【園児RPG 虹の勇者と七本槍 レベル6】(第二章プロローグ)
- kosn_ninja
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力のコセンの訃報は、七本槍に激震をもたらした。イルマシティ崩壊から一週間後、七本槍は金のじゃすが用意した『会合の間』で円卓会議を行う事になった。『水のミヤコ』はだれよりも早く円卓について、出席者が会合の間に入ってくるのを待っていた。 #enjRPG
2018-06-15 21:33:30水色のゆったりとしたローブに身を包んだ水のミヤコは、傍にパーカーを着た少女『氷のねこむら』を控えさせながら待っていた。心中では怒りが激しく燃えていた。自身の部下である、力のコセンからの伝書鳩が途絶えて一週間。事の次第を、この会議で明らかにしなければならない。2 #enjRPG
2018-06-15 21:37:59最初に入ってきたのは、赤い甲冑を着込んだ『火のリョウ』。彼女は北の辺境『カサカサ荒地』の担当で、温厚な性格として知られる。人に火の秘術を与えたが、裏切られて迫害されたと前回の会議で言っていた。今は、おそらく人間の敵だろう。3 #enjRPG
2018-06-15 21:40:24続いて、緑色のボロ服を着た『木のもず』。彼は『はやにえの森』に住む自然を愛する者だ。完全に発狂しており、この会議によく出席できたものだ、と水のミヤコは驚いた。火のリョウと、木のもずは隣同士の席に座って談笑しはじめた。「ワンワウ…」「人間は、あまり殺さず苦しめて…」4 #enjRPG
2018-06-15 21:43:09ふと気がつくと、『闇のもよ』が水のミヤコの隣の席にいた。ピエロじみた格好に、ナイトキャップを被っている。いつものように、ぼんやりと虚空を見つめている。だが、その頭の中では常人には理解できない恐ろしい思考をしていることを、水のミヤコは知っていた。5 #enjRPG
2018-06-15 21:46:13『光のまくず』が入ってきた。彼は闇のもよ以上に謎が多い。古代和装じみたゆったりとした服を着て、大きな鏡を持っている。光はそこにただあれかし。というように、他者への干渉を光のまくずはしない。ただし、千里眼じみた力で、この世界の全ての出来事を見通している。6 #enjRPG
2018-06-15 21:50:09その、全てを知りながらあえて手を出さない姿勢と、今だ判明しない未数値の実力は、七本槍の中でひときわ不気味さを纏うと同時に、ひどく恐れられていた。7 #enjRPG
2018-06-15 21:53:39しばらく間をおいて入ってきたのは、ペスト医師じみたマスクを付け、革のコートを着込んだ男。『金のじゃす』だ。七本槍きっての武器職人で、水のミヤコが持つ杖は、彼の作品だ。この杖だけではなく、七本槍の持つ武器のほとんどが彼の手によるものだ。8 #enjRPG
2018-06-15 21:55:21彼は七本槍内の仲介人である。今回の会議の会場と、日程を調整したのも彼だ。金のじゃすは、個々が独立した核爆弾と称される七本槍同士の仲をとりもち、激突や裏切りを防ぐ立場にいる。彼がいなければ、ミヤコガルドは少なくとも3回は焦土と化していただろう。 #enjRPG
2018-06-15 22:01:23