「これはただのビタミン剤じゃ...」5分で分かるヒロポンの歴史

覚醒剤としてかなり有名なヒロポン(メタンフェタミン)についてざっくり解説してみました。「薬品」が「違法薬物」になるまでの経緯を見ていってください。(間違ってるところがあればコメント欄で訂正お願いします)
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ぐりとぐら @guriro1504
日本で昔からある有名な覚醒剤といえばヒロポンじゃないだろうか。 漫画「はだしのゲン」でも登場して覚醒剤の怖さに触れた人も多いと思う。 そんなヒロポンがどのようにして生まれ、どのように表の世界から消えていったのかの歴史をちょっと調べてみた。 pic.twitter.com/XCTz5OCCfE
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ぐりとぐら @guriro1504
元は1893年に日本の薬学者・長井長義さんが漢方薬の麻黄から抽出したエフェドリンで、これにちょいちょいと合成してメタンフェタミンを作り出したことに始まる。図からわかるように二つはすごく構造が似てる。基本的に薬物は構造が似てれば作用もだいたい同じなことが多い。 pic.twitter.com/KjLsNK08Ah
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ぐりとぐら @guriro1504
まだエフェドリンが発見された当時では「覚醒剤」という概念すらなくてこれに強い依存性があるなんて判明してなかった。だから強い神経興奮作用があるってことだけ着目されてヒロポンって商品名が付けられて一般に販売され始めた。
ぐりとぐら @guriro1504
これは当時の広告 疲労回復や作業能率が上がるとかだいたいそんな感じのことを謳って販売されてたみたい。 pic.twitter.com/8GDons0rZ7
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ぐりとぐら @guriro1504
広告のとおり、第二次世界大戦の最中では大日本帝国軍の疲労回復剤として大量生産されてて「本土決戦兵器」の一つにすら数えられていた。 大戦中の広告には「造れ!送れ!撃て!」だなんて書かれてるレベル pic.twitter.com/r01K55w9id
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ぐりとぐら @guriro1504
ところが敗戦後、ヒロポンの評価の風向きはだんだん変わり始める。 今まで大日本帝国軍が大量生産して大量に備蓄していたヒロポンが闇市などを介して一斉に市場に出てくると、市民は不安解消のためにそれに飛びついた。 ここからヒロポン中毒、「ポン中」が一気に知られるようになる。
ぐりとぐら @guriro1504
中毒だけが被害ではなかった。注射器の使い回しや粗悪品の流通により、感染症や神経へのダメージなどが二次的被害として広まり、ヒロポンは一気に社会問題になってしまった。 pic.twitter.com/fJ5C4fB1UQ
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ぐりとぐら @guriro1504
で、1949年、ついに日本政府はヒロポンの主成分「メタンフェタミン」を劇薬指定し、ヒロポンは一応表舞台からは消えた。(戦後しばらくは闇市で流通し続けたけど)
ぐりとぐら @guriro1504
ここまでが終戦直後までの大まかなヒロポンの経緯。じゃあ今では劇薬指定されてヒロポンは製造販売されてないんだね!...とはいかないんですよ。 なんと今でもヒロポンは製薬企業が製造してる。
ぐりとぐら @guriro1504
これは日本薬局方(公式の薬図鑑みたいなもの)に記載されてるヒロポンの添付文書。 この要件に従えば今でもヒロポンは薬剤師によって処方することが出来る。まぁそれは悪い事じゃなくて、正しい知識を持った人が使えばキチンと薬として作用するということ。 pic.twitter.com/18dTlurksk
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ぐりとぐら @guriro1504
薬局で買えるエスタックイブにも今回話したメタンフェタミンと構造の似たメチルエフェドリンっていうのが入ってて、使い方次第ではヒロポンと同等の依存性を起こしうる。 覚醒剤だから有無を言わさずダメというわけではなく、それの有効利用法があることも忘れないでね。 pic.twitter.com/WTJhnnYoS0
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ぐりとぐら @guriro1504
つまりゴチャゴチャ言ってきたけど最後に言いたいのは、薬を覚せい剤たらしめるのは薬そのものではなく、それを使用する人間の使い方ということ。 薬は分量で毒にもなりうるし薬にもなりうる。

コメント

木犀劇場 @former_TY 2018年7月1日
レッドブルとかモンスターとか飲みまくってる奴が現代版か?
木犀劇場 @former_TY 2018年7月1日
そういや、あまりよく覚えてないけどサザエさんの原作四コマにもヒロポン出てきてた気がする
生き残った墺太利伊太利帝国さん @NotAustralia01 2018年7月1日
現代で「魔剤入れたw」って言ってるのと同じ感覚で「ヒロポン打った」つってたんだろうねぇ 規制の基準はその時点での科学的知見(とその時点での世間一般の道徳観念)をベースにしかできないんだねぇ 現代の知見や価値観を基準に「ヒロポンが当たり前に流通してたあの時代はおかしかった」なんて言えやせんということか
fumi @karakararen 2018年7月1日
ナルコレプシーとかの睡眠障害から文字通り「覚醒」させるために処方されるんだっけ? 不思議なことにそういう病気の人は依存性が出ないらしく、正しい使い方なら本当に有用なんだよね。
denev @_denev_ 2018年7月1日
なんで誰も依存性のないヒロポンを開発しないの?大儲けできると思うんだけど。
💦 @Invertebrataphl 2018年7月1日
100人のうち90人は問題なく10人に依存性が出て、そのうちの1人が問題行動を起こすのだとしても、社会全体としたら大量の件数になるという話なんでしょうなあ。
ヘルヴォルト @hervort 2018年7月1日
_denev_ 不可能だからでしょ。こういうのに慣れると、こういうのが効いてる時が通常時になり、効果が切れると本来以上にメンタルが下がった気分になる。どんな薬物でもこれは同じ。だから過剰に慣れてしまわないようにコントロールするしかない
はいん・まいやー @reisacker 2018年7月1日
赤塚不二夫がアイデアを出すまで寝ない!って言って、ヒロポンを買いに行く回想漫画あったよね。
nekosencho @Neko_Sencho 2018年7月1日
あの時代はみんな害があることを知らなかっただけの話で、害があるのがわかってる現在同じように使おうってのは間違いだってのも忘れちゃいけない。
mikumiku_aloha @mikumiku_aloha 2018年7月1日
アルコールやニコチンは当然としてカフェインにも中毒性あるって言われています。
齊藤明紀 @a_saitoh 2018年7月2日
和歌山県の事件に絡んで「覚せい剤は口から入れるととても苦い」って話が出てました。ヒロポン錠はなにか苦み対策してたんだすかねぇ?
DjangoAlBisturi @DjangoAlBisturi 2018年7月2日
だからユベロン飲んで丈夫で長持ちになれってんだよ、ええ?(声の出演 #渥美清 ) a_saitoh 糖衣とか?
師走悠裡 @shiwasu_yuri 2018年7月2日
能力が上がる薬は結局ずっとその能力でいるためにずっと飲み続ける癖がつくからな
ざっぷ @zap3 2018年7月2日
なんで作らないの、って、作ろうとしてないんじゃなくて作れなかったんだよ。「こういうのがあればいいなぁ」はたいていどこかがチャレンジしてて、失敗したか今も研究中か安全性リスクを取らないか市場性がないかで止めてる。実用化したものはエナジードリンクとかになってる。「考えつくものは何でも実現できる」なんてのはスローガンであって現実ではないからな。
山吹色のかすてーら @sir_manmos 2018年7月5日
former_TY 何がヤバいって、タラちゃんが飲んでしまう。
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