富士信仰概論

富士信仰の定義と分類を示します。主に自分で説明するためのタネ本として。
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大谷正幸(録誌斎) @64sai

【富士信仰の定義】 富士山に「神」がいる、または富士山が「神」である、という前提の下で行われる宗教的な活動。

2018-06-25 19:49:03
大谷正幸(録誌斎) @64sai

【富士信仰の分類】 一、日本各地に散在し祀られる浅間神社 二、富士山麓の各登山道にある信仰集落 三、富士修験及び修験道に基づく富士信仰 四、角行系(かくぎょうけい)の諸派 五、前項のいずれにも属さない、個人や小規模な集団による祭祀

2018-06-25 19:49:57
大谷正幸(録誌斎) @64sai

【角行系の定義】 角行藤仏(1561-1646)を自らの富士信仰の祖とする個人・団体。 【角行系の細分】 a、初期角行系 b、月行系 c、富士講 d、法家系 e、不二道 f、富士講系教派神道 g、前項のいずれにも属さない個人

2018-06-25 19:51:49
大谷正幸(録誌斎) @64sai

【二つの「富士講」】 「富士講」には二とcに属するもの二種類があり、前者は中部・近畿地方、後者は主に関東地方に分布する。後者の確認されている南限は静岡県沼津市。両者は宗教的な背景や習俗が全く異なり互換性は無い。

2018-06-25 19:55:31
大谷正幸(録誌斎) @64sai

富士信仰における「神」を以下に列記する。数個のツイートが続く。 ●記紀神話由来 コノハナサクヤヒメ、イワナガヒメ、ニニギ ●仏教(修験道)由来 富士権現(童子形の垂迹神)、浅間大菩薩(本地物『富士山の本地』にあるような垂迹神)、大日如来、阿弥陀如来など

2018-02-06 21:32:20
大谷正幸(録誌斎) @64sai

●富士講系教派神道以外の角行系 仙元大日菩薩(神仏どちらでもない)、仙元大日神(同)、日月仙元大菩薩(同)、元の父母(チチ・ハハ)。イザナギ・イザナミをモデルとした二人一組)、南無仙元大菩薩(元の父母の子とされる)、南無長日月光佛など

2018-02-06 21:34:00
大谷正幸(録誌斎) @64sai

●富士講系教派神道 大祖参神(おおみおやのかみ)、天祖参神(あまつみおやのかみ)(いずれも記紀神話の造化三神と説明される) ●伝説由来 かぐや姫 ●イメージ重視 仙女(神と言うより富士山の上に舞うもののイメージ) ●特に個性が無い 浅間大神

2018-02-06 21:34:20
大谷正幸(録誌斎) @64sai

富士信仰には多様な立場があり、それぞれが富士山の「神」としてあてがうものもまた多様である。そこで言われる「神」は必ずしも記紀神話の神ではない。というより、富士信仰の歴史からすれば、浅間神社を見て反射的に「祭神はコノハナサクヤヒメ」と言ってしまう方がむしろ異常なんだよ。

2018-02-06 21:37:21
大谷正幸(録誌斎) @64sai

【富士信仰の意義】 1、諸宗教(神道・仏教・修験道・その他)からのアプローチが富士山の「神」への信仰という一点を軸に生む多様性。 2、無尽を利用した講組織や、出版流通の発達を背景にした宗教的教養の応用と言った、庶民による信仰上の工夫や思索の深化。

2018-06-28 21:14:31
大谷正幸(録誌斎) @64sai

【富士信仰の意義・続き】 3、黒ボクを貼り付けた富士塚や、角行系の富士講の諸道具および独特の倫理性にみる江戸町人的なセンスの発露。 4、地元の信仰や地理、当地在住の突出した行者によってユニークにアレンジされる地方性。

2018-06-28 21:27:39