「現実」を象嵌する。

2018-05-18 19:30:06
佐藤正美 @satou_masami

作品が「名称(「概念)」によって或るワクをはめられる。たとえば、✕✕派とか○○主義とか。そして、それを完全に反証するのが難しい(「説示一物即不中」)。物の「名辞(「概念」)を多少は信じる人たちと多少は信じない人たちが平行線の論争をしている。

2018-05-18 19:34:03
佐藤正美 @satou_masami

「感動を失ってただ刺激だけを求め、沈黙を失って饒舌となり、熟考力を失って速断し、自分で自分の言ったことを忘却する。言語生活がこの四つの状態をあらわしたとき、(略)大人なら精神錯乱の前兆である」(亀井勝一郎)

2018-05-18 19:37:24
佐藤正美 @satou_masami

現代では、われわれは精神錯乱の状態に陥っているのではないか。そういう社会の中で自分を見失わないように確(しか)と立っていることは難しい。私は社会の中の一滴にすぎない――その一滴なる私が自分を見失わないようにする一つの抵抗力は、自分の「文体」を持つということでしょうね。

2018-05-18 19:41:01
佐藤正美 @satou_masami

私はそんなふうに奮励してきたし、少しずつ実現してきたと思う。しかし、水に同化しない油は水の上に ぽつんと浮かんでいるしかない。

2018-05-18 19:42:32
佐藤正美 @satou_masami

芸術作品とは、近松門左衛門の謂うように、実と虚とのあいだに存する皮膜なのかもしれない(「難波土産」)。

2018-05-26 21:33:22
佐藤正美 @satou_masami

私は、十代後半から今に至るまで、いわゆる「純文学」を読んできましたが、作品について今になって次の所感を やっと実感できる――「表現の固有性ということが、すべての芸術の初めであり終りである」(ゲーテ)。

2018-05-26 21:35:59
佐藤正美 @satou_masami

したがって、私は、個々の作品を離れた演繹的概評を信じない。小林秀雄氏は、それを見事な文で言い尽くしています――「美しい花がある。『花』の美しさという様なものはない」(「当麻」)。

2018-05-26 21:38:47
佐藤正美 @satou_masami

この ことば を私は二十代のときに読んで感奮しましたが、それが実感となるには三十年かかった。頭が眼を騙す――このことは簡単に気づいてもよさそうなことなのだけれど、実感となるのは難しい。

2018-05-26 21:42:23
佐藤正美 @satou_masami

「批評家は新規を追うが、瑞々しさを求めぬ。問題を次々に同じやり方で解決して行く事を好むが、或る問題を次々に新しいやり方で解決する事を好まぬ」(小林秀雄、「文学界の混乱」)。

2018-05-26 21:46:35
佐藤正美 @satou_masami

いわゆる「科学的な法則」を(その適用するための前提を無視して、)様々な事態に対して一律に適用する悪疾を非難しています。私は、そういう悪疾を患った連中を わんさと観てきました。

2018-05-26 21:49:35
佐藤正美 @satou_masami

しかも、連中は,悪疾とは毛頭思っていないで、あたかも、事態を すでに見通しているかのごとく [ 前もってソリューションを与えられているかのように ]、簡単に [ 連中は「科学的に」というかもしれない ] 計らう、「それはね、こうだよ、人生ってそんなもの」と。

2018-05-26 21:54:20