ワシントン条約最初の付属書は1973年の条約採択時に作成された。この時点で多くの水産種が付属書に掲載されていた。たとえば、付属書Ⅰには鯨類の一部やジュゴンの特定個体群などの哺乳類、ケンプヒメウミガメやシャムワニなどの爬虫類、
2018-06-26 20:27:00しかし、いわゆる商業漁業対象魚種がワシントン条約のばで初めて大きな話題になったのは、1992年に京都で開かれた第8回締約国会議でのことであった。スウェーデンがクロマグロの西部太平洋系群を付属書Ⅰ(商業取引禁止)に、東部系群・地中海系群を付属書Ⅱ(取引許可制)に掲載する提案を提出した
2018-06-26 20:41:13この提案はそもそも、オーデュボン協会のCarl Safina氏が作成し、WWFがスウェーデン政府に働きかけて提出してもらったものである(NHK取材班 1992)。この提案の対案として、
2018-06-26 20:50:25カナダ・モロッコ・日本・アメリカが大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)に対してクロマグロの管理体制の改善を促す内容の決議案を共同提案の形で提出した。
2018-06-26 21:01:39スウェーデン政府はこの決議案によりICCATにに対して明確なメッセージを発信することができたとして、提案を撤回、クロマグロは規制対象とならなかった。
2018-06-26 21:04:17提案を作成したCarl Safina氏はクロマグロを規制対象に選んだ理由として、「カリスマ的マスコットになる魚を探そうと思った。人々が自分と関連づけられるものがいい。最初、人間と同じ高次捕食者であるサメがいいと思ったが、データを集めるのに1年も必要だろう。
2018-06-26 21:10:21それにサメはかわいくない。クロマグロがいちばんいい選択だと思った」と回想している。(Seabook 1994) WWF-Swedenを通じてスウェーデン政府に提出を働きかけたWWF-USのMike Sutton氏は、「生物学的特性にくわえ産業規模から究極の政治的魚となった」と述べている (Seabook 1994)
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